レリーズとは?
レリーズは、カメラのシャッターボタンに取り付け、離れた場所からリモートでシャッターを切ることができるカメラアクセサリーです。ケーブル付きのタイプとリモコン操作によるワイヤレスタイプの2種類があります。
たとえば、集合写真など絶対に手ぶれが許されない大事なシーンや花火大会など手ぶれを起こしやすい夜間の撮影時に大活躍します。得てして三脚とセットで使用します。
一眼レフカメラのレリーズの選び方 写真家に聞く
写真家の瀬川陣市さんに、一眼レフカメラのレリーズを選ぶときのポイントを教えてもらいました。
【1】機種に適合したレリーズか確認
【2】初心者にはケーブル付きのレリーズがおすすめ
【3】撮影する状況に応じた長さや機能で選ぶ
【4】搭載機能を確認
【5】ロック機能が扱いやすいものを選ぶ
これらのポイントを押さえて、自分に合った製品をチェックしましょう。
【1】機種に適合したレリーズか確認
フィルム一眼レフカメラのレリーズは、同一規格のネジ穴式だったのでカメラの機種を問わず取りつけることができました。
しかし、デジタルカメラになってからは、メーカーごとにレリーズに取りつける規格が変わりました。同じメーカーであっても機種などによって適合しない場合もあるため、注意が必要です。使用しているカメラに適合するレリーズであるか、必ず確認してください。
コネクタのタイプも要チェック
レリーズの接続端子は、角型・丸型(10ピンタイプ)・ステレオ端子型の3タイプがあります。カメラ側とレリーズの端子が同じタイプでないと接続することができないので、これも事前に確認しておきましょう。万一、端子が合わなかった場合も、別売りのアダプタを取り付けることで接続が可能になります。
【2】初心者にはケーブル付きのレリーズがおすすめ
ケーブル付きのレリーズは、ボタンを押すだけの操作が簡単なものが多いので、初心者の方にはおすすめです。また、ワイヤレスタイプと比べ安価なものが多いのも特徴です。
【3】撮影する状況に応じた長さや機能で選ぶ
レリーズには、有線と無線のタイプがあります。有線のレリーズは、伸ばしたケーブル先でカメラのシャッターを切ります。
撮影する状況によって伸ばすケーブルの長さは変わってくるでしょう。あまり長すぎてケーブルが余ってしまうと撮影時に邪魔になるので、必要な長さのケーブルを求めることが大事です。
また、無線の場合は、リモコン操作でシャッターを切れます。ただ、通信状態を確認し撮り逃さないよう注意が必要です。どんな撮影で使うのかをよく事前に把握してからレリーズを探すとよいでしょう。
ワイヤレスタイプは「赤外線式」「電波式」の2種類
より自由に離れた場所からのリモート撮影を目指すなら、ワイヤレスが便利でおすすめです。ワイヤレスレリーズには、赤外線式と電波式の2タイプがあります。
▼安価な「赤外線式」
カメラ本体に搭載されている受光部でリモコンからの信号を受け取ります。電波式と比べて安価なのが売り。通信可能範囲はおよそ5メートルです。
▼より遠距離での操作が可能な「電波式」
5メートルを超えるような、遠距離からのリモート操作を可能にしてくれるのがこの「電波式」ワイヤレスレリーズです。赤外線式と比べ価格は高くなりますが、なかには、通信可能範囲が最大100メートルに及ぶものもあり、より遠くから操作したい方におすすめです。
【4】搭載機能を確認
ここでは、レリーズのなかでとくにあると便利な機能をご紹介します。
夜間撮影にはぜひほしい「バルブ機能」
バルブ機能にレリーズは必須。記念撮影や集合写真など失敗ができない撮影においても、レリーズがあれば手ブレのリスクを回避することができる。
「バルブモード」は、長時間露光の一種です。バルブモードを使えば、シャッターボタンを押し込んでいる間ずっとシャッターが開いた状態にできます。つまり、夜間や、ロウソクの灯一本の光しかないような暗闇での撮影においても、このバルブモードさえあれば、必要な光を取り込むことができ、写真にすることができるのです。同じ要領でよく撮影されるのが花火です。
バルブ撮影の際に必要なのが、レリーズと三脚です。バルブは上級テクニックと言っても過言ではないのでぜひ挑戦してみてください。
「半押し機能」があればAFが使いやすい
レリーズのなかには、カメラ本体のように半押ししてオートフォーカスに対応したものと、全押しで完全マニュアルフォーカスにしか対応していないものとがあります。撮影に慣れていないうちは、半押し機能に対応したものを選ぶと便利です。
自然体のポートレート撮影を撮るなら「ディレイ機能」が便利
「ディレイ機能」とは、レリーズのボタンを押してから、少し遅れたタイミングでシャッターを切ってくれる機能です。この機能があれば、有線タイプのレリーズでも、リモコンから手を離した状態で自分も一緒に2ショット、集合写真と自撮りすることができます。また、変に構えることもなく、自然な表情を撮ることができます。
【5】ロック機能が扱いやすいものを選ぶ
レリーズは、長時間露光で星空や夜景をきれいに撮影する場合に便利です。このシャッターを押したままの状況を維持させるために、レリーズにはシャッターロック機能がついています。
レリーズを選ぶポイントは、ロック機能が使いやすいタイプかどうかです。ロックボタンや解除ボタン、それぞれの使い方や反応のよさなども確かめてください。
一眼レフカメラのレリーズおすすめ6選 機能・対応機種・コネクタもチェック!
上で紹介した一眼レフカメラのレリーズの選び方のポイントをふまえて、写真家の瀬川陣市さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。

