ノートパソコンの選び方|基礎知識も解説
ノートパソコンを選ぼうと思っても、CPUやメモリ、ストレージなど、「知らない単語が並んでいて、結局、どれがいいか分からない」と感じる人も少なくないはず。本項では、ノートパソコンの選び方と、それにつながる基礎知識をご紹介します。ポイントは下記の9点。
【1】基本ソフト(OS)の種類
【2】プロセッサー(CPU)
【3】メモリ
【4】ストレージ容量
【5】GPU
【6】画面サイズ
【7】Officeソフトの有無
【8】セキュリティの有無
【9】バッテリー駆動時間
ひとつひとつ解説していくので、ぜひ参考にしてくださいね。
【1】基本ソフト(OS)の種類をチェック
ノートパソコンを購入するにあたって、まずは、コンピューターを動かすための基本のソフトウェアである「OS」について知っておく必要があります。
OSには主にWindows、MacOS、Chrome OSの3種類あり、OSの種類によってノートパソコンの使い勝手が変わります。それぞれの特徴を解説していきます。
▼Windows(ウィンドウズ):世界で最も高いシェア
Microsoft社が提供しているOSが、Windows(ウィンドウズ)です。Microsoft社製のパソコン以外にも、幅広いメーカーのパソコンのOSとして採用されています。多くのノートパソコンにはOSとしてWindowsを採用しているため、幅広い商品から選べるのが特徴です。
ゲームやOfficeとの互換性も高く、初心者でも使用しやすいOSとなっています。
▼MacOS:直感的な操作でクリエイティブ向き
MacOS(マック)とはApple社製のパソコンラインナップMacに搭載されているOSです。現在搭載されているOSはOS Xで、Macのみにしか採用されていません。iPhoneのiOSなどほかのApple社のOSと互換性が高く、Apple社製品を多く利用している場合はとても便利です。
グラフィックデザイン性能にすぐれているため、クリエイティブ目的で使用する場合にMacOSが選ばれることが多いです。
▼Chrome OS:シンプルな操作性
Chrome OSとはGoogleが提供しているOSです。Chrome OSが搭載されているノートパソコンがChromebookです。Chrome OSはマウスを使った直感的な操作に対応しています。また、Chromebookはほとんどがタッチパネル式のため、タブレットのようなタッチスクリーン操作も可能です。
必要なソフトウェアをインストールして使うのではなく、WebブラウザであるGoogle Chromeを介して実行する特徴があります。そのため、HDDやSSDの大きな容量を必要としない、立ち上がりが早いなどのメリットがあります。
【2】プロセッサー(CPU)をチェック
プロセッサー(CPU)とは、パソコンのコア・頭脳になる部分で、主に情報処理能力を担うパーツ。高性能であるほど情報処理能力は高くなりますが、一方で価格も高くなっていきます。
一般的なノートPCには、プロセッサーメーカーで世界的シェアを誇っているインテル(intel)の『Core i シリーズ』『Celeron』『Pentium』やAMDの『Ryzen シリーズ』などがあります。一つひとつ解説していきます。
▼インテル(intel)のプロセッサー:Core i シリーズ
Core i シリーズは、インテル社が開発するCPU。インテル社で最も使用されているメインCPUで、『Core i3』→『Core i5』→『Core i7』→『Core i9』の順にスペック・値段が上がっていきます。
多くのパソコンで使用されているのは『Core i5』で、簡単な画像編集、いくつかの検索タブを開く、もしくは、ワードやエクセルといったオフィスソフトを1〜2個起動するといった場合でも動く、最低限の性能を備えています。
一方、ゲーミング、動画・イラスト編集、複数のオフィスソフトの起動など、PCに重い負荷がかかっても処理が可能なのは『Core i7』以上のシリーズが最適。
一方で、『Core i9』は最上位モデルになりますが、処理中に高発熱となる、電力消費が高すぎるといった声も挙がっています。
モデル | 処理できる用途の目安 | |
『Core i3』 |
ローエンドモデル |
・検索のみ |
『Core i5』 |
ミドルレンジモデル |
・ちょっとしたPCゲームのプレイ(重い処理は負荷) |
『Core i7』 |
ハイエンドモデル |
・画像・動画編集作業 |
『Core i9』 |
超ハイエンドモデル |
・『Core i7』よりもさらに重い負荷の作業 |
▼インテル(intel)のプロセッサー:Celeron
Celeronは、インテル社が開発するプロセッサー(CPU)。省電力・低価格が大きな魅力で、エントリーモデルなどに搭載されていることが多いです。
一方で、性能はメイン商品の『Core iシリーズ』と比べ、処理能力などは物足りなさを感じることは正直多いです。ソフト・アプリの同時使用、検索タブをたくさん開くといった場合はおすすめできません。
ワードのみ使う。調べものを少しする。といったあまりPCを使わず、とにかく価格を抑えたいという方におすすめです。
▼インテル(intel)のプロセッサー:Pentium
Pentiumは、インテル社が開発するプロセッサー(CPU)。性能・価格は『Core i シリーズ』と『Celeron』の間に位置しています。
低価格なPCや2in1PCなどに多く採用され、ちょっとした文章作成やオンライン会議、メールの送受信、検索などではスムーズに使用できるはずです。
とはいえ、『Core i シリーズ』の性能には敵いませんので、「会社PCなどでCore iシリーズに慣れてしまった」といった方は物足りなさを感じるかもしれません。
▼AMDのプロセッサー:Ryzenシリーズ
そもそも、AMDとは、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(Advanced Micro Devices)の略式で、アメリカに本社を置く、半導体製造会社。そして、そこで開発されているプロセッサー(CPU)がRyzenシリーズ。
『Ryzen3』→『Ryzen5』→『Ryzen7』の順にスペック・値段が上がっていきます。各シリーズの処理能力を、インテル社のCore iシリーズで対応させると下記のようになります。
対応する処理性能(目安) | |
『Ryzen3』 |
Core i3 相当 |
『Ryzen5』 |
Core i5 相当 |
『Ryzen7』 |
Core i7 相当 |
搭載PCによりますが、Ryzenシリーズは『Core i』シリーズを超える処理性能となる場合もあり、価格が安いものもあります。
インテルに対抗できるプロセッサーとして開発された背景もあり、現在、着実にシェアを増やしています。
(★)ポイント:CPUの世代はどう見ればいい?
