名作映画の選び方 映画批評家が解説
映画批評家の前田有一さんに、名作映画を選ぶときのポイントを教えてもらいました。どれも重要なポイントですので、作品選びの参考にしましょう。
新しい作品を選ぶ
本作のように2017年公開と、比較的新しい名作映画もあります。
映画批評家
難解な作品はとっつきにくく古典は入手しづらい
「名作映画」というと、すでに評価が定まっている安心感と同時に、どこかとっつきにくいイメージをもつ方も多いと思います。たしかに映画賞ウケする難解な文学作品などには、やや退屈なものも少なくありません。また、モノクロやサイレント時代の古典というのも、DVDが発売していないなど、入手しにくいことがあります。
動画配信サービスでも多く取り扱われているような、比較的新しめの作品から「名作」に値するものをチョイスするのも選び方のひとつです。
製作地の個性が出た作品を選ぶ
ワーナー・ホーム・ビデオ『運動靴と赤い金魚』
映画批評家
国民性の違いやその国ならではの魅力を感じて
映画とは、製作国によってかなり印象が異なるものです。とくに一部のハリウッド映画以外は国際商品ではありませんから、基本的には自分の国の人々に向けて作られたもの。つまり、さまざまな国の「名作」を観て違いを感じることで、国民性の違いや個性、それぞれの魅力を知ることができます。
世界中の人々と感動を共有する楽しさを味わってみたい方は、さまざまな国、地域の「名作」を選んでみましょう。
専門知識が不要な作品を選ぶ
アクションシーンが多く、肩の力を抜いて楽しめるエンタメ映画の名作。
映画批評家
マニアックな作品、とっつきにくい作品は除外する
映画のなかには、かなりの予備知識や専門性を必要とする作品や、原作既読が事実上の前提条件となっているようなものも多くあります。つまり、一定のニッチな層にとっては大傑作、といった種類のものです。
そうしたマニアックな評価を受けた作品や一般層にはとっつき難い作品は除外し、「予習」のいらない誰でも楽しめる気軽な作品をチョイスするのも選び方のひとつです。
名作映画のおすすめ作品6選 公開年・監督・出演者もチェック!
上で紹介した名作映画の選び方のポイントをふまえて、 映画批評家の前田有一さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。それぞれの特徴を見比べてみると、きっと観てみたいと思える作品に出会えますよ。

アルタミラピクチャーズ『ハッピーフライト ファーストクラス・エディション』

出典:Amazon
公開年 | 2008年 |
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時間 | 本編103分+映像特典 |
製作国 | 日本 |
監督 | 矢口史靖 |
出演 | 田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるか、吹石一恵ほか |

ワーナーエンターテイメントジャパン『トロイ ディレクターズ・カット』

出典:Amazon
公開年 | 2004年 |
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時間 | 本編約196分+映像特典約83分 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ウォルフガング・ペーターゼン |
出演 | ブラッド・ピット、エリック・バナ、オーランド・ブルーム、ダイアン・クルーガー、ブライアン・コックス、ショーン・ビーン |

ジェネオン エンタテインメント『マッハ! プレミアム・エディション』

出典:Amazon
公開年 | 2004年 |
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時間 | 118分 |
製作国 | - |
監督 | プラッチャヤー・ピンゲーオ |
出演 | トニー・ジャー、ペットターイ・ウォンカムラオ、プマワーリー・ヨートガモン |
ムエタイの達人が演じたアクション映画
タイといえば、世界最強の立ち技格闘技ともいわれるムエタイが有名です。本作はその達人でスタントマンの経験も豊富なアクションスター、トニー・ジャーを大ブレイクさせた作品。彼が、村の守り神を奪還しようと悪に挑むストーリーはシンプルですが、その分トニー・ジャーのアクション、スタントは質量ともに圧巻(あっかん)です。
今や常識となったCGもワイヤーも使わないその動きは、とても生身の人間とは思えません。音楽も撮影もそれを見事に引き立てています。タイのアクション映画界のすさまじさを、本作は世界中に知らしめました。
近年のワイヤーアクションものではなく、70〜80年代の香港映画のような、ワイヤーなしのカンフーアクションが好きな方におすすめです。

ツイン『オアシス HDデジタルリマスター版』












出典:Amazon
公開年 | 2019年 |
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時間 | 133分 |
製作国 | 韓国 |
監督 | イ・チャンドン |
出演 | ソル・ギョング、ムン・ソリ、アン・ネサン、チュ・グィジョン、リュ・スンワン |
タブーに挑戦したセンセーショナルな名作
韓国は国を挙げて映画産業を推進しており、国内市場規模ながら佳作を多数生み出すことで知られています。本作はそんな韓国映画のなかでも、最高峰というべき人間ドラマ。出所したばかりの暴力的な男が、脳性麻痺(のうせいまひ)の女性に襲い掛かる衝撃的な内容ですが、物語は意外な展開をみせ、ふたりはかけがえのない純愛をはぐくむことになります。
マヒ患者を演ずるべく、役作りがいきすぎて身体を壊したムン・ソリの演技は映画史に残るすさまじさです。センセーショナルな作品に興味がある方におすすめです。タブーに臆(おく)さず、人間の本質を描く勇気は韓国映画の魅力のひとつ。本作が高く評価されたイ・チャンドン監督は、翌年には盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領のもとで、文化観光部長官に任命されることになりました。

SIX TEEN FILMS『わたしは、ダニエル・ブレイク』

出典:Amazon
公開年 | 2017年 |
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時間 | 100分 |
製作国 | - |
監督 | ケン・ローチ |
出演 | デイヴ・ジョーンズ、ヘイリー・スクワイアーズ、ディラン・フィリップ・マキアナン、ブリアナ・シャン |

Legendary Pictures『グレートウォール』

出典:Amazon
公開年 | 2017年 |
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時間 | 103分 |
製作国 | 中国・アメリカ |
監督 | チャン・イーモウ |
出演 | マット・デイモン、ウィレム・デフォー、アンディ・ラウ、ジン・ティエンほか |
「名作映画」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 名作映画の売れ筋をチェック
Amazonでの名作映画の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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映画の奥深さを名作で知る 映画批評家からのアドバイス
映画批評家
名作映画の定義は千差万別
一言で「名作」といえど、その定義は千差万別です。フランスのリュミエール兄弟が発明して以来、映画の歴史は120年を超えますが、その間、星の数ほどの作品が生み出されてきました。
ここで紹介した作品はそのほんの一部にすぎませんが、現代人が「たまにはおもしろい映画でも観たいな」と思ったときに気軽に見るとすれば、かならず平均以上の満足をえられるセレクションだと自負しています。
奥が深い「映画」の魅力にふれる、最初の「名作」群として、うまく活用してもらえたらと思います。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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※2020/12/08 コンテンツ追加・修正のため記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 名原広雄)
前田 有一(まえだ ゆういち) 東京都 浅草出身、亀有育ち。 宅建主任者、健康運動実践指導者、消費者問題ライターを経て映画批評家に。 テレビ、ラジオ、週刊誌、新聞などマスメディアや9000万ヒットWEB『前田有一の超映画批評』にて独自の「批評エンタテイメント」を展開中。 また国際映画祭実行委員、講演活動、トークライブ、こども映画会等のイベント出演など、映画ファンを広げる活動も続ける。 著書「それが映画をダメにする」(玄光社)