サウンドカードとは
サウンドカードは、オーディオインターフェイスのようにパソコンの音質に関わる増設パーツのこと。そこで、増設するメリットなどから、サウンドカードの特徴をくわしく解説していきます。
音質の向上
サウンドカードのおもなはたらきは、パソコンから出力させる音質を上げることです。増設することで、もともとのサウンド機能では表現できない音域や細かな音を出力できるようになります。
さらに、近年ではハイレゾ音源に対応したものもあり、より音質の違いがハッキリ分かる場合も。音質にこだわりたい人ほど、サウンドカードにもこだわってみましょう。
性能・機能の拡充
サウンドカードを使うことで、サウンドに関する性能や機能を充実させてくれるのも大きなメリット。たとえば、立体音響を表現するバーチャルサラウンド機能を使うと、音の反響などがリアルになり、ゲームや映画の没入感が上がります。
標準装備されているオンボードサウンドでは表現できないため、パソコンでの楽しみ方を増やしたいなら、ぜひサウンドカードを活用しましょう。
サウンドカードの選び方
それでは、サウンドカードの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】用途
【2】接続の仕方
【3】音質の機能やスペック
【4】使いたい機器の入出力方式
【5】サウンドボードとPCのOSの互換性
上記の5つのポイントをおさえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】用途で選ぶ
音質やサウンド機能を上げるサウンドカードですが、用途によって必要な機能は異なります。そこで、自分の用途に合うサウンドカードを手に入れるようにしましょう。
▼ゲーミング
FPSなどの対戦ゲームのためにサウンドカードを増設したいなら、イコライザー設定に注目しましょう。イコライザー設定は音の種別によって強弱をつけられるので、銃声や足音など、より戦いやすい環境を作れます。
また、5.1chサラウンドや7.1chサラウンドに対応していると、ゲームへの没入感が上がります。そのため、よくプレイするゲームに合わせて選ぶのもおすすめです。
▼音楽鑑賞
クラシックなど音楽をメインに楽したいなら、ハイレゾ音源の再生に対応したサウンドカードを選びましょう。ハイレゾ音源は、CDなどよりもリアルに近い音を体感でき、生の演奏を聞いているような臨場感を楽しめます。
ただ、ハイレゾ音源の再生には、対応したヘッドホンやイヤホン、スピーカーが必要になるため、サウンドカードと合わせて揃えるようにしましょう。
▼映画鑑賞
配信サービスなどを利用して、パソコンで映画鑑賞を楽しむことが多いなら、5.1chや7.1chのサラウンド機能に対応したものを選びましょう。サラウンド機能があると、映画館のような臨場感や迫力なる音声を自宅で楽しめます。
ただし、7.1chサラウンドを体験するには、専用のヘッドホンやスピーカーが必要になるので注意が必要です。
【2】接続の仕方で選ぶ
サウンドカードには、「内蔵タイプ」と「外付けタイプ」の2種類あります。それぞれ使い方や特徴が異なるので、自分のパソコンに合わせて使いやすいものを手に入れましょう。
▼デスクトップPCの場合は「内蔵タイプ」
「内蔵タイプ」は、パソコンのマザーボードに直接取りつけて利用するタイプ。サウンドカードの種類が豊富で、目的に合わせて自由にカスタマイズできるのが魅力です。
一方で、ケースとマザーボードのサイズ感や、正しい場所への取り付けなどもやや取り扱いが難しい部分も。そのため、ある程度パソコンの仕様になれている人に向いているタイプです。
▼ノートPCの場合は外付けの「USB接続タイプ」
ノートパソコンなど、マザーボードに直接取り付けられないときには「USB接続タイプ」を選びましょう。このタイプは、USBポートに刺すだけで使え、必要ないときには取り外しておけるなど、手軽にサウンドカードを活用できるのがマリットです。
ただ、パソコンのメモリをたくさん使ってしまうなどのデメリットもあります。そのため、パソコンのスペックに合わせて、問題なく使えるものを選ぶことが大切です。
【3】音質の機能やスペックで選ぶ
