スマートスピーカーとは
スマートスピーカーは、音声認識・操作が可能なAI機能を搭載したスピーカーのこと。音楽・動画再生はもちろん、ニュースや天気予報などもすぐに聞くことができ、家電機器の操作もハンズフリーで、声だけで行えます。
使い方は「話しかけるだけ」という簡単なもので、例えば「OK!!Google、目的地までの時間を教えて」「アレクサ、レシピを教えて」など、さまざまな質問に即座に応答して教えてくれます。また、「いってきます」や「ただいま」という言葉で、照明やエアコンなどが一斉に操作できるなど、アイデアと使い方次第で利便性が広がる家電です。
▼スマートスピーカーができること

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スマートスピーカーができることは大きく、下記の8つがあります。一つひとつ解説していきます。
● 音楽や動画の再生
「音楽をかけて」とお願いするだけで、対応した音楽ストリーミングから好きな曲を流すことができます。さらに、YouTubeやNetflixなどと連携すれば、動画の再生なども可能です。
● IoT家電の操作
スマートスピーカーを介して、IoT家電を操作することも可能。「電気をつけて」「エアコンを消して」といったスイッチのON・OFFができるため、とても便利です。
● 検索機能
各種スマートスピーカーでは、GoogleやSafariなどの検索エンジンと連結させれば、「◯◯を調べて」と話しかけることで、知らないこと・わからないことをすぐに検索することができます。
● 天気予報やニュースの確認
あらかじめ設定しておけば、天気予報や時事ニュースなどを定期的に音読してくれます。また、設定しなくても、「今日の天気を教えて」と音声で伝えれば答えてくれます。
● スケジュール管理
スマートスピーカーは、音声入力によってスケジュールを登録することができます。さらに「来週の予定を教えて」といった、スケジュール確認も可能です。仕事やプライベートで活用することができます。
● 通販サイトでのショッピング
代表的なものがAmazonの「Alexa」ですが、機種により通販サイトと連動し、買い物をすることができます。「◯◯を買い物リストに追加・購入」と言うことで、リスト追加したり、購入することができるので手軽で便利です。
● メール作成・送信、読み上げ
メールアプリなどど連動させれば、口頭で伝えた内容をメールの文面に執筆し、送信を行うことができます。さらに、受信した内容を開きたい場合は、読み上げ機能などもあります。
● 本の音読
ニュースやメールの読み上げと同様、書籍の読み上げに対応したスマートスピーカーもあります。本を読むのが苦手な方や読む時間がない方にとって、本を“聞く”こともできます。
▼スマートスピーカーができないこと

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スマートスピーカーには、もちろんできないこともあります。複雑な質問、長い質問などに対応することです。
スマートスピーカーに組み込まれたAIは、基本的に、登録された人間の複数の質問パターンを想定して、返答が準備されています。そのため、単純な計算や登録された操作は早く正確に作業することができます。
しかし、長すぎる質問や、人間の意図を深く汲み取るような返答はできないのです。今後のAIの進化によって、この部分は改善されるでしょうが、現在のAIでは単純な操作のみということは覚えておきましょう。
(※)注意:IoT家電との連携は対応機種かを必ず確認

