ブックスキャナーとは
ブックスキャナーとは、本・書籍をスキャンし、PDFなどへデータ化してくれるデバイス。コピー機のスキャナーのようなタイプもあれば、本専用のスタンドタイプまで様々な種類があります。
ブックスキャナーを使用することで、大きな質量の本・書籍をデータ化できるため、本棚を整理することができます。さらに、データ化した書籍はPDFやアプリなどでいつでも読むことができるため、場所を選ばず読めるメリットもあります。
ブックスキャナーの種類・タイプ
ブックスキャナーには、大きく分けて「シートフィード型」「フラットベッド型」「オーバーヘッド型」の3種類に分けられます。一つひとつ解説していきます。
かんたんさを求めるなら「シートフィード型」
仕事中に本の一部をスキャンしたいときは、素早くかんたんにおこないたいもの。そのようなシーンに適しているのが「シートフィード型」。別名「ドキュメントスキャナー」とも呼ばれます。
原稿などの書類はまとめてセットすれば、自動的に1枚ずつ読み取り可能。しかも高速です。ただし本の場合はページをばらして分解する必要があります。本をそのまま残しておきたい場合は向いていません。
精度にこだわるなら「フラットベッド型」
平らな形状をしているのが「フラットベッド型」。本をスキャンするときはページを開いて置くだけなので、ページをばらす必要がありません。本を大切にしたい場合に便利です。
厚みのある本でも影が入らないような設計になっており、読み取り精度にすぐれています。ただし設置スペースが必要で、一度にスキャンできないのがデメリット。スキャンするたびにページをめくらなくてはなりません。
手軽さ重視なら「オーバーヘッド型」
シートフィード型やオーバーヘッド型よりも値段は高くなりますが、手軽に本をスキャンできるのが「オーバーヘッド型」。デスク用ライトと同じような形状で、本を読み取り機の下に置くだけです。
本のページを分解する必要がなく、厚みのある本でも手軽にスキャンが可能。ゆがみを補正する機能がついている製品もあります。
ブックスキャナーの選び方
それでは、ブックスキャナーの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
・本を裁断するかどうか
・解像度
・読み取りセンサー
・本のサイズ
・付加機能
上記の5つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】本を裁断するかどうかチェック
本をスキャンしてデジタルデータに変換することを通称「自炊」と呼びますが、自炊の方法は、「本を裁断して、1ページごとに切り離してスキャン」と「本をそのままスキャン」に大別されます。
本の置き場所に困っている場合は、前者の方法でデジタルデータ化したあと、本を処分することをおすすめします。ですが、元の本もそのままの形で保存しておきたいなら、こちらの方法ではデータ化できません。
裁断してスキャンする場合は「シートフィード型」、そのままスキャンしたい場合は、「フラットベッド型」か「オーバーヘッド型」が適しています。
【2】解像度をチェック
せっかくスキャンしても精度が劣ると読みづらかったりします。それを防ぐには、ブックスキャナーを選ぶときに解像度をチェックしましょう。
解像度が高いほど精密な読み取りが可能です。ただし解像度が高くなるとファイルサイズは重くなりますので要注意。
一般的に文字のみを読み取るのなら300dpi、写真や絵などもきれいに読み取りたいなら600dpiの解像度が目安です。
【3】読み取りセンサーをチェック
ブックスキャナーを選ぶとき、読み取りセンサー機能も大事なポイントです。スキャナーの読み取りセンサーには「CCD」と「CIS」の2種類があります。
CCDは読み取り精度とスピードにすぐれ、本をきれいにスキャンしたいときに便利。ただし値段が高めでサイズも大型です。
小型で値段が安めなのがCIS。ただし読み取り精度とスピードが遅くなります。使い勝手で選ぶならCCDのブックスキャナーでしょう。
【4】本のサイズをチェック
一般的なブックスキャナーが読み取れるサイズはA4です。単行本や文庫本サイズならA4でもじゅうぶんですが、大きい本になるとA3サイズが読み取れるスキャナーを選ぶことになります。
とくに絵本、地図などを多く読み取る場合は、最初からA3対応のブックスキャナーを選んだほうが使いやすいです。A4で読み取ろうとすると、分割してスキャンしなくてはなりません。
【5】付加機能をチェック
本をスキャンするとき、紙質によっては裏が写ってしまう場合があります。また、少しでもぶれるとまっすぐに読み取れません。
