クラフトソルトの選び方 塩料理研究家に聞いた!
塩料理研究家の青山志穂さんに、クラフトソルトを選ぶポイントを3つ教えていただきました。
原料や産地の確認を
シニアソルトコーディネーター/塩料理研究家
海外から輸入した塩を溶かして不純物を取り除き、海水とにがりを混ぜて再度結晶化させた「再製加工塩」という塩があり、原料の塩のほとんどはメキシコやオーストラリアなど海外の塩田で生産された塩が使用されています。
「再製加工塩」自体はコストパフォーマンスがよく日常使いにおすすめですが、たとえば、国産の塩を使いたい、旅先などで「ご当地の塩」がほしいといった場合には、パッケージをしっかりチェック。再製加工塩は、基本的には裏面の原材料表示のところに「天日塩(国名)」「海塩(国名)」と書いてあります。
エルシーエルジャパン『うまみ岩塩 ブルー岩塩 ざらめ』
イラン南部で採掘された、名前のとおりのブルーが見た目にもきれいな岩塩。ざらめのほかに粉末(パウダー)もあります。
>> 楽天市場で詳細を見るこだわり派は製造工程もチェック
シニアソルトコーディネーター/塩料理研究家
塩の製法は非常に多種多様です。製造法の違いで味や風味を大別することはできませんが、たとえばローフード志向の方は「濃縮も結晶も天日で行なわれている完全天日塩」というように、自分の志向に合う製法を選ぶこともできます。
産地名を冠しているクラフトソルトにはパッケージ裏面に「製造工程」が記載されていることが多いので、どのような製法でつくられた塩なのかチェックしましょう。
ミネラルバランスの割合に注目
シニアソルトコーディネーター/塩料理研究家
塩は製法によって結晶に含まれるミネラルのバランスが異なります。
パッケージ裏面の栄養成分表示をチェックして、ナトリウム(または食塩相当量)がどのくらいの割合を占めているのか確認しましょう。ナトリウムが多い=しょっぱさが強い、少ない=しょっぱさがまろやかです。
クラフトソルトのおすすめ4選 塩料理研究家が選ぶ!
ここまで紹介した選び方のポイントをふまえ、塩料理研究家の青山志穂さんならではの視点で、おすすめの商品を選んでいただきました。

『佐渡藻塩』 塩工房 佐渡風塩釜






出典:楽天市場
内容量 | 200g |
---|---|
保存方法 | 直射日光・高温多湿を避けて通気のよい場所で保存 |
原材料 | 海水、ナガモ、タマモ、アラメ |
産地 | 新潟県 |
3種の海藻をミックスした珍しい藻塩
とった海藻に海水を何度もかけて塩分量を多くした後に焼き、その炭を水に溶かして上澄みを煮詰めてつくるのが「藻塩」。世界中で日本だけでしか生産されていません。
海藻のエキスが入っているのでうまみがあり、近年では日本各地でご当地でとれる海藻を利用して藻塩づくりが行なわれています。基本的に1種類の海藻を使うことが多いのですが、この「佐渡藻塩」は日本海で育まれたナガモ、アラメ、ホンダワラの3種類の海藻を使用しています。そのためか、ほかの藻塩と比べて色もかなり濃い茶色で、うまみも濃厚。
さらに、海藻由来のおいしい苦味が癖になります。カカオのようなおいしい苦味があるので、ココアに入れたり、ごぼうのような土の香りのする野菜におすすめ。

『うまみ岩塩 ブルー岩塩 ざらめ』 エルシーエルジャパン




出典:楽天市場
内容量 | 60g、100g、250g |
---|---|
保存方法 | - |
原材料 | 岩塩 |
産地 | イラン(採掘) |

『能登のはま塩』 揚げ浜塩田 角花家
内容量 | 200g、300g |
---|---|
保存方法 | - |
原材料 | - |
産地 | 石川県 |

『太陽結晶塩 塩二郎(黒)』 田野屋塩二郎

出典:Amazon
内容量 | 100g |
---|---|
保存方法 | - |
原材料 | 海水 |
産地 | 高知県 |
完全受注生産品。予約待ちが殺到する完全天日塩
高知県の田野町で、塩職人の佐藤京二郎氏の手により生み出される、完全受注生産の塩。ハウスのなかには小ぶりな平たい箱がずらりと並び、そのひとつひとつが個人や飲食店からのオーダーに沿って仕上げられていきます。ほとんどの箱はすでに買い手が決まっていますが、一部、一般市場用にも生産を行なっています。
もともと人気の製塩所でしたが、トリュフを大量に投入したトリュフ塩(1kg100万円)を生産したことがメディアに取り上げられたことがきっかけで人気に拍車がかかり、2019年9月時点で、オーダーは3年待ちとか。見かけたら必ずゲットしたい希少品です。
「クラフトソルト」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 塩の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの塩の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
塩料理研究家からのアドバイス
シニアソルトコーディネーター/塩料理研究家
湿気で固まっても最後まで活用できる!
塩は食べられる無機物で腐ることはないため、賞味期限がありません。保管状況によっては湿気などで固まってしまうこともありますがお召し上がりいただけます。
固まってしまった場合は、とんかちなどの固いもので叩くか、フライパンでごく低温で乾煎り(からいり)することで、細かい状態に戻すことができます。どうしても難しいようなら、水に溶かして塩水の状態にしてお使いいただくこともできます。
どのような塩も生産者の方が一生懸命つくってくれたものなので、ぜひ捨てずに最後まで活用してくださいね。なお、ハーブやスパイスがブレンドされている調味塩は賞味期限があるのでご注意を。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/06/29 コンテンツを一部更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 花島優史)
慶応義塾大学卒。食品会社でのマーケティング・商品開発を経て、塩の専門店に入社。日本初のソルトソムリエ制度を創設。 その後、より多くの人に塩の魅力を伝えるため(社)日本ソルトコーディネーター協会を設立。 養成講座の開催のほか、講演会やイベント、メディア出演を行う。著書に『日本と世界の塩の図鑑』(あさ出版)、『塩図鑑』(東京書籍)など。 訪れた製塩所は200か所以上、塩のコレクションは1200種類以上に及ぶ。