手芸わたを選ぶポイント

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手芸わたの原料
手芸わたを選ぶときは、「タイプ」「素材」「衛生面」のチェックが重要。それぞれの特徴や違いについて解説していきます。
【1】わたのタイプは大きく分けて4種類
「手芸わた」のタイプは形状・素材によって大きく分けて4つのタイプがあります。作るものや用途に適したわたを使えば、できあがりもきれいで、理想に近いものに仕上がるはず。さまざまなわたのタイプや特徴を理解して、上手に使い分けましょう。
オーソドックスに使える「わたタイプ」
「わたタイプ」は、ふわふわとした“わた”のイメージそのものです。ぬいぐるみやクッションなどの立体的な作品に、わたのかたまりを手でほぐしながら詰めていきます。ただし、きれいに詰めていかないと、仕上がりがデコボコとしたものになってしまうことも。
天然素材と合成繊維のものがありますが、小さなものならどちらでも気にならないでしょう。大きなものに詰めるなら、初心者の人はやわらかく空気を多く含む、合成繊維のわたの方が扱いやすいかもしれません。
ふわふわとやわらかい「巻きわたタイプ」
最近ではあまり目にしなくなった「巻きわた」。天然素材の綿花を1枚のシート状のわたに伸ばして巻いた、昔ながらのものです。ふんわりとふくれがよいので、入れやすく仕立てが美しい仕上がりになり、保湿力と耐久性にもすぐれています。
ほとんどのものが広げると約1m×2mくらいの大きさがあります。適した大きさに合わせ、半纏(はんてん)や座布団、クッションなどの中綿や足し綿に用いることが可能です。また、吊るし飾りのような手芸小物に、ちぎって使うこともできますよ。
平面状の面積の大きなものに「シートタイプ」
昔ながらの「巻きわた」が天然素材の綿花を使用して巻かれているものなら、こちらはおもにポリエステルなどの合成繊維がシート状になって、たたまれたもの。
キルティングの芯材として使用したりカルトナージュ、洋服やバッグなどの平面状の大きな面積のものに適していますが、もちろん小さく切って小物に使うこともできます。ただしシート状に固められ、「巻きわた」のように〝ほぐして使う〟ということができないものもあるので、購入の際は注意しましょう。
こまかいパーツに便利な「粒わたタイプ」
「粒わた」の名前のとおり、粒状になったわたがまとまったものです。こまかいパーツのなかにも詰めやすく、弾力性と伸縮性があり、へたりにくいのが特徴。粒状なので、体にフィットしやすく枕やクッションなどにも向いています。
ポリエステル100%で洗濯も可能。子どもが触れるぬいぐるみや、汚れの気になるクッションなどは清潔を保ちやすいのでおすすめです。
【2】素材の違いにも注目!
ひとことで「わた」と言ってもさまざまな素材のものがあります。それぞれ特長があるので、どんな素材とどんな利点があるのかみていきましょう。
しっかりボリューム感を出すなら「ポリエステル」
手芸で使われるわたで一番多いのがポリエステル製でしょう。制作中にわたぼこりも出にくく、扱いもカンタン。軽くてしっかりとしたボリュームを出せます。洗濯も可能なので、つねに清潔を保ちたいものを作るなら、ポリエステル製がおすすめ。
ポリエステル製のわたは湿気をためにくいのもポイント。湿気によりわたがへたることがなく、ボリューム感をつねに維持できるので、クッションやぬいぐるみにぴったりです。
ふんわりと仕上げたいときは「綿」や「真綿(絹)」
平面的なものをふんわりと仕上げたいなら、「綿」や「真綿(絹)」がおすすめ。半纏や赤ちゃん用の楕円形の小さな布団、トッポンチーノづくりにもいいでしょう。ただし、長く使っているとどうしてもふんわり感は損なわれます。
また、絹のわたは高価なので大量に使うのはあまり向いていません。綿のわたと組み合わせて表面の仕上げに利用するのがいいでしょう。「真綿(まわた)」という名称で売られていることが多いので、「綿(めん)のわた」と間違えないように注意してくださいね。
素材の風合いを大事にできる「ウール」
毛足が長く刺激によってまとまりやすいので、針でつついて固めてつくるニードルフェルトの作品などに向いているウールのわた。羊毛100%なので、羊毛ならではの風合いと温かさを感じることができます。
わたとして詰めるよりは、ウールのわたそのもので、なにかをつくるのに向いています。
【3】衛生面の確認も重要
手芸わたの場合、なかに詰めて使用することが多く、あまり目に触れることはありません。とは言え、ハンドメイドでなにかをつくるなら、なかのわたにも気を配りたいですよね。現在では衛生面や扱いやすさに気を配った商品も数多くあります。
なかには洗濯できるタイプのものも
赤ちゃんや子どもが触ったり、ときには口につけてしまったりするものにおすすめなのが、洗濯できるわた。ポリエステル製のわたなら、洗濯後にへたってしまうこともなく、ふわふわの状態に戻ります。乾きが早いのもうれしいポイント。
わたぼこりが出にくいので、制作中もお部屋がほこりだらけにならずに助かります。
長期間使うなら「防臭」や「抗菌」もチェック
アレルギーや汚れやニオイの気になる人には、「抗菌」「防臭」「防ダニ」効果のあるわたがおすすめです。
抱きぐるみなどには防ダニ効果があると安心して使えますね。また赤ちゃんのための手作り小物には抗菌加工のものを、ニオイが気になるクッションなどには防臭加工のものなど、用途に合わせて使ってみるといいでしょう。
手芸わたのおすすめ8選 もちもちふわふわ!ぬいぐるみやフェルト雑貨に
それぞれの特徴をもとに、おすすめの手芸わたを11商品ご紹介します。用途に合わせて、ぴったりのものを探してみてくださいね。

