警察小説のおすすめを紹介
司書教諭のyokoさんと編集部が選んだおすすめの警察小説を紹介します。ハードボイルドをはじめ、推理・ミステリー、短編集・傑作選、海外作家作品とジャンル別で紹介しますので、あらすじなど気になる作品をチェックしてみてください。
おすすめ6選|【ハードボイルド】
まずは、王道「ハードボイルド系」の警察小説よりおすすめ作品を紹介します。手に汗握るようなハラハラ感を味わえる作品を見つけてみてください。
ハードボイルドな警察小説を読みたいなら、大沢在昌さんの『新宿鮫 新装版』を読んでみましょう。臨場感が伝わり、手に汗を握ってしまいますよ。テンポの良い文章もクセになります。

シリーズ累計750万部超の警察小説
新宿の歌舞伎町で「新宿鮫」としておそれられている刑事の鮫島。ある日新宿で警官射殺事件が発生し、犯人が銃密造の天才と呼ばれる木津ではないかと疑念を持ちます。犯罪者に食らいついたら離さない鮫島の執拗な捜査に、ハラハラする作品です。
作家の大沢在昌の代表作でもあり『新宿鮫シリーズ』の1作目。ハードボイルドな警察小説の真骨頂としてファンも多く、1993年には映画化もされました。
キャリアから見た警察組織を描いた作品
警察庁長官官房の竜崎伸也は、エリート官僚として国家を守るには自己犠牲を問わない精神をもつ寡黙な男。堅物すぎて周囲からは「変人」扱いをされています。ある日、連続殺人事件の捜査中に警察官が事件にかかわっていることを知ります。プライベートでは息子に関するトラブルも発生。竜崎はどうするのか……。
国内人気の高い作家、今野 敏(びん)が書く警察小説「隠蔽捜査(いんぺいそうさ)シリーズ」の第1作目です。著者の今野 敏の代表作であり、現在はシリーズ9まで刊行されています。2014年にドラマ化もされました。
女性刑事が事件解決に向けて奮闘する姿を描いた作品
主人公の森口 泉は志望していた機動分析係の実技試験に落ちたものの、鍛えて身につけた「記憶力」を買われて、機動分析係に配属。ある日、会計課の金庫から約1億円が窃盗される事件があり、殺人事件に発展してしまいます。
この作品は2018年に刊行された『朽ちないサクラ』の続編です。配属部署が異なるため、どちらを先に読んでも楽しめます。
人気ドラマ『アンフェア』の原作!
著書の秦 建日子(はた たけひこ)のデビュー作品。ある日、40代会社員と10代高校生など面識のない人物の連続殺人が発生します。共通しているのは「アンフェアなのは、誰か」と書かれた栞(しおり)だけ。警察と出版社に届いた「推理小説・上巻」の続編を落札しなければ、また殺人をするという要求に主人公の雪平夏美たちが立ち向かいます。
2016年に放映されたドラマ『アンフェア』の原作です。ドラマを観て、原作が気になった方はぜひ読んでみてください。
警察小説の金字塔! MOZUシリーズ
千枚通しを凶器に使用した殺し屋「百舌(もず)」の正体を追う物語です。岬で記憶喪失の状態で発見された新谷和彦。一方、東京の新宿では爆弾テロが発生します。巻き込まれて妻を失った倉木尚武警部は新谷が犯人ではないかと刑事の明星美希部長とともに捜査を進めていきます。
同シリーズは2019年に刊行したシリーズ7作目の『百舌(もず)落とし』で完結。同著書の『裏切りの日日』は本作品の序章ともいわれています。気になる方は読んでみてください。
ヤクザの抗争、警察組織の闇を書いた作品
マル暴(組織犯罪対策部)の刑事の日岡は、3年前から広島の裏社会を治める立場についていました。ところがある日、出所した上林の存在によって、その立場が脅かされることに。男たちの複雑な人間模様と警察組織の闇が書かれたハードボイルド警察小説です。
角川文庫創刊70周年を記念して映画化され、2021年8月にはコミック化もされました。第2作目の『凶犬の眼』もあわせて読んでみてください。
おすすめ7選|【推理・ミステリー】
つぎに推理・ミステリー系よりおすすめの警察小説を紹介します。ドラマや映画化された作品を含め、人気作家の作品もそろえました。ハラハラドキドキ感を味わえる作品を探してみてください。
誉田哲也さんの『ストロベリーナイト』は、ドラマ化もされた作品です。主人公の女性警部補が事件に挑みます。登場人物のキャラクターがよく描き込まれており、楽しめますよ。

女性刑事が事件解決に挑む
主人公は警視庁捜査一課の警部補・姫川玲子。ある日、溜め池の近くにある植え込みから、男性の惨殺死体が発見されます。姫川玲子は事件が続くのではないかと直感を働かせ、捜査に挑みます。
誉田哲也の代表作『姫川玲子シリーズ』の第1作目となる作品。2010年にスペシャルドラマにもなり、その後連続ドラマ化、映画化もされた大ヒットシリーズです。
映画化もされた泣ける警察小説
横山秀夫の代表作で2004年には映画化もされた作品です。「妻を殺しました」と自首をしてきたのは、現職の警察官である梶 聡一郎。妻はアルツハイマーを患っており、動機もじゅうぶんにあるのに自首するまでの2日間について黙秘を続けています。
