ふるさと納税のデメリットとは?
ふるさと納税のデメリットは、主に控除の条件や制度にあります。税制度に関することなので、難しく感じる方もいるますよね。しかし、自身のお金に直結することなので、しっかりデメリットを確認しておきましょう。
控除限度額を調べる必要がある
まず、ふるさと納税の魅力のひとつに、寄付金控除があります。
寄付金控除とは、ふるさと納税で自治体に寄付した金額に応じて、自分が本来払うべき税金(住民税や所得税)から控除を受けられる仕組みです。返礼品をもらえる上に税金の控除ができるとなるととてもお得に感じますよね。
この時、寄付した金額に応じて税金が控除されるのであれば、寄付すれば寄付した分だけお得になるのでは、と考える方もいらっしゃるでしょう。
ただ、寄付金控除の金額には限度があります。限度額を超えてふるさと納税を利用した場合、超えた分は自己負担となってしまうので注意しましょう。
控除額の上限は自身の収入や家族構成、扶養家族がいるかどうか、また住宅ローンなどの有無によって異なります。では、どのようにして上限金額を計算するか、説明します。
控除限度額の計算方法
控除には所得税からの控除と、住民税からの控除の2種類があります。所得税からの控除額は以下の計算式で算出できます。
・所得税からの控除額=(ふるさと納税額ー2,000円)×所得税の税率
この時所得税の税率は課税所得ごとに設定されています。5%〜45%の7段階で税率が設定されており、国税庁の税率の速算表を見るとすぐにわかります。所得税における控除の対象となる寄付金額は、総所得金額の40%が上限です。
住民税からの控除は「基本分」と「特例分」の合計となります。それぞれ以下の計算式で算出できます。
・基本分=(ふるさと納税額ー2,000円)×10%
・特例分1=(ふるさと納税額ー2,000円)×(100%ー10%(基本分)ー所得税の税率)
・特例分2=住民税所得割額×20%
特例分に関しては、基本的に1の計算式を用いますが、計算結果が住民税所得割額の2割を超える場合は2の計算式で算出します。
住民税の控除では、総所得金額の30%が上限となります。また、所得割額とは所得金額に応じて課税される住民税のことです。これは前年の所得により算定されます。市町村民税が6%、都道府県民税が4%の税率であり、合計して10%が課税されます。
まずは自身で控除の限度額を調べてから、ふるさと納税で寄付する金額を決めましょう。
減税や節税の対策になるわけではない
ふるさと納税で寄付金控除を受けられると説明しましたが、これを減税・節税と勘違いしてしまうパターンが多く見受けられます。ふるさと納税で受けた控除は、減税や節税にはならないので気をつけましょう。
減税や節税というのは、その名の通り自身の払うべき税金の金額を減らすことです。寄付金控除を受けると、本来の自身の税金から前年にふるさと納税した分の金額が減るので一見減税のように感じますよね。
しかし、減った分の金額というのは前年に自分が別の自治体にふるさと納税(寄付)という形で納めている金額です。そのため、減税・節税ではなく税金の前払いと考えるのが正しいです。
控除を受けるには申請が必要
ただふるさと納税で寄付をするだけでは、寄付金控除は受けられません。控除を受けるにはワンストップ特例や確定申告など、必要な申請を行う必要があります。
この申請に必要な書類は寄付金を納めたタイミングで、ポータルサイトからのダウンロードするか、各自治体から後日郵送されるのを待つことで入手可能です。また、申請には期限が設けられています。控除を受けるためには、しっかり期限を守って申請を行いましょう。
自己負担が発生する
寄付した金額に関係なく、2,000円の自己負担が発生します。これは寄付金控除額が、ふるさと納税で寄付した金額ー2,000円と定められているからです。
自己負担がある分、返礼品の内容や還元率によっては損をする可能性もあります。2,000円とはいえ、しっかり返礼品や還元率を見極めてから寄付するようにしましょう。
控除の適用は寄付した翌年以降
これまでの説明でも少し触れていますが、ふるさと納税は寄付という形をとっています。寄付金控除を受けられるのは翌年以降となります。
今年寄付した金額に応じて翌年の所得税や住民税からの控除の金額が決まるので、出費が先に来ます。手元のお金に余裕がある時に始めるのがいいですね。
住宅ローン控除金額が下がる場合がある
住宅ローン減税制度による控除を受けている場合は、ふるさと納税で控除を受けた場合、その控除額が下がる可能性があります。
確定申告をする場合、ふるさと納税による控除の影響で課税所得が減るため、その分所得税額も減ります。所得税が住宅ローン控除額よりも少なくなれば、その分住宅ローンの控除はできなくなります。
所得税が控除しきれなかった場合住民税からの控除も可能です。ただこちらは上限が決まっていることもあり、控除額が上限を超えた場合は住宅ローン控除を満額受けることができなくなってしまいます。
住宅ローン控除とは?