サウンドカードのメイン機能である音質の機能やスペックは、外せない部分。自分が満足できる音質を実現するためにも、サウンドカードのスペックもしっかりチェックして選びましょう。
▼ノイズが気になるならS/N比110db以上を
サウンドカードを使って音質を上げても、度々入るノイズが気になる場合があります。よりキレイな音質を求めるなら、シグナルとノイズの割合を表すS/N比の数値が高いものを選びましょう。
目安となるのは、S/N比が「110db」以上。この数値より低いとノイズが聞こえやすくなるため、音質を気にするならしっかり確認しておきましょう。
▼ハイレゾ対応かは出力周波数をチェック
サウンドカードが対応している出力周波数をチェックすることで、どの程度クリアな音声を再生できるのかがわかります。CDなどの一般的な音源は、サンプリング周波数が「44.1kHz」、量子化ビット数が「16bit」です。
この数値以上の出力周波数に対応しているなら、ハイレゾ音源の再生もでき、よりキレイなサウンドを楽しめます。
▼臨場感アップに効果てき面のバーチャルサラウンド機能
ゲームや映画の臨場感に関わる機能が、バーチャルサラウンド機能です。音のクリアさだけでなく、奥行きや反響などを表現することで、映像の中にいるようなリアルな音の聞こえ方を再現してくれます。
また、5.1chや7.1chなど、ch数が増えるほど臨場感が上がります。ただ、音の広がりが高まるぶん専用のスピーカーやヘッドホンが必要になるので、リアルさを追求するならほかの機器もセットで手に入れましょう。
▼FPSで使用するならイコライザー機能も
音域ごとに強弱をつけられるのがイコライザー機能。とくに、FPSを楽しむときにあると便利な機能で、足音などを強調することで、音から相手の位置を特定し、有利に立ち回れるようになります。
また、サウンドカードによっては、ゲームごとにあらかじめ用意された設定を使うことも可能。勝利を目指すプレイヤーなら、ぜひイコライザー設定ができるサウンドカードを手に入れましょう。
【4】使いたい機器の入出力方式で選ぶ
サウンドカードには、イヤホンなどのプラグを差し込む端子が搭載されています。イヤホンやスピーカーを活用することで、モニターのスピーカーよりもキレイな音質を楽しめるので、手持ちの機器が利用できるものを選びましょう。
とくに、ノイズの少ない光デジタル端子は、商品によって有無が変わるため、きちんとチェックしておきましょう。
【5】サウンドボードとPCのOSの互換性で選ぶ
パソコンのOSは、大きくWindowsとMACに分かれているように、サウンドカードごとに対応できるOSやバージョンが決められています。もし、サウンドカードが対応していないOSで使ってしまうと、サウンドカードの機能が活かせず音質があまり変わらないことも。
そのため、購入前にサウンドカードとOSの互換性をチェックし、きちんと使える商品を手に入れましょう。
サウンドカードおすすめモデル
それでは、おすすめのサウンドカードをご紹介いたします。すぐに各商品が見たい方は、下記のリンクをクリックしてくださいね。
▼おすすめ8選|内蔵型
▼おすすめ12選|外付型
▼おすすめ商品の比較一覧表
▼おすすめ8選|内蔵型
ここでは、内蔵型のサウンドカードをご紹介します。パソコンケースのサイズも踏まえて、正しく装着できるものを手に入れましょう。

内蔵型サウンドカードの最高峰
ゲーミングサウンドブランド「Sound BlasterX」シリーズのフラッグシップとなるPCIe接続モデルです。最大で32bit/384kHzと高品質な出力が可能で、7.1chのサラウンド出力に対応。
ボイスチャット用に声を変えられる「Voice Morph」機能や、FPS向けに足音だけを強調する「Scout Mode」が最新版の2.0となっています。
スマートフォンに「Scout Rader」アプリをインストールしてあると、スマートフォン上に足音の方向と距離が表示されるレーダー機能が使えるなど、サウンドとビジュアル両面からゲームをサポートしてくれます。最高のゲーミング環境をそろえるなら必須といっていいでしょう。


独自機能を備えた高性能ゲーミングサウンドカード