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スマートスピーカーは機種によって、エアコンやテレビ、ドアロックなど、さまざまなスマート家電に対応しています。しかし、スマートスピーカーに対応しているIoT家電を使用する必要があります。購入前には、自宅の家電が対応しているかどうかを確認しましょう。
対応している家電などに関しては、メーカーの垣根を越えて対応するものが多くあります。たとえば、スマートスピーカー「Google Home」のスマートホーム機能に対応しているIoT家電には、アイリスオーヤマのLED電球や照明などです。また、スマートリモコンRATOC『RS-WFIREX4』では、AmazonのAlexaとGoogleアシスタントに対応したスマートスピーカーと連携すると、音声で家電を操作できます。
しっかり確認して、スマートスピーカー、もしくはIoT家電を購入するようにしましょう。
代表的なスマートスピーカーの種類・特徴
スマートスピーカーの代表的なメーカーとして、
・Amazon
・Google
・Apple
・LINE
などがあります。
対応アプリ、ストリーミング機能など、自分の生活や好みによって選ぶべきメーカーが変わってきます。スマートスピーカーの機能をフルに活用するなら、対応できるアプリをチェックして、自分がよく使うサービスに合うものを選びましょう。
Amazon
< 搭載AI >
「Amazon Alexa」
< 代表的なスマートスピーカー >
「Amazon Echo」「Echo Dot」
「Echo Show」「Echo Studio」
「Echo Flex」など
アマゾンの「Amazon Alexa」は、アマゾンで買い物もできるのが最大の特徴。また、一般的な機能のほかに、ピカチュウトークや筋トレコーチなど利用できるアプリが多彩なのも魅力です。
音楽ストリーミングについてはAmazon Music、Apple Musicなど幅広く対応しています。
< 搭載AI >
「Googleアシスタント」
< 代表的なスマートスピーカー >
「Google Nest Mini」「Google Nest Audi」
「Nest Hub」「Nest Hub Max」
「Google Home Mini」
グーグルの「Googleアシスタント」は、GoogleカレンダーやYouTubeなど同社が提供するサービスとの連携が強みです。また、九九練習といった子ども用学習アプリなど、生活に紐づいた特徴のあるアプリが比較的多いです。
音楽ストリーミングについては、Google Play MusicやYouTube Music、近年ではSpotifyなども利用可能です。
Apple
< 搭載AI >
「Siri」
< 代表的なスマートスピーカー >
「HomePod」「HomePod mini」
AppleのAIは、iPhoneやiPadなどに搭載されているSiri。iPhoneと操作方法はほとんど同じで、音楽やアラーム、天気予報、簡単な検索などの活用が可能なのが魅力です。「HomePod」などは初期設定にiPhone、もしくはiPadが必要ですが、設定が簡単で扱い易いのが魅力です。
音楽ストリーミングサービスは、Apple Musicのみ、その他、音声・動画配信サービス「Podcast(ポッドキャスト)」が使用できます。Appleユーザーにとっては、使用環境がほぼ変わらないというメリットがあるでしょう。
LINE
< 搭載AI >
「LINE CLOVA」
< 代表的なスマートスピーカー >
「LINE CLOVA Desk」「CLOVA Friends mini」
「CLOVA Friends」「CLOVA WAVE」
LINEの「LINE CLOVA」は人気SNSアプリ・LINEとの連携機能が強みです。また少量ながら、童話や昔話の読み上げなどユニークな機能もあります。
音楽ストリーミングはLINE Musicのみなど、上記2社と比べると全体的な機能面で少し物足りなさを感じるものの、LINE自体がニュースや音楽をはじめ、できることが増えているため今後の成長に期待です。
その他メーカーのスマートスピーカー
上記の4社以外にも、各メーカーがAmazonなどの有名メーカーのAIを搭載したスマートスピーカーを展開しています。
例えば、ソニーからは音楽の音質にこだわった『スマートスピーカー SRS-XB501G』、アンカーからは小型で使いやすい機能性の『Eufy Genie』、BOSEからは、360°スピーカーとして高性能な『Bose Portable Smart Speaker 』など、それぞれのメーカーの強みを活かした製品が数多く展開されています。
シェア率は低いものの、「音質だけはこだわりたい」など、単一機能にこだわりたい方におすすめの製品たちです。
(★)ポイント:一番無難なのはアマゾン製品
IT・家電ジャーナリスト
Amazon Alexaに対応するスマートスピーカーの場合、アマゾン製品は呼び名を「アレクサ」以外に設定することができますが、他社製品はできないなど、少し使い勝手が異なる点があります。
アマゾン製品はそのほとんどが外部出力端子を備えていることもあり、よほど音質が気に入った場合でもない限り、Amazon Alexaならアマゾン製品を選ぶのがおすすめです。
Googleアシスタントに対応するスマートスピーカーは、グーグル製品の使い勝手や音質が今ひとつですので、機能や性能面で特徴的かつ音質も含めて、気に入った製品を選ぶとよいでしょう。
スマートスピーカーの選び方
それでは、スマートスピーカーの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の4つ。
【1】音声認識能力
【2】音質
【3】対応する音楽配信サービス
【4】その他のこだわり機能
上記の4つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】音声認識能力をチェック
スマートスピーカーは、基本的に音声で操作しますので、認識がスムーズなものだと、言い直したりといったストレスもなく使用できます。
購入の際には、スマートスピーカーの音声認識能力の高さ、日本語の聞き取りや読み上げの精度、音声のスムーズさなどの特徴を理解して選びましょう。例えば、「Googleアシスタント」や「Amazon Alexa」などは認識能力が高いので、ぜひ参考にすると良いでしょう。
【2】音質をチェック
スマートスピーカーができることは、まだ決して多くはないので、利用する目的としてメインになるのが音楽配信サービスではないでしょうか。その点でもっとも重要になるのが音質です。
アマゾン・グーグル・LINE以外の、オーディオメーカーなどからもスマートスピーカーが登場しているので、音質重視なら狙い目です。さらに高音質なサウンドを欲している方は、BOSEをはじめとしたハイレゾ音源などの商品もおすすめ。
できれば実際に聴いてみて、お気に入りの音質を実現したモデルを選ぶことをおすすめします。外部出力端子を備えるモデルの場合、お気に入りのスピーカーやオーディオシステムと接続し、より高音質に楽しむこともできます。
【3】対応する音楽配信サービスをチェック
各スマートスピーカーの搭載AIでは、対応している音楽配信サービスが違ってきます。収録曲数や月額料金が変わりますので、音楽機能を十分に楽しむために、好みのサービスを選ぶのもアリです。