シンプルなレリーズシャッター
シャッターを押すという機能をシンプルにしたものがこの製品。シャッターロック機能がついているので長時間露光をするのにも便利です。
カメラにつなぐ端子部分は、それぞれメーカーごとに選択することができます。ケーブルの長さは1メートル。
「シャッターを単発で押す」「シャッターをロックする」このふたつのベーシックな機能だけがついているので、レリーズを使ってみたいと思っている初心者におすすめです。

キヤノン純正のコントローラー
キヤノンのデジタル一眼機のほとんどに適合するキヤノン純正のリモートコントローラーです。
単純にレリーズシャッターとしてももちろん使用できますが、この機種の特徴は100時間未満で1秒ごとにセルフやインターバル、長時間露光の各タイマーをセットできます。
また、99回までシャッター設定も可能です。キヤノンのカメラでこまかなシャッター設定をして撮影する場合には、この純正のコントローラーが役立ちます。夜間やタイムラプス撮影におすすめです。

ニコンの純正リモートシャッター
ニコンの10ピンターミナルの挿入口を持つデジタルカメラに適合。高機能と定評がある純正のレリーズで、このリモートコードではシャッターの半押しも可能です。
また、設定時間を決めたインターバル撮影や長時間露光撮影ができ、その間1秒ごとに音で知らせる機能もついています。
表示パネルは照明がついており、暗所での撮影でも使いやすい設計なので、天体撮影や夜景を撮る人には最適です。

ペンタックスのケーブルスイッチ
ペンタックスのデジタルカメラに適合する純正のレリーズ。シャッターボタンとロック機能のシンプル構造なので使いやすい設計になっています。
ケーブルの長さは50cmで通常レリーズを使用する場合に扱いやすいサイズ。
難しい設定はなくプラグを差し込むとすぐ使用できるため、夜間撮影などをしてみようとしている初心者におすすめです。

2種類の接続ケーブルが付属したレリーズリモコン
通常、レリーズの接続端子は1種類のみですが、この機種は2種類の端子がついています。ミニプラグとMC-DC2タイプなど幅広く対応。
カメラボディにどちらかの差し込み端子がついていれば、このレリーズリモコンを使用できます。リモコン単体に単4電池2本のバッテリーが必要です。長時間露光設定のほかにもインターバル撮影設定にすることもできます。
2種類の端子があるため、さまざまなカメラに対応できて便利。対応するカメラを複数持つ方は、携帯時の負担が軽くなるのでおすすめです。
5m圏内ワイヤレス! シャッター・AF機能を搭載
キヤノンEOSシリーズと互換性のあるBluetooth対応ワイヤレスレリーズ。カメラとペアリングすることで、写真撮影や動画撮影をリモートで行うことができ、シャッターはもちろん、AFによるピント合わせも可能です。
リモート範囲はおよそ5メートル内。度の角度からも操作が可能です。また、持ち手部分に穴が空いているので、カラビナなどをつけてキーホルダーのように持ち歩くことができます。
【比較一覧表】料金などを比べる
【ランキング】通販サイトの最新人気! レリーズの売れ筋をチェック
Amazonでのレリーズの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【関連記事】ほかのカメラグッズのおすすめ
【まとめ】写真家からのアドバイス
レリーズの機能は、シャッターを切るためのシャッターボタンが付いているものが基本です。基本機能のほかにインターバル撮影やシャッタータイマー設定、音声設定などの付加機能がついている機種があります。
レリーズは夜間撮影や長時間露光撮影などに使いますが、それらの撮影に便利機能を持つレリーズを選ぶ必要があります。ケーブルの長さや機能の数など選ぶポイントはさまざま。ただ、カメラのメーカーや機種によってレリーズの端子が異なるので、なによりもまず適合するものかを確認することが重要です。
ぜひ、お手持ちのカメラにレリーズを使って、撮影する楽しみの幅を広げていってください。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。