猫に歯磨きは必要?
「そもそも猫に歯磨きが必要なの?」と思われる方も多いかもしれません。ここでは、猫の歯磨きの必要性についてご説明します。
猫がいわゆる「虫歯」になることはほとんどありません。しかし、歯周病にかかる猫は多く、猫にとっても口腔ケアが大切であることは確かです。
飼い猫は、野生の猫に比べて、こまかく柔らかくなりやすいものを食べていることが多く、食べカスが口に残りやすいです。こうした野生の猫との食習慣の違いによって、飼い猫の歯周病が増えています。これを防ぐためにも、愛猫の歯をキレイにしてあげましょう。
猫用歯ブラシの選び方 獣医師に聞く
ふくふく動物病院の院長である平松育子先生に、猫用歯ブラシの選び方をお聞きしました。「猫が歯ブラシを嫌がる」「歯ブラシ中に怒って噛むことがある」などとお困りの方は参考にしてみてくださいね。
歯ブラシのタイプを選ぶ
猫用歯ブラシは、「シートタイプ」「指サックタイプ」「ブラシタイプ」の3種類に大きく分けられます。猫が嫌がるかどうかや、慣れ具合によっても選ぶ歯ブラシが変わってきますよ。それぞれの特徴をみていきましょう。
シートタイプ:初めての歯磨きにおすすめ
シートを指に巻き付けて、猫の歯をなでるように掃除していくのが「シートタイプ」です。歯磨きが初めての猫は、いきなり口の中を触られたり、ものを入れられたりするとびっくりしてしまいます。コミュニケーションを取りながら飼い主の指で歯磨きをすることから慣れてもらいましょう。
猫の口を直接さわるので、手加減がしやすいのも特徴。ただし、奥歯までは磨ききれないことも多いので、デンタルケアおやつなどと併用してみるのもいいでしょう。
指サックタイプ:奥まで磨きやすい
飼い主の指に指サックをはめて歯磨きをするタイプです。シートタイプで口のなかを触られることに慣れてきた猫におすすめ。指サックの先端がブラシ状になっているので、奥まで届いて口のなかの隅々まで歯磨きがしやすいのがメリットです。
また、指サックで指がガードされているので、噛み癖のある猫にも安心して使用できます。
ブラシタイプ:一番しっかり磨けるのはこれ!
口のなかの細かい部分までしっかり歯磨きできるのが「ブラシタイプ」です。口のなかにものを入れることに慣れたら、ブラシタイプを使うことをおすすめします。
猫の口は狭いため、歯ブラシはヘッドが小さく毛の短いものを選ぶようにしましょう。大きな歯ブラシは使いにくいだけでなく、猫が違和感を強く感じてしまい、歯磨きをいやがられることが多いです。
ヘッドの形は、長方形のものや楕円形・円形のものがありますが、まんべんなく磨くためには円形のものが使いやすいと思います。
飼い主も猫もお互いが歯ブラシに慣れてきたら、少し大きめのヘッドにチャレンジしていきましょう。
アドバイス:歯磨きグッズは段階を踏んで使うのがおすすめ!
猫の歯磨きは最初から歯ブラシを使うのではなく、まずは歯磨きシートやガーゼなどのやわらかい布を指に巻きつけて、歯の表面をこすることから始めましょう。
慣れてきたころに指サックタイプの歯ブラシにチャレンジすると、猫はスムーズに歯磨きを受け入れる可能性が高いです。柄のついた歯ブラシを使うのは、歯ブラシトレーニングの最終段階です。
歯磨きシートにはいろいろな種類があり、フレーバーのついているものなど、猫が拒絶しにくい仕様のものが売られています。猫たちが歯磨きを受け入れてくれるかどうかの大事なステップなので、商品選びを失敗しないようにしましょう。
飼い主が持ちやすい形状のものを選ぶ
猫の歯ブラシを選ぶときの大切なポイントのなかに、飼い主が持ちやすいものを選ぶという点もあります。
持ち手が細すぎるものや柄が長すぎるものは、力を入れにくかったり、手を動かしにくかったりするので不便に感じることもあるでしょう。
柄の部分にラバーなどの滑り止めがついているものを選ぶと握りやすいため、ほどよく力を入れて歯磨きをすることができるかと思います。手の大きさにもよりますが、歯ブラシの全長は13cm前後が持ちやすいでしょう。
猫用歯ブラシおすすめ11選 獣医師と編集部が厳選!
ここからは、ふくふく動物病院の院長・平松育子先生と編集部おすすめの商品を紹介します。