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Spotify・Google Play Musicなどを使用したいなら「Googleアシスタント」、Amazon Prime Musicなら「Amazon Alexa」、Apple Musicなら「Siri」、LINE Musicなら「LINE Clova」といったように、自分にピッタリのサービスで選んでみましょう。
【4】その他のこだわり機能をチェック
上記で紹介した選ぶポイント以外にも、大切な機能はいくつかあります。ここでは、あるとより嬉しい機能についてご紹介いたします。ぜひ参考にしてくださいね。
(a)360°スピーカー
360度全方位にサウンドが広がっていくのが特徴のスピーカーが360°スピーカーです。部屋中にサウンドが行き届くため、どこにいても通常の音質よりもさらに高音質で楽しむことができます。
(b)防水機能
スマートスピーカーの設置場所によっては、防水機能もおすすめ。例えば、キッチンや洗面台周りに設置する場合、水しぶきなどが飛ぶと心配です。そんなときに防水機能があれば、安心して使用することができます。
(c)スマートリモコン対応の有無
スマートスピーカーには、スマートリモコンが対応している機種もあります。
対応機種であれば、「IoT家電→スマートリモコン→スマートスピーカー」と、スマートリモコンを介して音楽やIoT家電を音声認識で操作することができます。もちろん、IoT家電がスマートリモコンと対応していないと使用できないので注意が必要です。
(d)ディスプレイの有無
スマートスピーカーは、元々音声アシスタントを搭載するワイヤレススピーカーとして登場しましたが、最近ではディスプレイを搭載するモデルも増えてきています。
ディスプレイを搭載するモデルなら、より多くの情報へ手軽にアクセスしやすくなりますし、動画を楽しむこともできます。普段の使い勝手という面では、マイクのオン・オフや音量調節などの操作がしやすいかどうかなどもチェックしましょう。
おすすめ商品の比較一覧表
おすすめ5選|Amazon、Google、Apple、LINE
それでは、スマートスピーカーのおすすめ商品をご紹介いたします。まずは、Amazon、Google、Apple、LINEといった代表メーカー4社の商品です。ぜひ参考にしてくださいね。