『Core i シリーズ』『Ryzenシリーズ』に関わらず、さまざまなプロセッサーでは世代を表記しています。
単純な話ですが、やはり世代が最新の方が新しい技術が採用されており、スペックが高い仕様になります。例えば、「新世代の『Core i5』は旧世代の『Core i7』に相当する」といった形です。そのため、機能的にはできるだけ新しい世代のプロセッサーを選ぶのがおすすめ。
しかし、予算の兼ね合いもあるため、あえて旧世代の『Core i7』を選び、価格を抑えるといった購入もアリではあります。
【3】メモリをチェック
メモリとは、データ情報を保存する容量のこと。メモリについてはよくデスクに例えられていますが、何か作業をする際、デスクが広ければ、筆記用具や辞書、飲み物など、いろいろなもの置けて作業がはかどります。それと同じで、メモリの容量が大きいほど、さまざまな作業がスムーズに行えます。
メモリ容量については、調べ物程度であれば4GBでも問題ないです。しかし、オフィスソフトを一般的に使用する人は8GB以上、複数使用する・検索タブを多数開くといった方でサクサク作業したい方は最低でも16GB、動画・画像編集といった重い処理作業を行う方は32GB以上を選びましょう。
【4】ストレージ容量をチェック
ストレージとは、文章や画像、動画といった情報データを保存する場所です。メモリと混合されがちなので注意しましょう。
例えるなら、メモリは筆記用具などを置くためのデスクの広さ、ストレージはその筆記用具などをしまうための収納場所です。
ストレージ容量は、全く画像などを保存しないという方は、128GBでもOKですが、一般的には最低でも256GBは欲しいところ。さらに大容量で保存したい場合は512GB、1TB以上がおすすめです。
(★)ポイント:余裕があれば、ストレージの種類も確認しよう
ノートパソコンに保存したデータは、ストレージに蓄積されます。ストレージにはHDDとSSDがあります。
HDDとはHard Disk Drive(ハードディスクドライブ)の略で、磁気体が塗られた円盤にデータを書き込んでいきます。価格が手ごろなので、1TB以上などの大容量なことが多い一方、衝撃に弱い、SSDより処理速度が遅いデメリットがあります。
SSDはSolid State Drive(ソリッドステートドライブ)の略で、半導体素子メモリを使ったドライブです。衝撃に強い・読み書き速度が速い・消費電力が少ない・作動音が静かというメリットがある反面、HDDより高額になっていて、256GB前後の容量が主流です。
【5】GPUをチェック
GPU(Graphics Processing Unit)とは、3Dグラフィックスの描写の際に必要な計算処理をおこなう半導体チップを指します。
ノートパソコンによって搭載されているGPUが異なります。NVIDIA社のGeForceは3D処理にすぐれているため、PCゲームを楽しみたいときに向いています。AMD社のRadeonは映像処理にすぐれているため、動画視聴やクリエイティブ向け。
PCゲームのプレイやイラスト活動など、使用するソフトによってどのGPUが自分に向いているのかもチェックしてみてください。
【6】画面サイズをチェック
画面サイズの目安は13~14型。このサイズが大き過ぎず、作業もしやすく、さらに携帯性に優れています。
一方で、イラストや画像編集などを行う場合は、作業のしにくさもあるため、15型以上を選ぶようにしましょう。ちょっとした調べものや文章作成作業、ネットショッピングなどが使用用途で、コンパクト性を重視したい方は12型以下でも問題ありません。
自分の好きなサイズがどのくらいなのかチェックし、選ぶようにしましょう。
【7】Officeソフトの有無をチェック
ノートパソコンのなかには、ExcelやWord、PowerPointなどのOfficeソフトがあらかじめ入っているものがあります。Officeソフトはあとから購入することもできますが、後づけの方が価格が高くなりがちです。
ビジネスやレポート作成目的でノートパソコンを購入する場合、Officeの入っているものを選ぶと費用をおさえられます。OfficeソフトにもPersonalやHome&Businessなどの種類によって入っているソフトの種類が異なるため、用途に合ったものを選びましょう。
【8】セキュリティの有無をチェック
ノートパソコンにはあらかじめセキュリティソフトが入っているものがあります。入っていない場合は、自分で購入してセキュリティ対策をおこないましょう。
セキュリティソフトはウィルス、パソコンデータの流出やハッキングから守ってくれるほか、フィッシングサイトやメールなどに対する警告なども出してくれます。大切なデータを取り扱うノートパソコンには、かならず常駐させましょう。
