石油ストーブとは? 石油ファンヒーターとの違い
◆石油ストーブとは
灯油を使用する暖房器具のひとつです。電気が必要なく、アウトドアなどでも使用できることから人気を集めています。災害時などに使用できる暖房としても魅力的です。
◆石油ファンヒーターとは
灯油を燃やすことによって熱を発生させますが、ファンによって暖まった空気を送り出す仕組みで、より効率的に部屋を暖めることができます。ただし、ファンを動かす必要がありますので、灯油のみでなく電源も必要です。
石油ストーブの1カ月の灯油代はいくら?
石油ストーブを購入した場合に1カ月にどのくらいの灯油代がかかるのか実際に計算してみました。
まずは灯油の価格を調べます。今回は1Lあたり110円と仮定しました。次に、1時間あたりに必要な灯油の燃料消費量を調べます。調べ方は各商品に記載の「燃料消費量」を参考にしましょう。今回は0.155Lで計算してみます。
▼計算式
「灯油の値段」×「燃料消費量」=「1時間にかかる灯油の料金」
110円×0.155L=17.05円
1日に8時間使用する場合は、約136円。
1ヵ月30日と仮定すると約4080円となります。
設定温度や運転強度、またストーブの種類によって燃料消費量に違いがあるので、気になる人は掲載してみてくださいね。実際に利用して、どれだけかかったかを記録してみるとわかりやすいですよ。
石油ストーブの種類
石油ストーブにはいくつかの種類があります。そこで、それぞれの種類の違いについてご紹介します。
▼対流式:広い空間を暖めたい人に! デザイン性が高い商品も
部屋の中央などに設置し、熱した空気を上昇させて対流を起こすことで部屋全体を暖めるタイプのストーブです。15畳程度の広い部屋にも対応するというメリットもあります。
レトロなルックスでおしゃれな雰囲気なのも人気を集める理由のひとつ! 本体の小窓から炎を眺められるのも味わい深くていいですよ。
▼反射式:省スペースで設置。給油もラク!
正面を中心に暖めることができるのが反射式のストーブです。壁際に設置する形になりますので、スペースを有効活用しながらしっかりと部屋を暖めることができます。
およそ10畳までの部屋であれば、反射式でも十分暖かくなりますよ。本体が大きければ、より広い部屋でも暖かくなります。
給油は本体からタンクを外して入れられるので、対流式に比べて手間がかからないのもメリットですね。
石油ストーブの選び方
それでは、石油ストーブの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記。
【1】適応畳数
【2】給油タンクの容量
【3】着火方法
【4】用途に合わせた安全性
上記のポイントを押さえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】適応畳数をチェック
一般的な石油ストーブは○畳用といった形で対応できる広さが決まっています。なので、設置する予定の部屋の広さに合わせて選ぶことが大切です。部屋に対して本体が小さいと暖まりにくいですし、反対に部屋に対して本体が大きいと暖まりすぎてしまうので注意が必要。
たとえば、6畳の部屋では狭い部屋のため、反射式の7畳向けの石油ストーブを。逆に、10畳以上の部屋であれば、対流式の10畳以上に対応した石油ストーブを選ぶようにするイメージです。
ちなみに、石油ストーブの適応畳数は木造や鉄筋コンクリートで変わりますので、注意して確認しましょう。
【2】給油タンクの容量をチェック
タンクの容量が大きければ、その分だけ一度の給油で長時間使用することができます。目安として、6~9L程度がスタンダード。
ただし、あまりにもタンクサイズが大きすぎると当然重量も重くなるので給油やセットが大変です。そのあたりのバランスを考えるようにしましょう。
【3】着火方法をチェック
石油ストーブの点火方法は主に3つあります。
【電子点火】
乾電池を使うタイプ。ボタンを押したりダイヤルをまわしたりすることで火を灯します。
【直接点火】
ライターやマッチなどを使って、直接ストーブに点火するという方法。トラディショナルな着火方法で手間はかかりますが、オールドルックな雰囲気のモデルも展開されています。
【手まわし点火】
乾電池やライターなどを必要とせず、本体のレバーを回して点火するタイプ。道具なしで着火できるので便利ですが、品数は少なく、トヨトミの一部商品のみの展開となっています。
これらの3タイプを好みに合わせて選んでみてくださいね!