そもそも、住宅ローン控除とは何かご存知ない方もいらっしゃると思いますので説明します。
住宅ローン控除の正式名称は「住宅借入金等特別控除」です。住宅を10年以上のローンを組んで購入した際に適用できる税額控除のことです。控除額はその年のローンの残高の1%で上限は40万円と定められています。これは所得税から控除されます。
所得税から控除しきれない場合は住民税からの控除が可能となります。ただ、この場合は限度額が決まっており、所得税の課税総所得金額の7%を限度に最大136,500円と決まっています。また、住宅ローン控除を受けるには1年目は確定申告を行う必要があります。
ふるさと納税のメリット
ここまではふるさと納税のデメリットをお伝えしてきましたが、もちろんご存知のようにふるさと納税にはメリットもたくさんあります。
自治体からの返礼品がある
ふるさと納税のメリットはなんといっても、各自治体から返礼品を受け取れることです。返礼品はその自治体の地場産品と定められており、日本全国の地元の名産品が受け取れます。
主な返礼品は海産物やお肉、フルーツなどの食材ですが、お酒や工芸品を返礼品とする自治体もあります。自分好みの返礼品を見つけるのも楽しみのひとつです。
税金が控除される
先ほど控除の条件や申請方法などをデメリットとして挙げましたが、寄付した分返礼品がもらえる上に税金も控除されるというのはやはりお得ですよね。控除の額はふるさと納税で寄付した金額から2,000円を引いた金額です。
好きな自治体を応援できる
自身の税金は自分が住んでいる自治体に払うものですが、ふるさと納税は寄付する自治体を自分で選べます。自分の出身地や災害復興などの理由から選んで、寄付という形で応援できるところもふるさと納税の魅力のひとつです。
ポイントを貯められる
多くのふるさと納税のポータルサイトでは、寄付をすることでポイントが貯められるようになっています。例えば「楽天ふるさと納税」では最大30%のポイントが付与されます(2021年11月25日時点)。
また、寄付金をクレジットカードで支払うこともできるので、その分クレジットカードのポイントが貯めることも可能です。
ふるさと納税デメリット回避のためのポイント
なかには、「メリットには惹かれるものの、やはりデメリットのことを考えるとふるさと納税に踏み出せない」という方もいるはず。この気持ちはよくわかります。そんな方のために、デメリットを回避するためのポイントを説明します。
控除限度額はシュミレーションサイトで試算
控除には上限額があると説明しました。では、上限額に達しない程度で寄付をすれば、損をすることもありませんよね。
ふるさと納税のポータルサイトの多くでは、控除限度額のシュミレーションができるようになっています。家族構成や、家族の収入、保険料など他に控除の対象になる支払いがあるかなど、簡単な入力ですぐにご自身の控除の上限が算出できるはずです。
総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」では、計算用のエクセルを無料で提供していますので。こちらを使ってみても良いですね。「税金の控除について」ページにあるリンクから飛べるので、ぜひ見てみてください。
ワンストップ特例制度を活用する
寄付金控除を受けるにあたって、基本的に確定申告が必要となりますが、確定申告をせずに控除を受けられる制度があります。これをワンストップ特例制度と呼びます。
また、寄付金控除額によっては住宅ローン控除が減額される可能性があると説明しましたが、ワンストップ特例制度を活用すると、住宅ローンの控除に影響を与えることもありません。
ワンストップ特例制度とは
ワンストップ特例制度とは2015年から導入された制度で、条件に当てはまる方は確定申告の手続きなしにふるさと納税による寄付金控除を受けられる仕組みです。
この制度を利用すると寄付した先の自治体から自身が住んでいる自治体へ控除額などの連絡が直接入るようになっています。確定申告をわざわざする必要がないので便利です。
ワンストップ特例制度の条件
ワンストップ特例制度が利用できる方は以下のふたつの条件両方に当てはまる方です。
1:1年間の寄付先が5自治体以下の方(6回以上ふるさと納税を行っても自治体の数が5以下であれば問題ありません)
2:自身で確定申告や住民税申告をする必要のない給与所得のある方