犯行の一部を自供する『半落ち』状態を続けるのはなぜなのか、感情が揺さぶられる感涙の警察小説です。
切ない結末に涙! ガリレオシリーズの傑作
人気作家・東野圭吾の大ヒットシリーズ『ガリレオシリーズ』の長編作品です。主人公は天才数学者でもある高校教師の石神。石神は一人娘と暮らす靖子が前夫を殺害したことを知ります。石神は靖子に想いを寄せており、ふたりを助けるために完全犯罪を企てます。しかし、事件の捜査に協力したのがかつて親友でもあった物理学者の湯川 学でした。
単なる推理ものではなく、登場人物それぞれの心理描写が深く書かれている作品です。切ない結末は涙なしでは読み進めることはできないでしょう。
人気の加賀シリーズより家族の絆を描いた作品
静かな住宅街にある喫茶店で女性店主が殺害されるところから物語ははじまります。捜査線上に出てきたのは常連客の男性でした。男性は過去にふたりの子どもを災害で失っていたことが判明。またほかにもひとりの少女が容疑者として浮上してきます。
東野圭吾の長編書下ろし推理系警察小説『加賀恭一郎シリーズ』。読み応えがあると読者からの人気の高い作品です。
警察組織の覇権争いをリアルに描いた作品
警察小説の傑作ともいわれる横山秀夫のミステリー小説です。昭和64年に起きた少女誘拐事件の時効が迫っている状況から物語はスタート。D県警の広報官・三上義信は、警察組織間の対立や自身の家族など、心が乱されるような状況にありながらも己の真情をもって立ち向かっていきます。
警察組織間の覇権争いがこまかく書かれており、刑事もの以外にも読んでみたい方におすすめです。文庫本は上下に分かれています。電子書籍もあるので読みやすいものを選んでみてください。
女性刑事・音道貴子シリーズベストセラー
深夜のファミリーレストランで男性が炎上自殺を図るところからスタート。男性の遺体には獣に咬まれたキズ跡が残されていました。その後、同じような咬傷が残された事件が連続して発生します。女性刑事の音道貴子は滝沢と一緒に捜査をはじめるのですが……。
人気作家・乃南アサのベストセラー小説です。韓国で映画化、国内では2社でドラマ化されました。映像化を先に観た人も読み応えのある警察小説です。
合田刑事シリーズの第1作目です
連続殺人事件に挑む捜査員を描いた作品です。事件は東京都目黒区八雲で反社会的勢力の一員だった畠山 宏が殺害されたところからスタート。捜査を進めるにつれ、事件には「MARKS(マークス)」と呼ばれる存在が関わっていることを知ります。3年前の南アルプスで何が起きたのか、推理小説としても楽しめる作品です。
『刑事合田雄一郎シリーズ』の第1作目となる小説シリーズです。3作品目の『レディ・ジョーカー』も人気のある小説ですので、ぜひ読んでみてください。
おすすめ6選|【短編集・傑作選】
警察小説の短編集・傑作選を紹介します。人気シリーズの短編集もあるので、本格的に読む前に試し読みとして選んでみてもよいでしょう。ぜひ参考になさってください。
長岡弘樹さんの『教場』は、警察学校を舞台にした警察小説です。木村拓哉さん主演でドラマ化もされている、人気作です。ミステリー小説としても楽しめ、一気読みできてしまいます。

警察学校を舞台に描かれた警察小説
警察学校を舞台にした小説。警察官を志す動機は人それぞれですが、いざというときに警察官として必要とされる人材を育成するのが警察学校です。生半可な気持ちで入学したものは、鬼教官の風間に見抜かれて辞めさせられます。警察学校の厳しさ、学生同士の人間模様を描いた短編集です。
『職質』『牢問』『蟻穴』『調達』『異物』『背水』の全6話が収録されています。小説をもとにしたスペシャルドラマも大きな話題を集めました。
警察組織をリアルに描いた作品
『D県警シリーズ』の第1作目、ドラマ化もされた横山秀夫の警察小説です。警察の人事を担当する二渡真治は、刑務部長から天下り先で動かない大物OBに対して次の出向予定者のために退職を説得するようにいわれます。しかしOBからは拒絶されました。二渡がどうしようかと周囲を探っていると、ある未解決の事件が浮上します……。
『陰の季節』『地の声』『黒い線』『鞄』の4話の短編が収録されています。短時間でも読み進めやすいでしょう。
人気シリーズの3冊目の短編集
姫川玲子シリーズの『シンメトリー』『インデックス』に続く3冊目の短編集です。女性刑事・姫川玲子をはじめ、個性的なキャラクターがさまざまな事件に挑む姿が描かれています。
収録作品は『それが嫌なら無人島』『六法全書』『正しいストーカー殺人』『赤い靴』『青い腕』『根腐れ』『それって読唇術?』の7作。気になるタイトルから読んでも楽しめます。
ジウサーガシリーズの第9弾
歌舞伎町セブンは、法律で裁かれないものを始末する伝説の暗殺者集団。あるときひとりの女性から亡くなった親友の恋人を殺してほしいと依頼を受けて、動き出しますが……。
作家・誉田哲也の小説で人気の高い警察小説『〈ジウ〉サーガシリーズ』の第9作目となる作品です。本シリーズに入る前に3部作の『ジウシリーズ』があります。ぜひ読んでみてください。
新宿鮫シリーズの短編集! 全10話収録