【4】用途に合わせた安全性をチェック
石油が燃料であるだけに、安全性は重要なチェックポイントです。たとえば長時間使用をしていても問題のないか、地震などが起こった場合に自動で消火するシステムかなどを確認しておきましょう。
また、キャンプで使おうと考えているなら移動中に灯油がこぼれにくい仕組みになっているか、小さい子どもがいるならやけどしてしまう心配はないか、という点もあらかじめチェックしておきたいですね。
使う際は換気を行うのと、長時間その場から離れる際は消火することを忘れずに!
石油ストーブを使用するときの注意点 エキスパートのアドバイス
よくストーブを使用する際に「前シーズンの残りの古い灯油は使わないで!」という文言を見かけますが、あれにはきちんとした理由があります。
灯油は空気に触れると徐々に酸化し、変質を起こしたり空気中の水分と結合して水っぽくなってしまうことがあります。そうなってしまった灯油をストーブに入れると不完全燃焼を起こしたり正常に消火できなかったりとトラブルのもとに。
タールが芯にたまり、爆発や発火してしまったケースもあるくらい実は危険なんです。灯油は必ずそのシーズンに買ってきたものを使用するようにしましょう。
有名メーカー・ブランドの特徴
石油ストーブはさまざまなメーカーで製造・販売されています。そこで、ここからは中でも人気のメーカーをピックアップしてご紹介します。
▼CORONA(コロナ):住宅設備の主要メーカー
暖房機器や住宅設備で知られる大手メーカーです。石油ストーブもとても評価が高く、ラインナップも豊富なので自分の部屋にマッチするものを見つけやすいでしょう。
▼TOYOTOMI(トヨトミ):確かな品質。豊富な商品バリエーション!
トヨトミもコロナとならんで多くの石油ストーブをラインナップしているメーカーのひとつです。ひとり暮らし向けのコンパクトなモデルから、ファミリー向けの大型モデルまでいろんな商品を取り揃えています。
燃焼時の臭いを軽減する機能など、独自の技術を積極的に導入しているという点もポイントです。
▼Aladdin(アラジン):デザイン性にこだわる方向け!
アラジンはイギリスの暖房機器メーカーです。とても長い歴史を誇り、ヨーロッパではとても高い知名度を誇ります。デザインが個性的で魅力的なこともあり、日本での人気も高まっています。
石油ストーブおすすめ12選 小型から大型まで厳選!
ここまで紹介した選び方のポイントをふまえ、おすすめの商品をご紹介していきます。4ジャンルに分けてご紹介するので、気になるタイプから確認してみてくださいね。
こちらからすぐチェック!