もちろん、ふたつの条件に当てはまっていても、ワンストップ特例の申請をしなければ、この制度での控除は受けられません。ワンストップ特例の申請は、今年した寄付に対して翌年の1月10日が期限となります。そのため、早めに書類を準備しておいた方が後々楽になります。
住宅ローン控除に影響を与えない
ワンストップ特例制度を利用すると、税金の控除は住民税からのみとなります。所得税からの控除が無いため、課税所得に影響が出ず、住宅ローン控除が満額受けられる可能性が高くなります。
一点注意するとすれば、住宅ローン控除を受ける場合、1年目は確定申告をする必要があることです。ワンストップ特例制度は確定申告とは併用できないため、住宅ローン控除の2年目以降に行いましょう。
ワンストップ特例制度の申請方法
良いことづくしののワンストップ特例制度ですが、実際に申請をしなくては控除は受けられません。こちらでは申請の流れを説明します。
必要書類を揃える
まずは申請に必要な書類を用意しましょう。「寄付金税額控除に係る申告特例申請書」と「本人確認書類」の2点です。
寄附金税額控除に係る申告特例申請書を入手
まずは寄付金税額控除に係る申告特例申請書を準備します。寄付を申し込むときに、申請書の送付を希望するを選択します。寄付がすむと、自治体から申請書が郵送されてきます。またはふるさと納税のポータルサイトから申請書をダウンロードする手段もあります。
本人確認書類を用意
次に本人確認書類を用意します。本人確認書類として認められるのは以下の3点です。
・マイナンバーカードの写し(表裏)
・通知カードまたは住民票の写し+運転免許証またはパスポートの写し
・通知カードまたは住民票の写し+健康保険証や年金手帳などの公的書類2点以上の写し
寄附金税額控除に係る申告特例申請書に記入
寄付金税額控除に係る申告特例申請書に必要事項を記入していきます。住所や名前、寄付年月日や寄付金額など、漏れがないようにを記入します。記入の仕方がわからなければ、ポータルサイトなどに記入例が載っているので、参考にしてみてください。
翌年の1月10日必着で各自治体に郵送
書類が用意できたら、あとは申請するだけです。書類はふるさと納税で寄付した先の自治体に送ります。
申請時は、期限に気をつけましょう。今年ふるさと納税で寄付した分の申請をする場合は、翌年の1月10日が申請期限です。期限必着で自治体に届くように郵送しましょう。そのため必要書類などは事前に余裕を持って準備しておくと良いですね。
ふるさと納税の注意点
最後に、ふるさと納税をするにあたって注意して欲しいことを3つ紹介します。
控除限度額を超える寄付は自己負担
デメリットの中でも説明しましたが、控除の金額には上限があります。収入や家族構成、住宅ローンの有無などによって控除の限度額は決まります。
この限度額を超えて寄付できないといったことはありませんが、超えた分は控除の対象外、つまり自己負担となりますので注意が必要です。
個人事業主はワンストップ特例が使えない
ワンストップ特例制度を利用する場合、確定申告との併用ができません。そのため自身で確定申告をする個人事業主の方はワンストップ特例制度は利用できないので注意が必要です。
クレジットカード名義に注意
ふるさと納税の支払いにクレジットカードを利用できます。しかし、この時に気をつけていただきたいのが名義人です。寄付者と控除申請した名義人が違うと、控除が受けられなくなってしまいます。
家族のクレジットカードを使う際などは注意してください。例えば、夫の名義のクレジットカードを使って妻がふるさと納税をした場合、寄付者は夫ということになります。そうした場合は妻は寄附金控除を受けられなくなります。気を付けましょう。
ふるさと納税はデメリットも理解して利用してみよう!
ふるさと納税のデメリットについて、その回避方法と一緒に説明してきました。メリットがある分、気をつけなければいけないこともたくさんあるということがおわかりいただけたのではないでしょうか。
デメリットや注意点をしっかり理解して活用すれば、ふるさと納税はとても魅力的な制度です。ぜひ自身でしっかり考えてから、ふるさと納税を利用してみてください。
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※掲載の情報は2021年12月時点のものになります。
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