大学入学共通テストはセンター試験からどう変わる?

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2021年度入学者から、これまで行われていた大学入試センター試験に代わり「大学入学共通テスト」が導入されます。実施時期については、例年のセンター試験と同様に1月中旬の土日。2021年は、1月16日(土)と1月17日(日)に行われます。
物理の問題の傾向としては、これまでのセンター試験とは大きく変わらないといわれます。ただし、イラストや図が多く使われ、日常の現象を物理学的に捉える問題が複数出される可能性が高いともいわれているので、基礎固めが大切。どの分野も満遍なく苦手を克服しておくようにしましょう。
大学入学共通テスト用物理参考書の選び方
受験勉強の第一歩でもある参考書選び。限られた時間のなかで、学習した内容をしっかり自分のものにするためには、自分が学びやすい参考書を選ぶことが大切です。
まずは、選び方のポイントを押さえたうえで、より効果的な勉強法で大学受験に立ち向かいましょう。
参考書の内容は勉強スタイルに合わせて
学習段階や理解度を見極め、自分に合った勉強スタイルを選んでいきましょう。
大きく分けると、「解説書」と「問題集」のふたつのタイプにわかれます。自分好みの構成や解説がされている参考書を見つけて、無理なくコツコツを進めていける一冊を見つけてください。
基礎からしっかり理解したい人は「解説書タイプ」
どこから手をつけていいかわからない方や、基礎部分に不安をかかえている方はまず解説書タイプで基礎固めしていきましょう。
物理の全体像がやさしく解説されているものから、分野別でよりこまかな内容が収録されているものまでさまざま。とくに文章だけではわかりにくい分野については、イラストや図が豊富なもので、イメージから理解することが大切です。
演習重視なら「問題集タイプ」
「学校の授業はある程度理解できる」、「物理は比較的得意科目で本番をイメージした学習がしたい」という方は問題集タイプを選びましょう。
注意するポイントは、問題の豊富さと充実した解説です。より多くの問題で解答力を鍛え、誤解やミスはわかりやすい解説で理解を深めていきましょう。
勉強したい分野を考えよう
受験勉強を進めていくと、得意分野や不得意分野が見えてきます。
プレテストで平均的に得点が取れている場合や、ある分野だけどうしても得点が取れないなど、自己分析して自分に合った勉強方法を取り入れていきましょう。
物理の内容を網羅的に勉強したいなら「全分野タイプ」
これといって得意不得意が明確ではなく、学力を全体的に底上げしたい場合は、全分野が一冊にまとめられている参考書で理解を深めましょう。物理は全分野まんべんなく出題されることが多いので、全体強化は得点アップに効果的といえます。
特定の分野を勉強したいなら「特化タイプ」
波動が苦手、電磁気で得点が取れないなど、特定分野の強化に力を入れたい人は、分野別参考書で対策しましょう。文章での解説に加え、イラストや図解が対になっているタイプなら、イメージで理解しやすく、苦手克服にもつながりますよ。
物理の勉強をより効率的に行なうためには
受験勉強は努力だけでなく学習効率も重要な必勝ポイント。試験当日までの大切な時間を有意義に使うことも、目標達成への近道ですよ。
参考書選びの段階で、詳しい解説や正しいボリュームのものを選び、無理なく無駄なくしっかりと対策しましょう。
解答や解説ページが多い参考書が分かりやすい!
学習するうえで、とくに時間がかかる知識のインプット。解答や解説ページが多い参考書は、ボリュームが多く敬遠しがちですが、やさしくかみ砕かれた説明が多いため、わかりやすく、学習を進めやすい点が魅力です。
また、理解したつもりでいても、誤解やミスがあることも。そんなときにわかりやすい解説があることで軌道修正にも役立ちます。
図が大きくたくさんあるほうが理解につながる
文字ばかりの解説ではなかなかイメージしづらい物理現象を、わかりやすい図解で解説してくれる参考書も多数販売されています。
大きなイラストや見やすい配色で視覚からアプローチすることで、時間がかかりがちな分野も克服しやすくなりますよ。
勉強できる残り日数と参考書のボリュームは適切か
どの科目にもいえることですが、共通テスト対策は必要範囲と目標点を見極めて学習することが大切。時間が限られているなかで、分厚い参考書をやみくもに使うのはもったいないです。
短期集中で共通テスト範囲をマスターできるような参考書もあるので、ほかの科目との勉強時間のバランスも考えながら選びましょう。
目標点数を決めておくと参考書選びがスムーズに
自分の得意不得意や理系か文系かによって、目標点数は異なります。
目標点数を6~7割とする場合は標準的な問題は極力落とさない、9割を目標とする場合は難問も解けるように対策しておかなければなりません。合格ラインを見極めて、過不足なくカバーできる参考書を選びましょう。
大学入学共通テスト向け物理参考書選びの重要ポイント 受験対策のプロからのアドバイス
SRP教育研究所所長
物理は、理論もイメージも必要とされるため、学習が難しい科目です。そのため最初のうちは、学習を進めても、なかなか問題が解けるようにならないことも多々あります。自分にとって、理論・イメージ・問題演習のどれが必要なのかをしっかり意識して、参考書を選ぶとよいでしょう。
大学入学共通テスト用の物理参考書おすすめ11選 問題集&解説書
それでは選び方のポイントを踏まえて、あなたにぴったりな参考書を探していきましょう。充実した解説や問題多め、分野別など、バリエーション豊かにそろっていますよ。
東進ブックス『橋元の物理基礎をはじめからていねいに』

