原田マハの経歴やプロフィールは? アートを題材にした小説以外に、エッセイなども執筆
1962年に東京都で誕生した原田マハ。関西学院大学・文学部日本文学科および早稲田大学・第二文学部美術史科を卒業後、美術館などでの勤務を経て、2002年からはフリーのキュレーター兼カルチャーライターになりました。
2005年に「カフーを待ちわびて」での受賞(日本ラブストーリー大賞)をきっかけに、2006年に作家デビュー。その後も2012年に「楽園のカンヴァス(山本周五郎賞)」と「キネマの神様(酒飲み書店員大賞)」、2017年に「リーチ先生(新田次郎文学賞)」など、数々の受賞作や映像化された作品を生み出してきました。
アートを題材とした小説のほか、エッセイなども執筆しています。
原田マハ作品の魅力とは アートに関して深い知識
原田マハは美術館に勤務していたこともあり、アートに関して深い知識を持っているのが特徴です。そのため史実をベースとしたアートフィクションものを執筆することが多く、物語を通して美術の世界の魅力も感じられます。
また、人間ドラマやグルメなどのエンターテインメント作品も刊行しています。ドラマチックな展開の作品も豊富で、初心者でも楽しみやすいでしょう。
原田マハのおすすめ小説22選 司書教諭・学芸員のyokoさんと編集部が選んだ
ここからは、原田マハのおすすめ作品をご紹介します。
集英社文庫『丘の上の賢人 旅屋おかえり』は、依頼人に代わって旅をする女性タレント「おかえり」が主人公。心温まり、感動の余韻が残る作品です。北海道旅行気分も楽しめます。

依頼人に代わって旅をするストーリー
過去の人気作「旅屋おかえり」に、未収録だった札幌・小樽編や、北海道旅のエッセイなどを加えた特別編。
芽の出ないタレント・丘えりか(おかえり)が主人公です。依頼人の代わりに旅をする旅の代理人をしていましたが、あるときに「動画に映っている人が昔の恋人かどうかを確かめてほしい」と言われて北海道にいくことに。
そこから、依頼人の初恋に関するほろ苦い過去などがつづられていきます。漫画家の勝田文さんによる、描きおろし漫画も見逃せません。
幻冬舎文庫『20 CONTACTS 消えない星々との短い接触』は、テンポが良く、読みやすい作品です。美術や、文学、映画、漫画の巨匠に妄想突撃インタビューしています。

国内外20人の巨匠について解き明かす
アート小説の第一人者といわれる原田マハが、キュレーターとして開催した展覧会のために書き下ろした短編集です。
美術のほかにも文学や映画、漫画など、20人ものアーティストを取りあげながら、その真髄に迫っていきます。
黒澤明や手塚治虫など、巨匠たちの創作に関する秘密を解き明かすストーリーからは、彼らに対する原田マハの愛情やリスペクトが感じられるでしょう。
文春文庫『ハグとナガラ』短編集なので、これから本を読もうとする初心者にもおすすめです。転職、親の介護などにも触れられた旅物語。30~40代以降の大人世代にはグッとくるものがありますよ。

30代からはじまった日本全国2人旅
旅にまつわる6つのストーリーを収録した、文庫オリジナルの短編集です。
恋愛にも仕事にも失敗して絶望していた36歳のハグが、大学の同級生であるナガラから「旅に出よう」と連絡をもらい、それから年に数回2人旅を楽しむようになります。
転職や恋人との別れ、親の介護などの話題も登場。人生の折り返し地点からはじまった、涙あり笑いありの物語が魅力です。
スピーチライターとして成長するお仕事小説
ドラマ化された人気小説です。好きだった幼馴染の結婚式に出ることになったOLの二ノ宮こと葉は、最悪の気分。しかし、そこで涙するほど感動的なスピーチに出会います。
伝説のスピーチライター・久遠久美の祝辞だと知ったこと葉は、久美に弟子入りして政権交代を目指す野党のスピーチライターに選ばれます。
仕事に打ち込む主人公のストーリーに、目頭が熱くなるでしょう。
山本周五郎賞を受賞した1冊
山本周五郎賞をはじめとする複数の賞に選ばれたアート小説です。
ニューヨーク近代美術館のキュレーターであるティム・ブラウンは、スイスの大邸宅に招かれ、ルソーの名作「夢」に似た絵を目にします。絵の持ち主は、7日以内に正しい真贋判定をした人に絵を譲ると宣言し、謎の古書を読ませました。
ライバルの日本人研究者も交えながら、ルソーとピカソという2人の画家がカンヴァスに込めた思いを追求していく物語です。
かけがえのない人の存在に気づく女性の物語
