犬の早食いは治すべき?
肉食動物である犬は、人や草食動物のように歯ですりつぶして食べるような口の構造をしていません。また、嗅覚がとてもすぐれている反面、味覚はそれほど発達しておらず、味わって食べることをあまりしません。さらに野生の本能で、ほかの動物に取られないよう、手に入れた食べ物をすぐに丸飲みしてしまう習性があります。
習性なので仕方ないことではありますが、早食いすることにあまりメリットはありません。太りやすかったり、消化不良を起こして嘔吐してしまったりすることがあります。体の小さな犬ですと、食べたものをのどに詰まらせて呼吸困難になる危険性まであります。
愛犬の体を守るためにも、早食いをできるだけ防いであげることが必要です。
犬用早食い防止食器の選び方
まずは、犬用早食い防止食器の選び方をチェックしていきましょう。
食器の形状で選ぶ
犬用の早食い防止食器の形には、さまざまなタイプがあります。犬との相性やドッグフードのサイズに合うものを選んでいきたいですね。まずは、食器の形状の違いを紹介します。
凹凸型|種類やデザインが豊富
もっとも一般的なタイプで種類やデザインが豊富なのが、凸凹(でこぼこ)型。お皿の内部の突起が、食べるとき邪魔になります。突起の形もさまざまですので、犬に合うものを見つけやすいでしょう。
種類が豊富ですので、カラーやデザインにこだわりたい人にもおすすめ。値段もリーズナブルなものからあるので、まずはこの凸凹型を試してみるのがいいかもしれません。
芝生型|遊び感覚で楽しめる
平たい皿部分に突起が飛び出た形の芝生型は、遊び感覚で食べられる食器です。まるで生い茂った芝生のなかからフードを探しだすような、ワクワク感を楽しめます。
平たい形状なのでフードの量にあまり左右されずに使用できますが、こぼれやすいので、置く場所に気をつけましょう。また、パグやフレンチブルドッグといったマズル(鼻先から口周りまでの部分)が短い犬種には使いにくいので、気をつけましょう。
ボール型|食べこぼしを軽減
ゆらゆらと揺れるボール型の食器もあります。あわてて食べようとして口や鼻をぶつけると不安定に揺れるので、自然にゆっくりと食べることになるという仕組み。
起きあがりこぼしのような構造になっていて、揺れても倒れません。また皿のふちが高いのでフードがこぼれにくく、食べこぼしの軽減にもなります。深さがあるため、マズルの長い犬種におすすめです。
食器のサイズと深さをチェック
食器の形状を選んだら、サイズや深さをチェックしてみてください。フードの量に対して食器のサイズが小さいと、突起が埋もれてしまって早食い防止にならないなんてことも。
逆にサイズが大きすぎても、フードを与えすぎてしまったり、無理な体勢で食べさせたりすることになってしまいます。いつもあげているフードの量に合わせて、サイズや深さを選んでいきましょう。
凹凸の高さをチェック
凸凹(でこぼこ)の突起の高さにも注目してみてください。突起に高さがあるもの、逆に低くできているものなど、さまざまなタイプがあります。犬種によって相性の良し悪しがありますよ。
マズルの長い犬種:深さのある食器
早食い防止食器には凸凹(でこぼこ)がついているデザインが多く、その間にあるフードを少しずつ食べることで、食べるスピードを落とす役割をしています。
ダックスフンドのようなマズルの長い犬種は口元が細いので、突起が高くてすき間が狭いタイプの食器がおすすめ。適度な深さがあり、フードまでの距離があると早食い防止になります。
マズルの短い犬種:浅めの食器
マズルの短い、いわゆる鼻ぺちゃの犬種は、凸凹(でこぼこ)の突起が低く、すき間が広いタイプの食器でないとうまくフードを食べることができません。食器自体も、口が底につくくらいの浅めのものを選ぶといいです。