警察小説の人気シリーズ『新宿鮫シリーズ』のはじめての短編集。長編小説では見えなかった主人公・鮫島の外見や生い立ちが垣間みえる内容になっています。
長編シリーズの1作目『新宿鮫』は1991年に吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞を受けているベストセラー小説です。短編集を含めて全11作品あり、どの巻から読んでも楽しめます。
海外渡航で発生した「第三の時効」までに追い詰める
物語は15年前に起きた殺人事件と強制わいせつ事件が時効を迎えようとしているところからスタート。捜査一課の森は上司から、時効成立を阻止するため、捜査にくわわるようにいわれます。しかし、捜査もむなしく第一の時効が成立。第ニの時効を迎えたとき、諦めかけたときに「第三の時効」があることがわかります。
警察組織のリアリティのある人間描写から、人気のある警察小説です。ドラマ化もされています。
おすすめ4選|【海外作家】
最後に海外作家の警察小説を紹介します。アメリカや北欧など人気作家の作品です。海外の警察組織や描写に関心がある人は参考にしてみてください。
ピエール・ルメートルの『その女アレックス』は、とにかくラストまで読んで欲しい作品。誘拐されたアレックスが、監禁、拘束される様子は臨場感があり、まるで1本の映画を見ているような感覚になります。
仏・英・日本で絶賛! 警察小説の傑作
パリの路上で女性が誘拐されます。警察が捜査に乗り出すものの、女性の行方はわかりません。地道な捜査を続けて誘拐事件の謎が少しずつ解明されていきます。
フランスの作家・ピエール・ルメートルの代表作「カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ」の2作目の小説です。シリーズとして楽しみたい方は1作目の『悲しみのイレーヌ』から読んでみてください。
刑事オリヴァー&ピアシリーズ第6弾
ある日、マイン川で虐待跡のある少女の死体が発見されます。少女の死に不審な点があることから、刑事オリヴァーはピアたちと捜査開始。身もとの判明しない少女と捜査中に発生した殺人事件。捜査を進めていくうちに思いもよらない凶悪犯罪が浮上してきます……。
ドイツのミステリの女王と呼ばれている女性作家ネレ・ノイハウスの警察小説。同作品のシリーズは20カ国以上の国で翻訳されており、累計900万部を超える人気シリーズです。
北欧ミステリの人気小説シリーズ第1弾
デンマークの作家ユッシ・エーズラ・オールスンのベストセラー『特捜部Qシリーズ』の第1作目です。デンマークを舞台に描かれています。未解決事件を捜査する「特捜部Q」へ左遷させられた刑事カールは、ある未解決事件の資料に違和感を覚えて、助手のアサドと一緒に調査をはじめます。
小説をもとに本国デンマークで映画化もされた人気作品です。ぜひ読んでみてください。
北欧警察小説の金字塔! 人気シリーズ第1弾
ストックホルムの市バスの乗客たちが殺害される事件が発生。被害者のなかには、殺人課に所属する若い刑事がいました。刑事の右手には拳銃が。なぜバスに乗っていたのか、事件を解明するため被害者ひとりひとりへの聞き込み捜査がはじまります……。
スウェーデンの人気シリーズ「刑事マルティン・ベックシリーズ」の第1作目の作品です。警察小説の金字塔とも呼ばれています。アメリカで映画化されました。
「警察小説 おすすめ」のおすすめ商品の比較一覧表
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Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの警察小説 おすすめの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
そのほかの小説はこちら
たくさんの種類の警察小説を読んでみよう
警察組織を舞台に描かれた警察小説。猟奇的な犯罪やトリッキーな犯行など、非日常感のあるストーリーは毎日の生活の刺激になります。オープンではない警察組織についても、リアルに描かれているのも特徴です。刑事と犯人のリアリティのあるやり取りが描かれており、読んでいるだけで緊張感が走ります。
どんな警察小説から読めばいいのかわからない方は、ドラマ・映画化された作品の原作本や短編集を選ぶといいでしょう。司書教諭のyokoさんと編集部で厳選したおすすめ作品も参考にして、探してみてください。
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本や博物館が好きすぎて、司書教諭の免許と学芸員の資格を保有しているライター。小学校教諭と幼稚園教諭の資格も保有。 どのようなジャンルの本も幅広く読む。趣味は小説を書くことや美術館めぐり。ネイルやマッサージなど、リラックスできることが生きがい。基本的に文化系女子。世界をひとりで旅行して、暮らすように滞在するのが好き。プチミニマリストで、がんばらない家事を意識している。