枕やクッションなど肌があたるものにも
帝人株式会社の抗菌わた「マイティトップ」を50%混合した、抗菌・防ダニ・防菌加工されたポリエステル100%の手芸わたです。効能持続性は2~3年。肌にあたる枕やクッション、子どもが持つぬいぐるみなどにも安心して使用できます。
使用時にはわたクズやホコリがでにくく、洗濯ができ乾きが早いのもうれしいポイント。衛生面が気になる方にぴったりです。

ニードルフェルト作品の制作に
おもにニードルフェルトの制作用に作られたわた。ナチュラルな羊毛を空気を含んだわた状にし、それをシート状にしたものです。ニードル作品のベースとして使いやすく、ニードルで軽く刺すだけでカンタンにまとまります。
ナチュラルカラーは50g、そのほかのカラーは30g展開の商品。ニードル作品だけでなく、アイデア次第でさまざまな作品に使えます。

400年前から続く絹100%の真綿
福島県の伊達地方独特の真綿として知られる「入金真綿」。約400年前から続く特産品です。入金真綿は、一般には着物の中綿や紬織りの原糸として使用されてきました。絹100%で軽くて保温性に富み、わたぼこりがでにくいのが特長。
約1.5g×5枚入、計7.5gの少量タイプなので、加賀指ぬきやマスクなどの小物づくりや、半纏や丹前などの仕立て直しにも向いています。

オーガニックにこだわった小物づくりに
赤ちゃんやお子さんのおもちゃや小物はオーガニックにこだわって作りたいという方もいらっしゃいますよね。そんな方には使用するオーガニックの布地とともに、わたもオーガニックのものにすることをおすすめします。
赤ちゃんが舐めてしまうぬいぐるみやガラガラ、お子さんの肌に触れるものに使えば、とっても安心。内容量は50gです。