あまりにも食べにくい食器は、早食いしてしまうほどご飯が好きな犬に対してストレスを与えるだけになってしまいます。犬の体の特徴にあった食器を選んであげましょう。
滑り止めつきがおすすめ
早食いしがちな犬は勢いよく食べるために、食器が滑ってしまうこともあります。食器が動いてしまうと食べにくいですし、食べこぼしの原因にもなります。
プラスチックや樹脂などの素材でできている食器は軽いので、できるだけ重さのあるものを選ぶか、滑り止めがついているものがおすすめです。滑り止めのない食器を使う場合は、滑り止めマットを下に敷いてあげるといいですよ。
洗いやすく、お手入れしやすいものを選ぶ
食器は、食事のたびに洗うのが大前提。しかし、複雑な形をしていたり突起が細かすぎるものは洗いにくく、面倒に感じてしまいます。とはいえ、しっかり洗えていないと汚れが残って不衛生です。
商品によっては、細かな部品を分解して洗えるものや、食洗機が使用できるものもあります。1日2回もしくは3回洗うとして、飼い主にとってお手入れしやすい食器かどうかも考えてみてください。
犬用早食い防止食器おすすめ12選
ここまでの犬用早食い防止食器の選び方のポイントをふまえて、おすすめの商品をご紹介していきます。

口のやや短い犬におすすめ
チワワやトイプードルなどのやや口が短い犬にはおすすめの食器です。
プラスチック製などの軽い食器で食べてる途中に食器をひっくり返してしまったことがある犬達は、やや重さのあるこちらの食器を試してみてもよいかと思います。
早食い用の食器にしては突起同士の間隔が広め。
突起が複雑にたくさん設置されている食器に比べて食べるスピードは落ちにくいですが、食べにくい食器だと食べるのをやめてしまうという犬にも使いやすいのではないでしょうか。
ただ、食器の裏側についている滑り止めのゴムがとれやすいという口コミもありますのでその点は接着剤で強化するなどの対策をとったほうが無難かもしれません。
ウェーブ状の突起が食事スピードをダウン!
ウェーブ状の突起が特徴的な、小・中型犬にちょうどいいサイズの食器。ウェーブ状の突起により犬の食事スピードを最大10倍もダウンしてくれます。
ボウルはポリプロピレン、熱可塑性エラストマー製なので軽く、扱いやすいでしょう。また、滑り止めがついていますので、軽くても固定できます。
鼻の短い犬にも対応した肉球デザイン
肉球のデザインが特徴の早食い防止ボウルです。突起と突起の間隔を狭いところ、広いところを組み合わせており、食べやすすぎず、食べにくすぎず……となるように工夫されています。
食器の外周の高さと、肉球デザインの突起の高さに違いをつけることで、鼻の短い犬を含めて、鼻先の長さが違う犬種に対応しているのも特徴。
ボウル自体を少し重めのあるつくりにしているほか、滑り止めがついており、食器がひっくり返るのを防止してくれます。
犬種に合った食器が選べる!
中央に5つの突起がある早食い防止食器です。突起が低いタイプと高いタイプの2種類から選べます。突起が低いタイプは、ブルドッグやチャウチャウなど鼻が低い犬種向き。一方、突起が高いタイプは、ラブラドールレトリバーやコーギーなど鼻が高い犬種に適しています。
また、サイズもSとMがあり、犬種や体格に合わせて選べます。
揺れ&凹凸形状で楽しく早食いを防止
犬がフードを食べようとするとゆらゆら揺れる、ボール型の早食い防止食器です。倒そうとしても起き上がる「起き上がりこぼし」の原理を利用した設計で、前後左右に揺れ動きます。皿底に突起もあり、楽しみながらゆっくり食事ができる工夫が施されています。
分解して丸洗いできるのもうれしいポイント。シンプルでスタイリッシュなデザインも魅力です。

お試しで買うならこれ!