そのような不安があるときは、付加機能がついているブックスキャナーを選びましょう。裏写りを補正したり、取り込んだ画像のゆがみを補正できたりします。
そのほかにも、自分の指が写り込んだのを消す機能やパソコンで自動分割できる機能、スマホ読み取りが可能になる機能などがあるので、チェックしてみてください。
ブックスキャナーおすすめ12選
上で紹介したブックスキャナーの選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品を紹介します。シートフィーダ型やフラットベッド型、オーバーヘッド型と各種ご紹介していますので、使い方にあったスキャナーを選んでください。




設置スペースが狭くてすむドキュメントスキャナー
コンパクトなシートフィード型のA4対応ドキュメントスキャナーです。原稿がUターンして本体前部に収まる、排紙スペースのいらない「ラウンドスキャン」方式採用で、わずかなスペースにも設置できることが魅力です。最大解像度は600dpiで、両面読み取りに対応。スキャン速度も15枚(30面)/分(300dpi時)とじゅうぶんな性能を実現しています。A3ふたつ折り原稿のスキャンも可能で、最大約30枚までの原稿を一度にスキャンできます。
インターフェースはUSB 2.0と無線LANに対応しています。本をスキャンするには、本を裁断する必要がありますが、気軽に机の上に置けるスキャナーがほしいという人におすすめです。

業務用途でも使える高速ドキュメントスキャナー
シートフィード型のA4対応ドキュメントスキャナーです。最大解像度は1200dpiで、両面読み取りに対応。スキャン速度は、最大65枚(130面)/分(300dpi時)と超高速です。オートシートフィーダで最大100枚の給紙が可能で、継ぎ足しスキャンにも対応していますので、大量の文書も短時間でスキャン可能。インターフェースはUSB 3.0ですが、オプションで有線LANにも対応します。
A3やB4サイズの原稿も別売りのキャリアシートに挟むことでスキャンが可能。書籍を裁断してデジタルデータにしたいという人はもちろん、大量の文書をデジタルデータ化して、ペーパーレスを推進したいという人にもおすすめです。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ブックスキャナーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのブックスキャナーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
エキスパートのアドバイス
IT・テックライター
プリント整理にもおすすめなデバイスです
ブックスキャナーは、本を自炊してデジタルデータ化するための製品ですが、小中学校で配布されるお知らせのプリントなどを整理したいという人にも向いています。とくに、シートフィード型のドキュメントスキャナーなら気軽にプリントをデジタル化できるので、もらったはずのお知らせが見つからなくなって困ることも防げます。
プリントを片っ端からスキャンして、クラウドに保存しておけば、スマートフォンを使っていつでもどこでもその内容が確認可能。このように、家庭内のペーパーレス化にもブックスキャナーはとても役立ちますよ。
種類ごとの特徴を把握しよう
本記事では、ブックスキャナーの種類や選び方、そしておすすめ商品をご紹介しましたが、いかがでしたか?商品を選ぶ際は、種類ごとの特徴を抑えた上で、下記の5つのポイントを抑えておきましょう。
・本を裁断するかどうか
・解像度
・読み取りセンサー
・本のサイズ
・付加機能
上記のポイントを抑えることで、より使いやすいブックスキャナーを選べるはずです。
ブックスキャナーは保管に困ってしまった本・書籍をデータ化してスリムにしてくれるだけでなく、電子書籍として、手軽にどこでも読書ができるようにしてくれます。スキャンすることで、部屋もスリムになるので、部屋の本の整理を考えている方は、ぜひ本記事を参考に、自分にピッタリの商品を見つけてくださいね。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。 ライター歴25年。PC/ITに関するテクノロジーの解説や製品レビューを得意とする。 最近は、STEM教育や3DプリンターやCNCを初めとするデジタルファブリケーションに興味を持ち、積極的に取材や記事執筆を行っている。 また、子どもへのプログラミング教育にも関心があり、CoderDojo守谷のメンターを務めている。