コンパクトな円形ヘッドで磨きやすい
ヘッドが丸く小さい形状になっており、猫の口のサイズに合わせた歯ブラシ。少し持ち手が長いのですが、スリムな歯ブラシなので、奥のほうまで無理なく届きます。
歯ブラシの毛はナイロンでできていて、歯を磨いたあとに消毒できるため、衛生面を気にする方におすすめできます。
少し毛がかためなので、強く磨くと歯茎から出血したり、歯茎が炎症を起こす可能性がありますので、軽く磨くようにしてください。
歯ブラシが苦手な猫に使えるジェルタイプ
ペッツルートの『歯みがきジェル』は、直接歯にぬるジェルタイプの歯磨きグッズです。ぬるタイプなので、歯ブラシが苦手な猫にも使えます。
長野県の天然水から作られているので、安心して猫の口のなかにぬることができますよ。

子猫や高齢猫に。歯茎にやさしいやわらかシート
こちらは子猫や高齢猫を対象とした商品で、シートがやわらかくなっています。子猫は歯茎がやわらかいので、成猫用の歯磨きシートでは硬く、キズつく可能性があります。
また、高齢猫は歯周病になっている場合が多く、歯ブラシが当たったり歯茎をこすったりすることで出血することがあります。
このようなデリケートな歯茎には、やわらかい歯磨きシートがおすすめ。子猫・高齢猫でなくてもお口のトラブルが多い成猫のお手入れにも向いています。また、緑茶成分が入っていますので口臭対策も同時に可能です。

小さいヘッドで歯と歯の間まできれいに
ヘッドがかなり小さく、歯と歯の間や、歯と歯茎の隙間を磨くのに適した歯ブラシです。
筆を短く切ったような毛がついている歯ブラシなので、ひとつひとつの歯の表面を磨くというよりも、歯と歯の間をきれいにするというイメージで磨いてください。
少し毛がかたいので、あまり力を入れないように磨くほうがいいでしょう。
逆に、力の弱い女性でもしっかりと磨くことができるのでおすすめ。スペアブラシがついており、コストパフォーマンス的にもお得です。

歯ブラシが苦手な猫にうれしいシートタイプ
1袋に30枚入りで、ウエットティッシュ状になっている歯磨きシート。シートはデコボコ部分とウエット部分に分かれており、汚れがよりしっかり取れる構造になっています。
シートにはグリセリンやピロリン酸ナトリウム、キレート剤などが入っていて、汚れを浮かしてきれいにふき取ることができます。
歯ブラシが苦手な猫で歯磨きに困っている方におすすめです。

360度ブラッシングできて使いやすい!
ヘッド部分には360度毛が生えており、歯ブラシの向きを考えずに歯磨きができる魅力的な商品。360度型は特許製法を取得しています。
やわらかい毛が約3万本生えているので、歯の隙間のこまかい汚れを取りやすくなっています。柄が短いので、持ちやすく磨きやすいのも特徴です。
歯茎に対する刺激が少ないため、ふだん歯磨きをいやがる猫や、歯磨きで歯茎から出血してしまう猫を飼っている方におすすめ。
口の小さな猫でも使えるヘッド部分
歯ブラシをいやがる猫や、歯磨きがはじめての猫にも使いやすい歯ブラシです。ヘッドが小さいので、口の小さな猫にも向いています。
猫の歯磨きの負担が少しでも軽くなるようにとの配慮から、毛の長さは短く調整され、猫が歯ブラシを噛んでも折れ口が尖ることがないよう、やわらかい素材が使われています。
猫の歯をつまむようにケア!
まだ歯磨きに慣れていない猫に、口元を触ることに慣れさせながら、歯を磨いてあげることができるゆび歯ブラシです。
歯の表部と裏部を親指と人差し指ではさみ、歯の両面を同時に歯磨きすることができます。歯ブラシでは磨きにくい部分も磨いてあげることができますよ。
遊びながら歯磨きができる
まゆ玉のデコボコの表面を噛むことで、歯の汚れがかきとられる猫歯ブラシです。またたびの実入りで音もするため、猫も楽しんで歯磨きをしてくれるでしょう。
日本製で抗菌素材となっており、衛生面でも安心です。ただし、猫が興奮する可能性があるので、飼い主さんの不在時に与えるのはやめましょう。

