エンジンスターターの選び方
それでは、エンジンスターターの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の4つ。
【1】純正品か社外品か
【2】適合車種
【3】電波がどこまで届くのか
【4】便利な機能
上記の4つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】純正品か社外品かをチェック
エンジンスターターには、純正品と社外品があります。純正品は自動車メーカーが販売しており、車種と互換性があり動作保証もされているので、誤作動などのトラブルの心配もほとんどありません。
一方社外品は、安価な値段で取り付けできるところがメリットですが、一部の機能が使えなかったり、動作に不具合がある、といったこともありますので、注意が必要です。
【2】適合車種をチェック
各自動車メーカーのセキュリティシステムとの親和性はとても重要です。プッシュスタート車用・ハイブリッド車用・イモビライザー車用とそれぞれ専用品が用意されているので、適合メーカー・車種・年式との適合を必ずチェックしてください。
また、エンジンスターターはおもに日本車向けの製品と認識してください。輸入車向けの製品もありますが、工賃を含めて基本的に割高です。
社外品のエンジンスターターを選ぶ際に気を付けたいのは、適合する車種だけでなく、適合するタイプも確認するようにしたいということです。
たとえば、イモビライザーがつけられている車であれば、別途専用のアダプターや取り付けるための代金がかかる場合があります。またハイブリッドカーはそれ専用のモデルを選ぶ必要があります。
【3】電波がどこまで届くのかをチェック
エンジンスターターは遠いところからでも、エンジンを始動させることができる便利なアイテムですが、それは電波によって作動しています。
エンジンスターターから出ている電波がどこまで届くのか、その距離は重要な選ぶポイントとなります。また、電波送信のタイプによっても特徴がありますので、チェックし自分に合ったものを選びましょう。
▼実用距離を目安に選ぶ
エンジンスターターの電波の届く距離を見る際には、実用距離を見ましょう。最大距離を見て選ぶと、電波が邪魔されたときに作動しない、ということが起きます。
実用距離とは高い建造物にも邪魔されずに使える、という距離です。エンジンスターターは実用距離を見ながら、実際に使えるのは何メートル、ということを把握して選ぶようにしましょう。
▼電波の送信方法について
エンジンスターターから発せられる電波ですが、送信方法には2種、すなわち単方向性と双方向性があります。単方向性はエンジンスターターから一方的に電波を送るもので、双方向性のものよりリーズナブルな価格の製品が多いです。
一方双方向性は、電波が発せられたあと、自動車側から電波が返ってくるエンジンスターターです。こちらはエンジンの状態をリモコンで確認できるというのが特徴で、単方向性のものより高価な傾向があります。
【4】便利な機能もチェック
エンジンスターターは、エンジンをスタートさせるだけでなく、さまざまな機能を搭載しているものもあります。ドアのロックをかけることができたり、車内の温度を確認できたりする便利な機能がついたモデルもあります。
こうした便利機能にも着目して選ぶのもいいでしょう。あったらいいな、と思う便利機能が付いているかは確認しましょう。
(a)アンサーバック機能
エンジンスターターは、その便利さゆえ、見えない場所から使用する機会がいつか必ず訪れます。自宅と駐車場が離れていたらなおさらです。そんなときに便利なのが「アンサーバック機能」。
エンジンスターターには単方向性と双方向性があり、アンサーバック機能つきは後者の双方向性の機能にあたります。ボタンを押して無事にエンジンがかかったことを知らせてくれるすぐれものです。エンジンスターターを選ぶさい、ぜひとも押さえておきたいポイントのひとつです。
(b)イージーエントリー機能
イージーエントリーとは、エンジンスターターによるエンジン始動中でも純正キーレスエントリーやスマートキーなどによるドアの解錠および施錠ができる機能です。
この機能がないと、スペアキーを車内に置く手間がかかったり、乗り込むさいにいちどエンジンを停止し、再度始動しなおす必要があります。機種によって標準装備とオプション装備の場合がありますので必ずチェックするようにしてください。
エキスパートのアドバイス
スマホからの遠隔操作ができると便利
アプリをダウンロードして使用することが大前提となりますが、スマホがエンジンスターターに早変わりする便利な機能を備えたエンジンスターターもあります。
アプリ版独自の機能を追加できるものあり、とても便利です。しかも、アプリ自体のダウンロードおよび利用料は無料(通信費はのぞく)。注意事項として、お使いのOSやバージョンが対応しているか必ず確認してください。
エンジンスターターおすすめ12選
ご紹介したエンジンスターターの選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品を紹介します。スタンダードタイプから多機能モデルまで幅広く厳選されているので、予算や用途に合ったエンジンスターターを探してみてください。