出典:Amazon
タイプ | 解説書 |
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ページ数 | 336ページ |
分野 | - |
河合出版『物理のエッセンス 力学・波動』

出典:Amazon
タイプ | 解説書 |
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ページ数 | 216ページ |
分野 | 力学、波動 |
学研プラス『高校物理基礎をひとつひとつわかりやすく。パワーアップ版』

出典:Amazon
タイプ | 解説と練習問題 |
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ページ数 | 160ページ |
分野 | 基礎 |
学研プラス『宇宙一わかりやすい高校物理 力学・波動』














出典:Amazon
タイプ | 解説と練習問題 |
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ページ数 | 508ページ |
分野 | 力学、波動 |
かんき出版『物理の解法フレーム 力学・熱力学編』

出典:Amazon
タイプ | 問題集 |
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ページ数 | 140ページ |
分野 | 力学、熱力学 |
学研プラス『宇宙一わかりやすい高校物理 電磁気・熱・原子』














出典:Amazon
タイプ | 解説と練習問題 |
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ページ数 | 600ページ |
分野 | 電磁気、熱、原子 |
KADOKAWA(カドカワ)『漆原晃の物理基礎・物理[電磁気編]が面白いほどわかる本』
![KADOKAWA(カドカワ)『漆原晃の物理基礎・物理[電磁気編]が面白いほどわかる本』](/assets/loading-gif-831efa60fcaad8b543579bb1809cf3a0cded0accde7b020d68cf390d70415d6c.gif)
出典:Amazon
タイプ | 解説書 |
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ページ数 | 304ページ |
分野 | 電磁気 |
数研出版『チャート式シリーズ 新物理 物理基礎・物理』

出典:Amazon
タイプ | 解説書 |
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ページ数 | 504ページ |
分野 | 物理基礎、物理 |
駿台文庫『短期攻略 大学入学共通テスト 物理』

出典:Amazon
タイプ | 問題集 |
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ページ数 | 444ページ |
分野 | 基礎、共通テスト |
教学社『共通テスト問題研究 物理/物理基礎』

出典:Amazon
タイプ | 問題集 |
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ページ数 | 848ページ |
分野 | 共通テスト |
学研プラス『ひとりで学べる 秘伝の物理講義 力学・波動』

出典:Amazon
タイプ | 解説書 |
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ページ数 | 560ページ |
分野 | 力学、波動 |
「大学入学共通テスト用物理参考書」のおすすめ商品の比較一覧表
エキスパートのおすすめランキング【TOP3】 大学入学共通テストの物理参考書のTOP3!
ご紹介した商品のなかから、受験対策のプロ・伊丹龍義さんがおすすめする大学入学共通テスト用物理参考書ランキングを発表します。迷ったときの参考にしてみてくださいね。
3位 河合出版『物理のエッセンス 力学・波動』
SRP教育研究所所長
河合出版『物理のエッセンス 力学・波動』は学校で使用する物理の教科書をもとに、その前段階のイメージづけと、その後段階の問題演習をおこなうことに主眼を置いたテキスト。少しデザイン的には古い部分があり、今の流行りのテキストに比べると、解答・解説もシンプルですが、この一冊で基本から発展までカバーでき、内容が安定している名著です。
2位 東進ブックス『橋元の物理基礎をはじめからていねいに』
SRP教育研究所所長
東進ブックス『橋元の物理基礎をはじめからていねいに』は講義(会話)形式で、イメージをゼロから身につけていくテキスト。問題演習では、「どう考えるか」も含め、説明されているので、自然と問題も解けるようになります。ただ講義形式で、内容が若干少なめのため、ほかのテキスト・問題集に入る前の一冊としておすすめです。
1位 学研プラス『高校物理基礎をひとつひとつわかりやすく。パワーアップ版』
SRP教育研究所所長
学研プラス『高校物理基礎をひとつひとつわかりやすく。パワーアップ版』は見開きでイメージと解説、問題が見やすくまとまっている、イラスト多めの参考書。テーマ別にわかれているので、独習でひとつひとつ最初から進めていくという以外にも、学校の授業でわからないところを調べる、という使い方にも向いています。
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 大学入学共通テスト用物理参考書の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの大学入学共通テスト用物理参考書の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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参考書を使って物理の苦手をつぶそう!
大学入学共通テスト用の物理参考書のおすすめ11選をご紹介しました。
まず、解説書タイプか問題集タイプかをしぼりましょう。さらに、学習したい分野を考慮しながら、図解や詳しい解法の有無などもチェックすることがポイントです。
全体網羅型や分野別など使う場面をイメージしながら、あなたの勉強法にぴったりの大学入学共通テスト用物理参考書を選んでみてくださいね。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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※2020/12/14 コンテンツ追加のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 矢部栞)
SRP教育研究所所長、教育図鑑相談役、「学びエイド」鉄人講師、「家庭教師のトライ」Try IT中学理科担当。 中受ラジオ・教育ラジオ プロデューサー。小学館「観てわかる中学理科」映像担当。「頭脳王」「東大王」(特番)監修 、「KIDSdo」問題原案、マイナビ中学受験執筆者、自然科学教育&中学受験・高校受験理科&算数。 珈琲&パピコ好き、勝どき在住 。