▼おすすめ4選|部屋に映える「おしゃれなモデル」
▼おすすめ4選|持ち運びやすい「小型モデル」
▼おすすめ2選|20畳以上を暖かくできる「大型モデル」
▼おすすめ2選|「アウトドア」で役立つモデル
▼おすすめ比較一覧表
▼おすすめ4選|部屋に映える「おしゃれなモデル」
まず、レトロな雰囲気で部屋に映えるおしゃれな石油ストーブをご紹介していきます。炎の色を楽しめるタイプもあるのでチェックしてみてくださいね。
七色に燃えるおしゃれなランタン型
簡単な電子点火で一発点火できる対流型ストーブです。ガラスに特殊コーティングがしてあるため、点火すると火が虹のように七色に燃え上がり、おしゃれなランタン型の照明代わりに使用することもできます。
残留ガスを燃やし切り、ニオイをセーブしながら消火する機能も搭載されているので、ニオイが気になりにくいのも大きなポイント。また、取っ手がついていて持ち運びもしやすいため、屋内だけではなく屋外でも使用したい人にもおすすめです。
※野外では自己責任の上、注意してご使用ください。
おしゃれなフォルムが特徴
1930年代にイギリスで誕生した家電メーカー、アラジンの石油ストーブです。80年余の間、改良を重ねながら形はほとんど変わっておらず、どことなくノスタルジーを感じさせるおしゃれな外観のストーブです。
点火中になかを覗くと青い炎になっており、高性能なバーナーによって酸素が安定供給されたよい燃焼状態であることを示しています。
耐震自動消火機能やコンパクトなフォルム、臭いの原因となる炭化水素や一酸化炭素も低減する機構が備わっているのも大きな魅力。石油ストーブもしっかりおしゃれにキメたいあなたにおすすめです。
見た目も美しい対流式
電池やライターなどを使わずに着火できる、昔ながらの対流式の石油ストーブです。レトロな雰囲気をまといつつも、現代的でとても使いやすいデザインにまとめられています。内部で炎が7色に発色するという点も見た目のポイントとなっています。
点火は電子式となっていますので、操作もとても簡単で、普段はあまりストーブを使用しないという人でも簡単に操作できます。
電池不要で使用できる石油ストーブ
通常、石油ストーブは着火するのに乾電池やライターなどが必要になりますが、こちらのアイテムでは発電式電気点火方式を採用。レバーを数回回すだけで簡単に点火することができます。電池交換も不要なので、災害時などに急に使用しなければならなくなった場合などにも活躍してくれます。
また、灯油臭を抑える機能も備えているので、嫌なニオイが気になりにくい仕様です。うっかりタンクを倒してしまった場合でも油がこぼれにくいのも、さり気ないお役立ちポイント!
▼おすすめ4選|持ち運びやすい「小型モデル」
次にワンルームの一人暮らしの方や、寝室に設置したいという方におすすめしたい比較的コンパクトなサイズの商品をご紹介します。持ち運んだり、収納しやすかったりするので取り回しの良さも魅力!
コンパクト設計ながらハイパワー
場所を取らないコンパクトな設計の反射式の石油ストーブになっています。スリムで狭いスペースでも無理なく設置できるのが特徴です。サイズは小さいもののパワーも十分で、木造でも8畳までしっかりと暖めることができるようになっています。丈夫なキャリングハンドルがついていますので、移動もとても簡単です。アウトドアでの使用にもおすすめです。
手回し発電対応の石油ストーブ
トヨトミの、電源を一切必要としない石油ストーブです。一般的な石油ストーブであれば乾電池での駆動がほとんどですが、本製品は使用前に前面についている手回しレバーを1〜2回まわすだけ。それだけで着火を行なうことができ、灯油を燃焼して暖を取ることが可能です。
災害時などの緊急時で、乾電池やマッチなどが手に入りにくい状態での使用に大変重宝します。
スタンダードなポータブル石油ストーブ
暖房器具の大手メーカー、コロナの石油ストーブです。単一電池2本で点火するタイプで、灯油容量も3.7Lとまずまず。木造6畳までのタイプですので、子ども部屋や勉強部屋などの大きさの部屋にピッタリです。
給油時に手が汚れにくい「汚れま栓」やワンタッチロックなど、こまかい配慮もポイント。小さくてもしっかりと暖まる暖房器具をお探しの方におすすめです。
パワフルに部屋全体を暖める
他面反射式を採用することによって、乱反射を利用して部屋全体を広くしっかりと暖めることができます。また、トヨトミ独自のダブルクリーン機能を搭載しているので、使用時の嫌なにおいを軽減できるという点も大きなポイント。
パワフルで、機能的な石油ストーブを探しているという方に特におすすめのアイテムとなっています。
▼おすすめ2選|20畳以上を暖かくできる「大型モデル」
広いワンルームをすばやく暖めたいという要望に応えてくれる、大型の石油ストーブをご紹介します。部屋だけでなく、ガレージなどに設置するのもおすすめですよ。
定番の対流式ストーブ
トヨトミの昔ながらの円柱フォルムの大型石油ストーブです。タンク6.3L、木造17畳までの出力と非常に大火力になっており、リビングなどの広い空間を暖めるのに適しています。
ニオイセーブ消火でゆっくりと消えていくことにより、消火する際に発生する灯油のニオイを抑えてくれるのもうれしい点。また、火種の芯が劣化して火力が弱くなってきた場合にはレバーとつまみで芯を上げることができるため、長期間劣化が少なく使用できます。広い空間を暖めたい方におすすめのモデルです。
男心くすぐる、ギア感あるルックスが粋
ミリタリー感ある色合いとデザインで人気を博すギアミッションシリーズの石油ストーブです。見た目のカッコよさだけでなく、機能性も申し分ありません。
コンクリート造の建物であれば24畳まで暖めることができるので、部屋だけではなくガレージなどに設置するのもおすすめ。凍えながら作業していた車の手入れなども快適に行えるようになるでしょう。
ニオイセーブ消火機能や、耐震自動消火装置なども搭載しており、必要十分な性能です!