Amazon(アマゾン)『Amazon Echo Dot』


















出典:Amazon

Amazon(アマゾン)『Amazon Echo Show』




























出典:Amazon
映画も楽しめる大画面スマートスピーカー
10.1インチの大画面ディスプレイを搭載している、Amazon Alexa対応のスマートスピーカーです。
「Amazon Echo Spot」は卓上クロック兼用というイメージですが、こちらは大画面タブレットに音声アシスタントが搭載されたものと思っていただいたほうが、正しいと思います。
「Amazon Music Unlimited」などの音楽配信サービスはもちろん、動画配信サービス「Amazon Prime Video」にも対応しています。
一般的なタブレットほど、対応する動画配信サービスは多くないのが残念ですが、アマゾンプライム会員なら追加料金なしで音楽や動画を楽しめるのでおすすめです。
また、「Echo Show」同士や、「Echo Spot」とビデオ通話ができるのも大きなポイントです。
Google(グーグル)『Google Home Mini』

出典:Yahoo!ショッピング
Google(グーグル)『Google Nest Mini』

出典:楽天ブックス

LINE(ライン)『CLOVA Friends mini』






出典:楽天市場
おすすめ10選|SONY、BOSEなど、その他メーカー
続いては、ソニーやBOSEなど、その他のメーカーのおすすめ商品をご紹介。こちらもぜひ参考にしてくださいね。

JBL『LINK 10』

出典:Yahoo!ショッピング
防水対応で持ち運びも可能
Googleアシスタントを搭載するBluetoothスピーカーです。
IPX(機械を対象にした防滴・防水構造の性能を等級であらわす規格)の防水性能を備え、バッテリーを内蔵しているので、アウトドアでも音楽を楽しむことができます。
スマートフォンやタブレットなどのテザリング機能を利用すれば、アウトドアでもスマートスピーカーとしての利用が可能です。
音質的には上位モデルの「LINK 20」のほうが上ではあるものの、こちらのほうがより手軽に楽しむことができるでしょう。
グーグルのスマートスピーカー「Google Home」「Google Home Mini」は使い勝手が今ひとつで、これといった魅力もないので、Googleアシスタント搭載のスマートスピーカーを選ぶなら、このモデルがイチオシです。
SONY(ソニー)『スマートスピーカー LF−S50G』
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出典:楽天市場
SONY(ソニー)『スマートスピーカー SRS-XB501G』

出典:楽天市場
BOSE(ボーズ)『HOME SPEAKER 500』
































出典:Amazon
BOSE(ボーズ)『Bose Portable Smart Speaker 』














出典:Amazon
ONKYO(オンキヨー)『スマートスピーカー P3 VC-PX30』


















出典:Amazon
Panasonic(パナソニック)『スマートスピーカー SC-GA1』

出典:Amazon
Anker(アンカー)『Eufy Genie』














出典:Amazon
アラジン『Aladdin Remoless』








出典:Amazon
Sonos(ソノス)『Sonos One』
























出典:Amazon
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする スマートスピーカーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのスマートスピーカーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
まとめ
本記事では、スマートスピーカーの種類や選び方、そして各メーカーごとのおすすめ商品をご紹介しましたが、いかがでしたか?
商品を選ぶ際、一番大切になるのがAIごとの特徴。それを踏まえた上で、下記の4つのポイントを抑えることで、より使いやすいスマートスピーカーを選べるはずです。
【1】音声認識能力
【2】音質
【3】対応する音楽配信サービス
【4】その他のこだわり機能
スマートスピーカーは、音楽を再生するだけでなく、検索やニュース・天気予報の確認、動画再生などもできます。また、Iot家電などと連携させれば、より便利な生活にアップデートすることもできます。ぜひ本記事を参考に、自分にピッタリの商品を見つけてくださいね。
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※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
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一般財団法人 家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout オーディオプレーヤー、スピーカーなどのガイドを務める。 日経BP社『日経ネットナビ』『日経ネットブレーン』『デジタルARENA』『日経トレンディネット』などを経てフリーに。 デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。 KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」に出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの構成などにも携わっている。