自作PC用パーツやスマートフォンで知られるASUSのゲーミングブランド「STRIX」シリーズの、7.1chサラウンド再生に対応するハイエンドサウンドカードです。
パーツレベルまでこだわって高音質を追求した設計で、徹底したノイズ対策によりクリアな音質を実現。手元で音量などを操作できるコントロールボックスも付属し、快適な操作環境を実現します。
独自機能として、イコライザーや各スピーカーのバランス調整が可能な「Sonic Studio」と、画面上にゲーム内の音の方向を図示させる「Sonic Radar Pro」といった独自ソフトも提供されており、こだわりあるハイエンドゲーマーにふさわしい1枚といえるでしょう。
▼おすすめ12選|外付型
ここからは、手軽に使える外付型のサウンドカードを紹介。音質や使いやすさに差が出やすいため、それぞれの特徴をしっかりチェックしていきましょう。

コスパ抜群のヘッドセット同梱キット
Sound BlasterXシリーズのUSB接続モデルです。出力は24bit/192kHzにまで対応。
本体には3つのプリセットボタンが用意されており、FPS向けに足音を強調する「Scout Mode」に素早く切り替えられます。またPS4との接続にも対応しており、ゲーム機でもバーチャルサラウンド機能が利用できます(光デジタル接続時のみ)。
同シリーズでは32bit/384kHzに対応した上位モデルの「G6」が発売済みですが、このキットにはUSB接続の「Sound Blaster EVO」ヘッドセットが付属しており、コストパフォーマンスが高いので、再生環境を含めて一式そろえたいという人にも最適です。

ゲーム機やスマホでも使える外付け入門モデル
USB接続のSound BlasterXシリーズのローエンドモデルです。
出力は24bit/96kHzですが、7.1chまでのバーチャルサラウンド機能やFPS向けの「Scout Mode」、多彩なイコライザー機能やボイスチャット用に声を変えられる「Voice FX」機能(Scout Modeとの併用は不可)などが利用でき、ゲーミングサウンドカードとして高いコストパフォーマンスを誇ります。
USB接続のSound Blasterには「Sound Blaster Play! 3」もありますが、Scout Modeに対応していないため、ゲーム用途であればこちらがおすすめです。
Creative『USB Sound Blaster Digital Music Premium』
▼おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする サウンドカードの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのサウンドカードの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
最後に|エキスパートのアドバイス
ITライター
クリエイティブメディア社を選べば、まずは安心!
最近ではそのほかのゲーミングブランドからもサウンドカードが販売されていますが、パソコン用サウンドカードは長い間、クリエイティブメディア社の「Sound Blaster(サウンドブラスター)」シリーズが主流でした。歴史的な経緯もあり、Sound Blasterシリーズの独自機能に対応しているゲームタイトルも多く、設定ソフトも主要なゲーム向け設定が用意済みなど、利便性面でも一歩抜きん出ています。
他社の製品もすぐれたものが多くありますが、互換性等の心配をしたくないなら、ゲーム向けとしては同シリーズを選んでおけば安心感が高いといえるでしょう。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
大学在学中よりパソコン総合誌、Windowsプログラミング誌、Mac専門誌の記者/編集者として活動し、その後輸入自動車やカーナビ等のマニュアル翻訳/制作などを経て、フリーランスとして現在に至る。 キャリアは25年目に突入。専門はアップル製品だが、WindowsもAndroidも周辺機器もソフトも等しく愛する何でも屋。