【9】バッテリー駆動時間をチェック
電源をつないでいない状態でどのくらいパソコンが連続使用できるかをあらわしたのが、バッテリー駆動時間です。外出先でノートパソコンを使う機会が多い場合、バッテリー駆動時間の長いものを選びましょう。
なお、ゲームや動画視聴などノートパソコンに多くの負荷のある作業をした場合、バッテリー駆動時間は短くなる点に注意が必要です。
エキスパートのアドバイス
メモリ8GB以上のモデルから選ぼう
ノートパソコンの用途はさまざまですが、現状ではメモリが8GB以上のモデルを選ぶのは必須条件と言っていいでしょう。重い処理が必要なゲームや動画編集をするなら、16GBは欲しいところ。
また、CPUやGPUは予算が許す限り高性能なものをチョイスすべきです。なお、Chromebookは用途が非常に限られるため、予算重視だとしてもWindows機を選ぶのが無難です。
ノートパソコンの人気メーカー
ノートパソコンはいろいろなメーカーから発売されています。メーカーごとの特徴をふまえてモデルを選びましょう。
■dynabook: 充実のサポートが魅力
dynabookは、メーカー名と同じノートパソコンdynabookシリーズを展開しています。機能性と大画面を両立させたスタンダードノートをはじめ、自宅用で好きな用途に使用できるホームノート、持ち運びに特化したモバイルノート、タブレットとしても使用できる2in1ノートと、利用するシーンに応じて選べます。
サポートも充実しているため、初心者がはじめてのノートパソコンを選びたいときにも向いています。
■富士通:用途に応じて幅広いモデルが選べる
富士通はパソコンシリーズFMVやLIFEBOOKを展開しています。メーカーとしての知名度も高く、用途に応じたモデルが選べます。富士通のみの購入特典やサポートなども充実。
スポーツチームとコラボした特別デザインモデルなども発売されています。機能はもちろん、個性的なノートパソコンを選びたいときにも向いています。
■NEC:初心者にも使いやすいモデルが豊富
NECはパソコンLAVIEシリーズを販売しています。同一シリーズでデスクトップ、ノート、タブレットを展開しているため、用途に応じたものを選びやすいのが魅力です。コンパクトなものから、機能性重視のものまでラインナップがあります。
自宅でのオンライン授業や学習を想定した小・中学生向けの学習用パソコンや、初心者向けの操作がしやすいモデルなどもそろっています。
■hp:シンプル設計でカスタマイズしやすい
hpはアメリカのパソコンメーカーです。エントリーモデル、スタンダードモデル、プレミアム、マスターピースと機能と価格を比例させたモデル展開になっているため、性能や価格に応じたものを選びやすくなっています。
ゲーミングPCやクロームブック、クリエイターパソコンなど用途に応じたスペックを搭載しているモデルも豊富。エントリーモデルはシンプルな設計となっているため、必要なものを自分で入れてカスタマイズしたい人にも向いています。
■Apple(MacBook):クリエイターに人気のモデル
Appleはノートパソコン、MacBookシリーズを展開しています。性能に応じてモデルが選べるため、価格と性能のバランスで比べやすいのが魅力です。
ほかのApple製デバイスとの互換性が高く、iCloudを通じてデータのやりとりをする、ライトニングケーブルで接続できるなどのメリットも豊富です。グラフィック処理にすぐれているため、クリエイターパソコンとしても多く選ばれています。
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まとめ
本記事では、初心者向けにノートパソコンの選び方や基礎知識などを紹介しましたがいかがでしたか。
ノートパソコンはモデルによって性能や価格が異なります。用途や利用シーンに応じた性能や重量のものを選びましょう。
パソコンメーカーの特徴をふまえておくのも、納得のノートパソコン選びにつながります。これからはじめてノートパソコンを選ぶ人も、買い替えやセカンドノートを検討している人も、本記事をぜひ参考にしてください。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
iPhone3GSの時代からスマートフォンを愛用している、ガジェット愛あふれるライター。 複数のメディアで家電製品の記事を担当、シンプルでわかりやすい文章がモットー。 冷蔵庫からオーディオ、パソコンまで、幅広く知識を問われる家電製品総合アドバイザー試験に一発合格。 最新機種が好きなのはもちろん、過去の名機を安価に楽しむのも好き。