プッシュスタート車専用のエンジンスターター
最近のクルマに普及しつつあるプッシュ式のエンジンスタートに対応したモデル(別売りの対応アダプターが必要)。車載アンテナはメインユニットに装着されたインダッシュタイプとなり、車内の目立たない場所に設置すれば存在も気になりません。
付属のリモコンは視認性にすぐれたホワイトバックライト。また、作動状態がアイドリング残時間・車両バッテリー電圧・車内温度がわかるようになっている点も非常に便利です。

かゆいところに手が届く親切機能が満載のモデル
高い通信性能と安定性を誇るエンジンスターター。アイドリングの残り時間を知らせてくれる機能や、1回でエンジンが始動できなかった場合、自動的に1度だけ再スタートしてくれるリトライ機能、バッテリー電圧が低下しているときにブザー音で知らせてくれる機能など、エンジンスターター以外の親切機能が充実しています。
さらに純正セキュリティー装着車でも取り付け可能。また、別売の車種別専用ハーネスと組み合わせることで幅広い車種に対応しています(イモビライザー装備車の場合は、別売のイモビ対応アダプターの接続も必要です)。

シンプルモデルながら、アンサーバック機能搭載!
キーシリンダー専用モデルのなかでももっともスタンダードなモデル。しかし、スタンダードでありながら、アンサーバック機能・アンテナ内蔵リモコン・インダッシュアンテナと、必要最低限の機能は備わっています。コスパ重視の方におすすめしたいエンジンスターターです。

LEDと音階ブザーで知らせてくれるシンプルモデル
液晶画面を持たない代わりにLEDと音階ブザーで知らせてくれるシンプルモデル。かんたんな操作でアイドリング時間を10分間してくれるアイドリング延長機能や、エンジンが1回でかからなくても自動的に最大2回再始動してくれるリプライ機能、14日以上クルマを使用しない場合にバッテリーの消耗を抑えてくれるスリープ機能を装備。
延長で通常は車内に取りつける車載アンテナユニットをジャンクションユニットに内蔵したことで、エンジンスターター装着車とは気づかれません。また、別売りのイモビ対応アダプターを装着することで、イモビライザー装着車にも対応しています。

