ICカードリーダーは便利に活用できるツール
ICカードリーダーは、国税庁が運営する国税電子申告・納税システム「e-Tax」で確定申告を行う際、マイナンバーを読み取るのに必要な電子機器。この電子機器があれば、自宅にいながらスマホやPCで、効率的に確定申告を行うことが可能になります。
また、ネットショッピング時に電子マネー(「suica」「PASMO」「nanaco」「楽天Edy」「WAONカード」など)の残高照会や使用履歴の確認、PCでECサイトでの決済にも使うことができます。
さらに、PCでテレビを見る場合には、「B-CASカード」の読み込みにも使えます。ひとつ持っていると、確定申告以外の場面で使うことができるので、ぜひ購入を検討してみましょう。
ICカードリーダーの選び方
ICカードの読み込みに必要な「ICカードリーダー」。確定申告の際にあると便利なアイテムです。しかし、「どの製品を購入すればよいのか」「どんな使い道があるのか」詳しくわからず、製品選びに迷ってしまいませんか?
そこでこの記事では、ICカードリーダーの選び方をご紹介します。マイナンバーカード以外にも、電子マネーや交通系ICカードなど、さまざまなカードを読み取れる製品が多数ありますので、使いたい機能を探して、ぜひ自分に必要な製品を見つけてみてくださいね。
ポイントは下記。
【1】ICカードリーダーの使用目的で選ぶ
【2】ICカードリーダーには「接触型」と「非接触型」がある
【3】PCへの接続方法を確認
【4】電子マネーへのチャージに対応した機種も便利
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】ICカードリーダーの使用目的で選ぶ
ICカードリーダーは、使用できる機能が商品によってさまざまあります。例えば、電子マネーの使用にどのモデルも対応しているわけではありません。自分がどんな使い方をしたいか整理したうえで、商品を確認していきましょう。
▼電子証明書での利用は対応機種の確認が必要
確定申告の申請にICカードリーダーを使いたい場合、マイナンバーカード、およびe-Taxに対応した商品しか使用できないので、注意が必要です。2015年に配布終了していますが、住民基本台帳カードの有効期限が残っていて、そちらを利用したい方もマイナンバーカード対応の商品を選びましょう。
どの商品が対応しているかは、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が公開している公的個人認証サービスポータルサイトの「マイナンバーカードに対応したICカードリーダライタ一覧」から確認ができます。
国税電子申告・納税システム(以降「e-Tax」)を利用する際に必須なICカードリーダライタ(以降「ICカードリーダー」)。マイナンバーカードや住民基本台帳カードなど電子証明書が組み込まれたICカードを読み取れるほか、電子マネーの残高確認やチャージなどができる機種もあり、ひとつあると便利に活用できます。
最近の使用用途で増えている電子証明書の確認方法ですが、公的個人認証サービスポータルサイトにて対応機種が明記されています。
商品を購入する際には必ずサイトをチェックしましょう。
▼電子マネー・B-CASカードにも使うなら、対応スペックを確認
電子マネーの管理に使いたい場合は、カードの読み込み方式が非接触型の「FeliCa対応」かどうかをチェックしましょう。Felica対応ならSuicaやPASMOといった交通系ICカードはもちろん、プリペイドタイプの電子マネーなどにも対応できます。
同じように、B-CASカードを使いたい場合には、接触型の最新B‐CAS対応モデルをおすすめします。もちろん、非接触型と接触型の両方を兼ね備えた製品もありますが、コストが高くなるので、自分が使いたいカードの種類をよく確かめて対応する製品を選びましょう。
【2】ICカードリーダーには「接触型」と「非接触型」がある
ICカードリーダーの読み取り方式は、接触型と非接触型の2つがあります。それぞれメリット・デメリットがあるので、よく検討しましょう。
接触型とは、カードをデバイスに差し込んで使うタイプ。安全性の高い通信を行うことが可能で、確実に読み取れるので安心感があります。ただし、ICチップがないカード、汚れていると読み取れないこともあるので注意が必要です。
非接触型は、改札で使っている交通系ICカードをかざすような感覚で使える製品です。無線タグによってICチップとデータのやり取りをするので、カードに裏表がなくとてもお手軽です。しかし、その分価格が高くなるのがデメリットです。
【3】PCへの接続方法を確認
ICカードリーダーには、USB接続やBluetooth接続があります。接続したいPCにそれらが対応しているか事前にチェックしておき、ポートの形状なども合わせる必要があります。
▼USBポートが付いたPCは、接続端子が合うかチェック
PCにつなげて使用する場合は、USB対応の商品が便利です。有線接続は通信が安定しており、途中でデータ転送が途切れるといった心配も少ないです。そしてなにより選べる商品が豊富にあります。
ただし、USB端子はType-AやType-Cなどといったコネクタの形状の違いがあります。PCのUSB端子とICカードリーダーのUSB端子が合わない場合はアダプターを別途用意する必要がありますので、注意が必要です。