▼おすすめ2選|「アウトドア」で役立つモデル
最後に、キャンプなどを屋外で楽しむ際におすすめしたいモデルをご紹介していきます。調理可能な石油ストーブもあるので、チェックしてみてくださいね!
キャンプなどアウトドアで使える石油ストーブ
韓国の老舗メーカーが展開する対流形石油ストーブの2022年モデル「WKH-3100S」。タンクの容量は5.3L、燃焼時間が約18時間と秋冬のキャンプなどに最適。耐震消火装置が付いているので衝撃を感知した場合には、自動的に電源がオフになります。
また、スタイリッシュでシンプルな設計なのも魅力の1つ。カラー展開が豊富なので、デザインを重視して選びたい人にもおすすめです。
団らんから緊急時まで幅広く使える
コロナの石油暖房器具のひとつ、石油コンロです。上部に煮炊きをするためのコンロが備わっており、暖房としてもコンロとしても使用ができます。
本体も直径49cmと大型なため、大鍋などが載る大きさなのもうれしいポイント。もちろん電池駆動のため、緊急時には暖房から食事の用意までさまざまな用途で使用することが可能です。料理の幅も広がる、ファミリー向けのおすすめ製品です。
【ランキング】通販サイトの最新人気! 石油ストーブの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの石油ストーブの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
石油ストーブの捨て方
石油ストーブを処分する際は、基本的に住んでいる自治体におよそ200円~1200円の手数料を払って「粗大ゴミ」として処分します。詳しいルールについては各自治体によって異なりますので、HPなどで確認しましょう。
また、石油ストーブを捨てる際の注意点として、灯油が入ったままだと発火するおそれがあるため、必ず、中に入っている灯油を抜き取ってから捨てましょう。
そのほか、石油ストーブを不用品回収業者に引き取ってもらうという方法や購入してから、数回しか使っていない、まだ使えるといった場合には、リサイクルショップなどの買取業者に買い取ってもらう方法もあります。石油ストーブの使用状況によって検討してみると良いでしょう。
【関連記事】石油ファンヒーターも!
【まとめ】災害時にも便利!
暖房器具にもさまざまなものがあります。近年ではエアコンや石油ファンヒーターなども一般的になりつつあります。
しかし、まだまだ昔ながらの石油ストーブ(灯油ストーブ)も根強い人気があります。電気を使用せずに部屋を暖めることができますので、自宅のみでなく、アウトドアや災害時に使用することができるという点も魅力的です。
石油ストーブにもさまざまな種類のものがありますので、自分の部屋の広さや用途などにマッチしたものを選んでみましょう。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
家電量販店、家電情報ブログ「家電損をしない買い方をプロの販売員が教えます」を運営するプロの現役家電販売員。 学生時代から家電に対する並々ならぬ興味を持ち、アルバイトを経てそのまま家電量販店の道へと進んで15年弱。 個人で年間2億円を売り上げ、数々の法人内コンテスト等で表彰された経験を持っています。 家電アドバイザーの資格を有し、家電と名の付く物全てに精通しています。家電で分からないことはありません。 現在は家電ライターの業務も通して「全ての人が平等に良い家電に巡り会える機会の提供」に尽力しています。