6編の小説で構成されている短編集です。「あなたがなんということのない穏やかな日常を過ごしているのは、誰かがあなたを大切に思っているからこそ」という原田マハのメッセージが込められています。
年を重ねながら寂しさや不安を感じている独身女性が、大事な人の存在に気づくあたたかい気持ちが表現されているのが特徴です。
美術品の窃盗集団が登場する痛快ストーリー
盗まれた美術作品を修復して、もとの持ち主に返す活動をしている謎の窃盗集団「アノニム」の物語です。
アーティスト「ジャクソン・ポロック」の傑作がオークションにかけられることになり、建築家の真矢美里は7人の仲間と会場へ潜入。
一方で、アーティストを目指す高校生のもとには、アノニムから取引の誘いがあり……。ふたつの才能が出会ったことによって世界を変えていく、アートエンターテイメントです。
乙女男子のラブコメディ
政治家の息子である、遠明寺美智之輔が主人公になった小説です。
美智之輔は、小さいときから絵を描くことが好きだった乙女な美術系男子。美大卒業後に留学していたパリで、おかっぱ頭の女性に出会います。
それから彼女が滞在するリトグラフ工房で制作を手伝うことになりますが、そこで大きな転機が訪れて…。ラブコメディ好きの人には、ぴったりの1冊でしょう。
実在する絵画が彩るアート小説
ピカソやフェルメール、ゴッホをはじめとする、6枚の実在する絵画が登場する短編小説集です。いつかは終わるような恋をしてきた私や、病にかかったことで人生の選択を迫られる娘などが登場。
彼女たちは自分の運命について悩みながら美術館にやってきますが、そこで出会った1枚の絵が未来を切り開いてくれるストーリーです。
総理の妻と支える夫の政界エンターテイメント
「総理の夫」映画化を記念して発売された、愛蔵版の1冊です。
42歳で総理大臣に選ばれた相馬凛子と鳥類学者である夫・日和の物語です。若くして総理になった妻を支えようと日和も奮闘しますが、陰謀を企てるものがあらわれてしまい……。果たして凛子の理想は実現させられるのでしょうか。
痛快で感動できるエンターテイメント小説です。本編に加え、漫画家のみづき水脈による書きおろしコミックや挿絵も収録されています。
巨匠の死に迫る長編ミステリー
アート史上で大きな謎となっているゴッホの死に迫った、長編小説です。
主人公は、パリで美術史の修士号を取った高遠冴。小さなオークション会社で働いていますが、ある日錆びたリボルバーが持ち込まれたことからストーリーが展開していきます。
ゴッホは本当にピストルによって死んだのか、撃った人がいたのではないかなど、死の真相を追求していく傑作ミステリーです。
映画が家族を救う感動作
映画が人々を救っていく、感動のストーリーです。39歳で独身の歩は会社を辞めたものの、映画とギャンブルが好きな父が倒れて多額の借金があることを知ります。
そんななか雑誌の編集部に採用された歩は、あることがきっかけで父親の映画ブログをはじめることに。「映画の神様」が壊れかけてしまった家族を導いていく話に心があたたまるでしょう。
毎日がんばる人へ贈る小さな幸せの物語
20のストーリーを、ギフトとして構成した短編小説集です。
もやもやした心で旅へと出る私の物語「この風がやんだら」のほか、親友の結婚式会場へつながる特別な近道について書かれた「コスモス畑を横切って」などが収録されています。
あわただしく過ごしていると見逃してしまいがちな、日常の小さい幸せを描いているのが魅力です。
美術家たちの愛憎関係を描くミステリー
19世紀末のロンドンを舞台にした、アート長編ミステリーです。
保険職員だった病弱な青年・ビアズリーは、イギリスを代表する作家・ワイルドによって才能を見出いだされ、「サロメ」の挿絵で名をあげました。
しかし、ビアズリーとワイルドは許されない関係となってしまい、ビアズリーの姉やワイルドの恋人も巻き込んだ愛憎関係に発展していきます。アート史の謎に迫った、傑作小説です。
風神雷神にまつわる壮大な歴史アート小説
日本を代表する名画「風神雷神図屏風」を軸に展開していくストーリーです。
ある秋の日、国立博物館の研究員をしている望月彩の前に、マカオ博物館の学芸員が訪れます。彼に言われてマカオを訪れた彩は、風神雷神が描かれた絵画と1つの古文書を目にしました。
古文書には「俵…屋…宗…達」の文字が残されており、そこから美術や歴史にまつわる物語が、圧倒的なスケールで描かれていきます。
ピカソが絵画に託した真実に迫る
表紙に配されたピカソの絵画が印象的な1冊です。
イラクへの攻撃を宣言する米国務長官のうしろから「ゲルニカ」のタペストリーがなくなってします。そしてMoMAのキュレーターである八神瑤子は、ピカソの名画に関わる陰謀に巻き込まれてしまい……。