ふんわりもしっかりもお好みで
名称は「テディベア専用わた」ですが、用途はテディベアに限らず、幅広く使用できる手芸わたです。防ダニ、防臭効果、洗濯可能で衛生的。制作中もホコリがでにくく作業がしやすいのもうれしいですね。
パックから出すと4〜5倍にふくらみます。アンティークベア風にしっかり詰めて重量感を出したり、ふんわり詰めて抱きぐるみにしたり仕上がりも自由自在です。

洗濯OK、使いやすいポリエステルわた
ポリエステル製のわたが1枚の成型わたになっています。成型してあるのでキルトわたとして、またクッションや座布団にも使用が可能。さらに手でカンタンにちぎることもできるので、ぬいぐるみの詰めものにも向いています。
家で洗濯できるのもうれしいポイント。洗濯しても乾きが早く、型崩れの心配もありません。湿気を吸わず、いつまでももとの状態を保ってくれるので日用品には助かりますね。

子どもや肌が敏感な人に
オーガニックコットンとは、3年以上化学薬剤を使っていない畑で、農薬や化学肥料を一切使わないで栽培した綿花のこと。この中綿はインドで展開し、数々の国際的な賞を受賞している「bioRe PROJECT」によって生まれた商品です。
刺激が少なく肌の弱い人やお子さんにも安心して使えます。サイズは幅約180cm×奥行き約100cm、厚さ約1cmがたたまれた状態で約30cm角、厚さ約20cmとなっています。

ピンクッションにぴったりのわた
わたにシリコンを含ませた、特殊加工のポリエステルわたです。シリコンの効果により針がさびにくく、手作りのピンクッションにピッタリ。すべりがいいのも特徴で、こまかい部分にも詰めやすいので、ぬいぐるみやマスコットなどにもおすすめです。
圧縮パックなので、開封後に手でほぐしてあげるとふんわりとした状態に戻ります。開封前の見た目はコンパクトですが、たっぷり100gの容量です。
手芸ペレットのおすすめ1選【番外編】 手芸わたと併用して便利!!
「手芸わた」と合わせて使いたいのが「手芸ペレット」。楕円や円の形をしたビーズのようなもので、重量を出すときや安定させるときに役立ちます。もちろん手芸わたと併用して使うことも可能。おすすめ商品もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください!

ほどよい重さで座りよく
ぬいぐるみのおしりや手足に、手芸わたと共に部分的に詰めて安定感を出すペレット。粒状のペレットでほどよい重さを加えることで、ぬいぐるみを座らせたときに倒れにくく、座りのいいものにすることができます。お手玉にはペレットだけを入れて作ることも。
こちらのペレットは、ポリプロピレン100%で粒の大きさは4mmほど。内容量は200g。重さも大きさも使いやすいペレットです。ただし小さくて誤飲の危険があるので、小さいお子さんの近くでは取り扱いに注意してくださいね。
「手芸わた」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 手芸わたの売れ筋をチェック
Amazonでの手芸わたの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
その他の手芸用アイテムをお探しの方はこちら
ぬいぐるみやフェルト雑貨に
「手芸わた」についてご紹介しました。現在では手芸わたもたくさんの種類が販売されています。用途に合わせて上手に選べば、手作りもスムーズにいき、作品もきれいに仕上がりますよ。
ぜひいろいろ見てみてくださいね!
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雑貨アーティスト・暮らしのリネン研究家・コピーライター。そして時にカメラマンやスタイリスト、ライターとして、広告や雑誌、テレビやWebなど様々なメディアのニーズに応えるクリエイター。世界のリネンを巡る旅をライフワークに、リネンの歴史や現在のリネン産業についても造詣を深める。NHK『美の壷』のテーマ「麻」に出演。雑貨アーティストとして企業との商品開発や保育士・幼稚園教諭のための雑誌にも携わり、小学生の雑貨教室、母親のための雑貨教室、リネンの教室など、雑貨を通して暮らしを楽しむ活動も行っている。またワイヤーワークや木工、ソーイングなど様々な素材の作品をメディアやワークショップを通して発表するなど、多岐に渡って活動中。『アトリエ ペルメル』主宰。