市街地で最大12,000m! 従来比約4倍の受信
業界初のLoRa(R)無線技術採用により、最大12,000mの電波到達距離、市街地で最大約2,000mの実用通信距離を実現。また、便利な機能として、あらかじめ設定していた温度に達した段階でエンジンを停止させるオートストップ機能や、設定した時刻に自動的にアイドリングを開始するタイマースタート機能を搭載(使用後は再設定の必要あり)。
さらに、リモコン本体を保護するシリコンジャケットつきです。別売りのイモビ対応アダプターやキーレスエントリーの接続を行なうことでドアのロック&アンロックや、エンジンスターター使用時のみイモビライザーを解除することも可能です。
圧倒的な通信可能距離!
ボタンが3つだけ付いている、シンプルなデザインが特徴のエンジンスターターです。ボタンは大きめに作られているので子供から大人まで操作しやすくなっています。
音と光の両方でエンジンの始動を教えてくれるので、「気づかなかった」ということも防げます。また最大2500mまで電波が到達する距離の長さも魅力ですよ。
エンジンも走行もスマートに始められる!
こちらには「スマートスタート機能」が搭載されています。それにより、フットブレーキを踏んでもエンジンが止まらずスムーズに走行を始めることが可能。
リモコンの追加にも対応しているので、恋人や家族と車を共有して使っている方にもおすすめです。リモコンの音量や音色も自分好みにカスタマイズできるのも嬉しいですね。
コレ1つですぐに使える!
純正のスマートキーとエンジンスターターが通信することで使用可能になるので、スペアキーやイモビライザーが別途必要になることがありません。色々揃えるのが面倒だと考えている方にぴったりでしょう。
シルバーとブラックでシックにまとめられたデザインも魅力的。生活防水仕様になっているので、急な雨などでも安心して使えます。
3色で車の状態をお知らせ
赤・青・緑のライトを使って現在の状況を視覚的に把握できるエンジンスターターです。車両まで電波が届く距離なのかどうかも、音とライトでの確認が可能。スバルの旧型から新型まで幅広く対応しています。
これ1台あれば、エンジン始動やアイドリング残り時間なども、買い物や移動の合間に確認できるのでとても便利ですよ。
通信性に優れ、障害物に強いエンジンスターター
カーメイトの『TE-W8000』は、信号回転特性に優れているLoRa長距離無線通信技術を採用したことで、アンテナを伸ばさずに障害物に強い通信性能を実現したエンジンスターター。見通しでは最大15,000m、市街地は最大1,500mの通信が可能です。
見やすいブラックの液晶で、ステータスアイコンを一目見るだけで状態がわかるスタイリッシュなデザインで、不要なアイドリングを防ぐエコモード機能などもあります。
スペアキーの取付不要、スムーズな乗り出しを実現
カーメイトの『TE-X501T』は、純正のスマートキーのイモビライザーのデータをリモコンから通信できるため、車両へのスペアキー取付が不要です。また、イージーエントリー機能とオートリスタート機能を搭載し、ドアロック操作がアイドリング中でも可能&フットブレーキを踏むだけでエンジン停止と再始動を自動で行ってくれるため、スムーズに乗り出しが行えます。
※車両への取付には別売の「XE1 プッシュスタート車対応アダプター」が必要です。
車検対応、安全機能が充実したエンジンスターター
ユピテルの『VE-E7710st』は、国土交通省が定めたエンジンスターターガイドラインの適合品のため、車検にもOK。3年保証もついており、安心して使用できるエンジンスターターです。
また、誤作動防止IDコードで個別にコード設定されているため他の電波による誤作動を防止したり、シフトレバーがパーキングとニュートラル以外の時はエンジンがかからないなどの安全機能も充実しています。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする エンジンスターターの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのエンジンスターターの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
エンジンスターターに関するQ&A よくある質問
個人での取り付けは可能?

安全のため、購入した販売店に依頼しましょう。
他社のハーネスや別車種のハーネスは使える?

他社または別車種のハーネスは使用できません。取り付け時はハーネス適応表に記載されている専用のものを使用してください。
【関連記事】エンジンスターターに関するそのほかのおすすめ記事
まとめ
エンジンスターターはとても便利な商品ですが、所有しているクルマにきちんと適合しないと作動してくれません。わからないことはうやむやにしたまま購入せず、必ず事前に確認するようにしてください。不明瞭なことはメーカーに問い合わせるのが確実です。
自動車メーカー純正品であれば間違いなく適合するので、適合するか不安な場合はそちらを選べば間違いありませんが、基本的に割高です。また、エンジンスターターはAT車向けの製品であり、クラッチペダルがあるMT車は適用外と認識しておいてください。
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輸入車の取扱説明書の制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトのリニューアルを担当し、Webメディアの面白さに目覚める。 その後、大手飲食店ポータルサイトでコンテンツ企画を経験し、2013年にフリーランスとして独立。現在はトヨタ GAZOO愛車紹介の監修・取材・記事制作、ベストカー誌の取材等で年間100人を超えるオーナーインタビューを行う。 また、輸入車専門の自動車メディア・カレントライフの編集長を務める。現在の愛車は、2016年式フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーランと1970年式の古いドイツ車。妻と、平成最後の年に産まれた息子、動物病院から譲り受けた保護猫と平和に(?)暮らす日々。