▼USBポートがないPCはBluetoothに対応しているかチェック
万が一、USBポートが搭載されていない場合は、Bluetooth接続対応のICカードリーダーであれば使うことができます。
ノートPCでも小型のものなどはUSBがないモデルがあります。また、PC側のUSBポートとICカードリーダー側のUSB端子が適合しない場合もあります。そのような場合、Bluetoothで対応することができます。もっとも、PC側がBluetooth機能を搭載していないこともありますので、Bluetoothを使いたい場合は注意が必要です。
▼古いPCを利用している人は、対応するOSをチェック
忘れずに注意したいのは、使用したいPCのOSです。購入時にOSのバージョンが、ICカードリーダーに対応しているか調べておきましょう。ただし、公表されているスペックで対応していない場合でも、口コミ情報を見ると最新ドライバの入手先が分かるケースもあるので、念入りに下調べしておくのがコツ。
現在発売されているICカードリーダーの多くの商品は、Windows10やMacOS10など現在主流のOSに対応しています。
一方、古いPCを使っている方のOSはいまだにWindowsXPなどの古いOSである場合もあります。こうした場合、ICカードリーダーが対応していないことも考えられるので、対応OSについては確認をするようにしましょう。
▼対応OSの広い機器を購入しよう
平成31年(2019年)3月からe-Taxソフトがmac OSにも対応し、Windows以外でもオンライン申告が可能に。機種によっては、Windowsにしか対応していないものもあるので、Mac OSを普段使用している方や、これからMacBookなどを購入する方は確認しておくとよいでしょう。
今までe-TaxのためだけにWindows PCを買っていた方(または残しておいた方)は、この機会に対応リーダーを購入すれば、Windows PCは不要になります。
【4】電子マネーへのチャージに対応した機種も便利です
ICカードリーダーが役立つのは、確定申告だけではありません。Suicaや楽天Edy、WAONカードなどに対応した機種であれば、電子マネーの残高確認やチャージもできます。
機種によっては、交通系ICカード内に保存された利用履歴を閲覧する独自アプリもあり、交通費の精算や記帳などに使用でき便利ですよ。
ICカードリーダーおすすめ14選
ここまで紹介したICカードリーダーの選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品をご紹介します。マイナンバーカードが使えるか、交通費精算に便利かどうか、接触型と非接触型どちらかなど、使い方に合わせてぴったりのものを選びましょう。
LEDランプで動作確認ができる
Windows・macOSのPCで使えるICカードリーダー。LEDを搭載しており、PCの接続やICカードとリーダー/ライター間の通信状態を点灯や点滅でお知らせしてくれるのもポイント。
e-Taxや交通系ICカードの履歴、残高確認まで幅広く使えます。本体から取り外しが可能なUSBケーブルは、ホルダーを使って束ねてコンパクトに収納することもできます。
B-CAS対応のコスパ製品
人気モデルだった国産メーカーのOEM品です。現状では入手が難しくなっていますが、安定していたモデルだったので、ニーズはまだまだありそうです。
購入はできますが、サポート等は受けられないので注意が必要です。
e-Taxも電子マネーチャージもできる非接触型
マイナンバーカードなど電子証明書入りICカードでe-Taxができるほか、地方税のオンライン申告にも対応しているICカードリーダーです。
WAONやEdyなど複数の電子マネーカードの残高確認やチャージが可能で、独自アプリでSuica、PASMO、Kitaca、はやかけんなど交通乗車券の利用履歴を最大20件確認できます。
発売は2012年と古い機種ですが、アップデートを繰り返しWindowsの最新OSにもしっかり対応しています。今年は税務申告を家で行いたいというユーザーや、電子マネーのチャージなどを家で行いたいユーザーからは厚い信頼がある機種ですよ。
安価な製品をお探しならこちら
接触型のICカードリーダーでマイナンバーカードやMini B-CASカードにも対応します。何しろ値段が安いので、あまり予算をかけたくない人にはぴったりです。
口コミは豊富なので、PCに知識があればいろいろと使えるアイテムです。
マイナンバーカード読み取りに特化した接触型
マイナンバーカードに特化した接触型ICカードリーダーです。e-Taxのほか、地方税の電子手続きなどもこれひとつで行えます。挿入準備完了時や認識中、カードと機器の通信中などをLEDで通知してくれるので、誤って引き抜くミスを防げます。
Windows 7以降のほか、macOS 10.12以降に対応。変わり種のChromebookにも対応しています。
カードを差し込むと情報を読み取れる
マイナンバーカードやICチップ入り住民基本台帳カード、税理士カードなどの読み取りに対応したICカードリーダーです。接触型でカードを挿し込むため、ずれて読み込みがうまくいかない、認識されないという不安を感じずに使えます。