「早食い防止用の食器を使ってみたいけど、合わなかったらイヤだな」と思った飼い主さんもいるのではないでしょうか。
そんな方にはこちらの商品が価格も安く、お試しで購入しやすいのでおすすめです。
また、早食い防止用の食器はすでに持っているという方には、こちらの商品とあわせて使うことによって愛犬が早食い防止の食器に慣れにくくするということもできますよ。

持ち運び用に!
珍しい折りたたみの早食い防止用食器です。シリコン製で折りたためるので、お出かけが多いお宅にぴったりなのではないでしょうか。
このお皿の特徴は、折りたためるので、皿自体の高さを調節して愛犬の口の長さに合わせることができることです。犬種を選ばず使えるのでおすすめです。
ドッグカフェなどに愛犬と出かけることが多いお宅はひとつあると便利なのではないでしょうか。色も9色あるので、多頭飼いのお宅は色を変えてその子専用を用意してもいいですよね。
大小さまざまな突起が犬の早食いを防止
大小さまざまな突起によって、犬の早食いを防止する食器です。突起が適度な間隔で並んでいるため、フードが隙間に詰まりにくく、食べやすさと早食い防止をうまく両立しています。凹凸があるものの、洗いやすい形状なので、お手入れの手間もかかりません。
食べるときの勢いで食器が動いたりしないよう、底面に滑り止めのゴムがついています。
サイズ展開とカラーバリエーションが豊富!
真ん中にある3つの突起で、ゆっくりと犬が食事するようにうながすペット用食器です。底部分には滑り止めがあるのでこぼれにくく、食べやすい設計となっています。
サイズはSからXLまであり、カラーバリエーションが6色と豊富。愛犬に合わせてカラーやサイズを選べます。
「犬用の早食い防止食器」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 犬用早食い防止食器の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの犬用早食い防止食器の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
早食い防止効果を高める方法
肥満や病気のリスクになると言われている早食い。愛犬の健康のことを考えると、早食いはしっかり防ぎたいですね。
早食い防止食器を使うことは早食い防止のひとつの方法ではありますが、食器に慣れてしまい早食いに戻ってしまう犬もいるようです。愛犬が食器に慣れることを少しでも防ぐために、食器以外の早食い防止対策も確認しておきましょう。
与える回数を増やす
まずは、1回に与えるフードの量を少なくして、食事の回数を増やす方法です。こまめに食べることで、空腹を感じにくくなるといわれています。
成犬であれば朝と夜の2回与えているケースが多いと思いますが、お昼ごろに1回増やすなどして、食事の回数をプラス1してみましょう。食べすぎにならないように、1日に与える合計量は変えないよう注意してください。
フードをふやかす
ドライフードを与えているのであれば、ぬるま湯でふやかしてみるのもいいでしょう。ふやかすと水分も一緒に摂取できるため、満足感を得ることができ、腹持ちもよくなります。あまり水を飲まない犬には水分不足の防止にもなりますし、消化吸収もよくなります。
30〜40度のぬるま湯で、1回に食べる量だけをふやかしましょう。栄養をしっかり取れるように、ふやかしたお湯もそのまま与えてください。
飼い主の手から食べさせる
ドッグフードの早食いを抑える方法として、飼い主の手から直接食べさせるのもいいでしょう。食べすぎを抑えるだけでなく、愛犬とのコミュニケーションが取れるというメリットもあります。
飼い主がドッグフードを手のひらに乗せて、愛犬に差し出します。適量を取って少しずつ与えられることで、一度に食べる量をコントロールします。食器に慣れてしまわないためにも、たまに取り入れたい食事方法です。
【Q&A】早食い防止食器を使うときの疑問に専門家が答えます 犬の心理栄養カウンセラーが回答!
「早食い防止食器」を実際に使うときの疑問を、犬の心理栄養カウンセラーの三苫恵理子さんに答えていただきました! 同じ悩みを抱えている方はもちろん、「こういうことに気をつければいいんだ」という発見にもなりますよ。ぜひ参考にしてみてくださいね!