過去と現在が交錯しながら、スペインの内戦下に創造されたピカソ作品の真実にたどり着いていく、怒濤のアートサスペンスです。
若い才能に翻弄される人々のストーリー
2018年に、京都本大賞を受賞した作品です。たかむら画廊の専務と結婚した、美術館の副館長・菜穂が主人公として描かれています。
東京で暮らす菜穂は、出産を目前に控えて京都に滞在することとなり、ある画廊で1枚の絵に目をひかれます。
無名の若い女性画家の作品でしたが、彼女の才能と美しさに狂わされる人々の業を、つややかに表現しているのが特徴です。
引きこもり青年が自分を取り戻していく1冊
若者の成長を描いた、感動の物語です。いじめが原因で引きこもりになっていた麻生人生が主人公。頼りにしていた母親がいなくなってしまい、年賀状の束だけが残されていました。
そのなかから偶然祖母の便りを見つけ、4年ぶりに外へ出て祖母のいる蓼科へと向かいます。病気の祖母のために米作りに打ちこみながら、自分を取り戻していく主人公の姿に、心があたたかくなるでしょう。
沖縄の離島で繰り広げられるやさしい恋物語
映画化された際に、記念として文庫本化された作品です。第1回日本ラブストーリー大賞を受賞した小説でもあります。
沖縄の離島で雑貨商を営んでいる男が、神社の絵馬に「嫁に来ないか。」と願いごと書き、そのあと本当に神様が花嫁を連れてきてくれるというラブストーリーです。ゆっくりと進んでいく、あたたかくて少し切ないラブストーリーは、自然とやさしい気持ちにさせてくれるでしょう。
ゴッホと日本人画商が出会うフィクション
世界的な画家であるゴッホと、ビジネスの才能を持つ日本人画商・林忠正が登場するアートフィクションです。
1886年、栄えるパリの美術界で、忠正は浮世絵を売りさばきます。一方、まだ売れていなかったゴッホは、放浪しながら画商の弟・テオのもとで世話になることに。
そんなゴッホの前に忠正が現れたことによって、世界を変える1枚が誕生していくアート小説の傑作です。
印象派画家の素顔を語る短編集
印象派のアーティストからモネ、マティス、ドガ、セザンヌの4人をピックアップし、巨匠たちの美の謎を描き出した短編集です。
「ジヴェルニーの食卓」では、庭の風景を描くモネや義理の娘の様子が書かれています。画家の身近にいた女性が語り手になっており、美術史などからは知れない画家の素顔が垣間みえるのが魅力です。
取材先で出会ったおいしいものをつづるエッセイ
原田マハが、美術と並んで好きな「おいしいもの」についてつづったエッセイです。
著者が、「楽園のカンヴァス」や「暗幕のゲルニカ」などの取材先であるパリ、ロンドン、スペイン、京都を訪れながら、各地で食べた思い出のひと品を紹介しています。原田マハの小説以外の作品にふれてみたいときには、ぴったりの1冊でしょう。
「原田マハ おすすめ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 原田マハ おすすめの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでの原田マハ おすすめの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
そのほかの小説の記事はこちら お気に入りの一冊を見つけよう!
原田マハの幅広い作品を楽しもう 家族愛や成長を描いた感動ストーリーのほか、恋愛ものやエッセイまで多彩
原田マハは、美術への造詣が深いことからアート関連のミステリーや短編小説集を多く発表しているのが特徴です。
また、家族愛や成長を描いた感動ストーリーのほか、恋愛ものやエッセイまで多彩な作品があります。受賞作や映像化された作品も複数あり、幅広い層の人にとって読みやすいでしょう。
今回ご紹介した魅力やおすすめ作品もチェックしながら、ぜひあなたも幅広い原田マハの作品にふれてお気に入りの1冊を見つけてください。
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本や博物館が好きすぎて、司書教諭の免許と学芸員の資格を保有しているライター。小学校教諭と幼稚園教諭の資格も保有。 どのようなジャンルの本も幅広く読む。趣味は小説を書くことや美術館めぐり。ネイルやマッサージなど、リラックスできることが生きがい。基本的に文化系女子。世界をひとりで旅行して、暮らすように滞在するのが好き。プチミニマリストで、がんばらない家事を意識している。