歯垢をがっちり絡めとる特殊3層構造シート
こちらのシートは、よりしっかり歯垢を除去することができる特殊3層構造のシート(特殊勾配パターン積層シート)を使用しています。
歯茎や歯を痛めにくいシートですが、歯に付着した歯垢をシートに絡めつけてがっちり落とします。天然成分を含み、アルコールやパラベンなどは一切使用していません。
シールタイプの蓋の場合、なかのシートが徐々に乾燥してしまい、このような乾燥したシートで拭くと歯茎や歯の表面を傷める原因にもなりますが、こちらの商品はワンタッチキャップを使用していますので乾燥を防ぐことができます。
歯みがきシートには慣れたけれども、歯の表面のぬるぬるが落ちにくいなどでお悩みの飼い主さんにおすすめです。
グリップ付きで安定して磨ける!
先端にブラシが付いている、指サックタイプの猫用歯ブラシです。ブラシ部分が大きめになっている「大きな愛犬・愛猫用」なので、大型猫への使用が望ましいでしょう。口のなかにものを入れられることに慣れたタイミングで使ってみてください。
指サック部分にグリップが付いていて、グリップを持ちながら安定して歯磨きができるのがポイント。ヘッドの先端は細くなっていて、細かい部分も磨きやすいです。
「猫用歯ブラシ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 猫用歯ブラシの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場での猫用歯ブラシの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
猫に歯磨きをする方法
ここでは、猫の歯磨きをどのようにすればいいのかをご紹介します。
人間用の歯ブラシは、たとえ赤ちゃん用でも猫には大きいため、きちんと猫用を使いましょう。歯の根元部分に対して約45度の角度で横方向に、弱めの力で小刻みに動かします。歯と歯茎の歯垢を取り除きます。
猫の頭を上から手で軽くつかんで、上唇を親指で持ち上げ、歯を露出させるようにすると磨きやすくなります。頻度は毎日が望ましいですが、せめて歯石になる前にということで、2~3日に1回は歯磨きをしてあげましょう。
しかし大事なのは、いきなり歯ブラシを使おうとしないこと。口の周りや口のなかを触られることに慣れてから、徐々に段階を踏んでいきましょう。歯磨きはこわくない、ということを分かってもらうようにしましょうね。
歯磨きはいつから訓練すればいい?
ここでは、いつから猫の歯磨きを始めればいいのかご紹介します。
歯磨きをいやがる猫は多く、いつから歯磨きをさせるべきか迷う人も多いのではないでしょうか。トレーニングする時期は、できれば生後4~6カ月の永久歯がはえそろうまでが望ましいです。
子猫のうちから、ガーゼやシートなどを使って口のなかを触ることに慣れさせておくといいでしょう。大人の猫にトレーニングするときは、万が一噛まれてもいいように厚手の手袋などをしておくと安心です。
いやがる猫にはシートタイプから 獣医師からのアドバイス
猫は口が小さく、歯磨きをいやがることが多いので、歯ブラシ選びは重要です。
最初から歯ブラシを使うのが難しい場合は、歯磨きシートからはじめるのがおすすめ。慣れてきたころに歯ブラシの毛がやわらかく、猫が痛がらない歯ブラシを選んであげましょう。
一度でも痛い思いをすると、猫が怖がってしまって歯磨きができなくなるおそれがありますので、歯ブラシ選びは慎重に。
猫が気に入る歯磨きグッズを選んであげましょう
ふくふく動物病院院長の平松育子さんに猫の歯ブラシの選び方やおすすめ商品についてうかがい、ご紹介しました。参考にして、猫が気に入る歯磨きグッズを選びましょう。
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