対応OSはWindows 7以降、macOS 10.12以降に対応。使用シーンは、e-Taxのみ、という方に導入しやすい機種です。
コスパ最高の入門向き
Micro SDカード、SIMカード、バンクカード、idカード、SDカード、クレジットカードに対応可能で、確定申告にも使えます。
USB接続で自宅でかんたん作業ができます。
macOSでも使える非接触型ICカードリーダー
Windowsだけでなく、最新のmacOS 10.14にも対応しているICカードリーダーです。ふだんからMacを使用しているユーザーや、複数PCで使いたいときなどにも便利です。
ドライバはオンラインで入手できるため、つねに最新バージョンの入手が可能。マイナンバーカードのほか、住民基本台帳カード、税理士カード、FeliCaに対応していますが、電子マネーの読み取りソフトなどは提供していません。
スケルトンボディでカードの挿入をしっかり確認
カードリーダーにカードを差し込むと、きちんと入っているか、違うカードじゃないか、などいろいろ気になってきます。その点この製品は、差し込んだカードを外から確認できるスケルトンボディなので、容易に確認できます。
Windowsとはプラグアンドプレイ対応なので、セットアップは差し込むだけです。Windows以外でもMacOSはもちろん、LinuxやSolarisまで対応しますので、使用する環境を選びません。また使用可能なカードも幅広く、B-CASカードやISO7816仕様対応カード、エンボスカードにも対応しています。
iOSと連携できる
iPhoneやiPadに採用されているiOSで、電子マネーカードが管理できる製品。iPhoneは6S以降、iPadは第5世代以降などに対応しています。
機器とはBluetoothで接続可能です。
NTTCommunications『ICカードリーダライタ(ACR1251Di-NTTCom)』
接触・非接触共用タイプ
接触型、非接触型の両方で使えるタイプのICカードリーダーです。おもな仕様はほかでも紹介している「ACR1251CL-NTTCom」とほぼ同じですが、ISO7816-3準拠接触ICカードの利用が可能という点が違います。
用途や好みに応じて選んでください。
USB-C接続で最新のデバイスでも快適動作
出先などでスマホやタブレットを使ってICカードの読み込みをしたいとき、接続インターフェースが合わなくて困ることがありませんか?この製品はスマホやタブレットなどで標準化しつつあるUSB-C接続を採用していますので、最新のデバイスでも容易に導入可能です。
ISO7816クラスA、B、CのカードやCACカード、SIPRNETカードなど、さまざまな通信規格のカードに対応していますので汎用性も十分です。古いOSでは使えないのでは?という心配も当たりません。多くのOS用のデバイスドライバーがダウンロードで簡単に手に入れられます。
USB接続で手軽に導入できるICカードリーダー
PCを利用してさまざまな公的個人認証サービスを行うときに、ICカードの読み込みがハードルになりがちですが、本製品はUSBでかんたんにPCと接続できて、インターネット経由での手続きを可能にします。マイナンバーカードを用いた各種の手続き、e-TAXやeLTAXなどの税の手続きが自宅からできます。
非接触型ですのでカードの取り扱いも容易ですし、カードの検出状況を表示するLEDランプを2つ装備していますので、視覚的に接続を確認できます。Mac OSにも対応していますので、さまざまなPCで活用できます。
ICカードからマイクロSDまで幅広く対応
ICカードリーダーとしても、SDカードやマイクロSDカードを読み込むスマートリーダーとしても使えるマルチな一台です。コストパフォーマンスにも優れ、リーズナブルな価格でICカードを読める環境を構築できます。マイナンバーカードや住民基本台帳カードなど、さまざまな公的認証サービスを自宅で利用できます。
接続はUSBですので、システムへの導入も容易です。Windowsは2000以降に対応し、モバイルデバイスなどで使われるCEでも使用できます。Mac OSやLinuxなど、多様なOS環境にも対応できます。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ICカードリーダーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのICカードリーダーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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最後に|エキスパートのアドバイス
ICカードリーダーを使用する用途が税務申告のみの場合は、特化機種を選ぶのがコスト的には最適の選択肢です。しかし、電子マネーのチャージや残高確認など使える機能が増えてくると若干値段が高くなります。
自身の使用用途を再度チェックし、最適な商品選びをおすすめします。
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