(1)犬にストレスを与えないコツは?
早食い防止食器を実際に使うときに気になる!

ごはんが残り少なくなってくると量が減るので、早食い防止用の皿の食べにくさの効果が発揮されやすくなります。
「食べにくい」という気持ちでイライラしたりする子の場合は、「あとちょっとあるよ」「わぁ!おいしそうだね」などと声をかけてあげるのも有効かと思います。
あと早食い防止用食器の下に滑り止めマットを置くなどをして滑ったり動かないようにするのもいいと思います。
(2)多頭飼いで早食い防止食器を使うときの注意点は?
早食い防止食器を実際に使うときに気になる!

多頭飼いの場合、ならんで食べさせたりすると犬は急いで食べる傾向があります。そのため、できれば食べる部屋を変える、部屋を変えられない場合は距離を離す、各自ハウス(ゲージなども)で食べさせるなどを実践するとよいと思います。
あとは、勝手にほかの子のフードを食べないように目を離さないようにしてあげましょう。
【関連記事】そのほかのグッズもチェック!
ときどき食器を変えてみるのもひとつの手! 犬の心理栄養カウンセラーのアドバイス
早食い防止の食器を使ってる飼い主さんから「だんだん慣れて早さが戻ってきた」と話を伺うことがあります。だんだんその食器やお皿に合わせた食べ方のコツをつかむ犬がいるようです。
ときどき食器を変えることによって愛犬が早食い防止用の食器に慣れるのを防ぐことができます。そのため、慣れてきたなと感じたら食器を変えてみるのもいいのではないでしょうか。
普通の食べやすいお皿より食べにくいのが早食い防止用の食器です。飼い主さんの気持ちは犬に影響がありますし、早食いをしてごはんを吐き戻すほうが犬も辛いでしょうから「こんな皿で食べさせてゴメンね」という気持ちよりは、「おいしい時間が長く続いていいね」ぐらいで構えているといいでしょう。
愛犬に合った早食い防止の食器を探そう
犬用早食い防止食器の選び方とおすすめ商品を紹介しました。
一緒に暮らす犬は大切な家族の一員ですから、いつまでも元気に健康でいてほしいですね。おいしそうに勢いよく食べる姿はかわいいものではありますが、早食いすることにあまりメリットはありません。太りやすかったり、消化不良を起こしたりする原因にもなります。
体調のためにも、早食い防止食器をうまく使って食べるスピードをコントロールしてあげてください。愛犬の特徴や好みに合わせて、気に入ってくれる食器を選んでくださいね。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
2001年に犬のしつけ方教室などを行っている施設に弟子入り。 攻撃性の高い犬のトレーニングを得意とする。犬の胃袋掴んだら間違いなく犬に好かれる!と気が付き犬の食事に興味を持つ。仕事をしながら短大に通い栄養士を取得。 2005年、短大在籍中に福岡ECO動物海洋専門学校から依頼があり講師として「動物栄養学」などの授業を受け持つ。 同専門学校でドッグカフェゼミも担当し犬と人が同じ料理を食べられる!をコンセプトのペアレシピを実習形式で教える。 2015年より福岡市主催の「ドッグフードセミナー」を開催。福岡市民対象のセミナーにも関わらず市外からの参加者も来るなど好評を博す。他にもカルチャースクールなどでの講師も行う。 個人向け手作り食のカウンセリング、ドッグフード開発、個人宅への手作り食の配膳。提供数はこれまで延べ1万食を突破。 基本的な食事からアレルギー改善食、犬と季節を味わう行事食の提案、老犬や病後の回復食などのアドバイスも行っている。 犬の心理学と栄養学を融合させた日本初の犬の心理栄養学(R)の生みの親で、現在は犬の心理栄養士の育成を推奨しています。