理系大学生のPCの使い道
レポートの提出や実験データの集計など、何かとパソコンを使う事が多い理系大学生。一体どんなことでパソコンを使用するのでしょうか。
(A)レポート作成や発表資料作成
レポート提出などを行う場合、実験と検証を行い、それらの数字をまとめデータ化する。ワードだけでなく、エクセルでの指数計算、パワーポイントでのグラフ作成、そして発表資料の作成。時には教授からの課題も、メールによるパワーポイントデータを配られることもあります。
もちろん、学部によりその比重は変わりますが、おおむね理系の各学部は、文系に比べパソコンを使用する頻度は高いでしょう。
(B)専門ソフトを使用した講義・ゼミ
情報系・農学系・建築系・医療系など、学部や研究テーマによって違いはありますが、専門的なソフトやプログラムを活用した講義やゼミを行うことも少なくありません。そして、その場合、ソフトを自分のパソコンにインストールすることも多いです。研究を重ねるごとにデータ量も増えていきます。そのため、ソフトをダウンロードした際の情報処理速度なども考えながらパソコンを選ぶと、より快適にパソコン操作をすることができます。
(C)研究結果や論文の発表会
ゼミや研究室に入ることで、研究の成果や進捗共有のための発表会を行う機会が増えます。その発表では今までの研究をまとめるため、ワードやパワーポイントなどを使用する頻度も増えてきます。モニターやプロジェクターに接続し、発表を行うので、接続端子などにも気を遣わなければなりません。
前述しましたが、もちろん研究テーマによって違いはあります。しかし、講義や研究によってパソコンを使用する機会はかなり多いため、早いうちから用意し、操作に慣れておいた方がいいでしょう。
理系大学生向けパソコンの選び方
ITライターの秋葉けんたさんにお話をうかがい、理系大学生向けパソコンを選ぶときのポイントを紹介いたします。
【1】学部ごとに見るCPU
CPUとは、パソコンのコアになる部分で、主に情報処理能力を担うパーツです。インテルの『Core i シリーズ』などが代表的なCPUです。データ集計や資料作成などが多い理系の学部では、このCPUの処理能力は高い方が安心です。
とはいえ、学部ごとに研究するテーマが違うため、どれを基準にしていいか分かりません。本項では、学部ごとのCPUの目安をご紹介いたします。
(a)情報系・農学系などの学部は『Core i5』以上を目安に
情報系や農学系などの学部の場合、「MATLAB」をはじめとした専用ソフトを使用し、データ解析を行うことが多々あります。そのため「Core i5以上」のCPUですと作業も安心して行えます。また、ある程度複雑なプログラミングやデータ解析でもスムーズに行えるので、作業がはかどります。
(b)工学・建築系などの学部は『Core i7以上』を目安に
建築系の学科では「CAD」という3D・立体図面作成のソフトなどを使用します。また、工学系の学部では複雑なプログラミングなどを行うこともあります。そのため、スペックの高い「Core i7以上」のCPUを選ぶと、安心して作業することができるでしょう。
(c)ソフトを使わず文章作成中心の学部は『Core i3以上』を目安に
文章作成が中心で、ソフトを使わなくても、オープンデータの集計によるレポート作成などは発生します。そのため、「Core i3以上」を選んでおくと、動作が重くなるといったことも少なくなるでしょう。
しかし、「Core i3以上」といっても、ソフトを使用したり、データを集計することで、パソコンが重くなってしまう、固まってしまうという可能性は大いにあります。そのため、全体の基準としては「Core i5」以上は欲しいところです。
(※)ポイント:CPUはCore i5以上を基本にしよう
IT&家電ライター
大学の専門課程になると、理系は文系とくらべて研究や実験が多くなり、提出するレポートも増えます。複数処理を同時におこなったり大量のデータ解析をするため、スペックが低いPCでは動作が重くなってしまいます。PCはパーツごとに性能を選べますが、最初からスペックに余裕があるPCを選ぶことが大切です。
CPUはIntel製品なら4コア以上で、Core i5なら安心です。予算に余裕があったらCore i7やCore Hシリーズを選ぶといいでしょう。建築系やエンジニア系で使うCADや3D CADではCPUに大きな負荷をかけるので、Core i7以上がほしいところです。グラフィックボードの搭載も考慮しましょう。
【2】メモリーは作業効率に大きく関係する
メモリとは、データ情報(作業している情報)を保存する容量のこと。デスクによく例えられますが、何か作業をする際、デスクが広いと、筆記用具や辞書、飲み物など、いろいろなもの置けて作業がはかどります。同じく、メモリの容量が大きいほど、様々な作業や処理がスムーズに行えます。
理系の各学部の場合、グラフ・画像作成、データの読み込み・解析など、様々な処理を同時並行することが多いため、最低でも8GB、可能であれば16GBは欲しいところです。
(※)ポイント:メモリー容量は最低でも8GB、できれば16GB
IT&家電ライター
理系では分野によって専門的なソフトが必要になります。建築系のCADのほか、物理系や医学系では複雑なシミュレーション、工学系の回路設計やプログラミングなど、画像やデータを大量に扱うため、CPUだけでなくメモリーやストレージも大容量であるに越したことはありません。メモリー容量は最低でも8GB。できれば16GBはほしいところです。
【3】最適なストレージ容量は?
ストレージとは、文章や画像、動画といった情報データを保存する場所。メモリーはデスクに例えられましたが、ストレージはデスクの収納場所と考えるとイメージしやすいかもしれません。そしてそのストレージはSSDまたはハードディスクです。
SSDは、各動作のスピードが早く、そして、衝撃に強いという特徴があるため、保存しすぎて重いといったことも少なく、スムーズに作業ができるでしょう。目安としては、128GBで十分ですが、研究テーマのデータ量によっては256GBも検討しましょう。
(※)ポイント:ストレージはSSDで128以上を目安に
IT&家電ライター
データを保存するストレージはSSD(ソリッドステートドライブ)かHDD(ハードディスクドライブ)になります。SSDはHDDにくらべると高価ですが、動作が高速で、振動や衝撃に強いという特徴があり、ノートPCに最適です。通常の使用では128GBでじゅうぶんでしょう。
【4】バッテリーの稼働時間は7時間を目安に
構内でコンセントがない場所も多々存在します。そのため、バッテリーの稼働時間も確認しておきたいところです。基準としては、朝の授業から夕方の授業まで使える7時間を目安に考えるとよいでしょう。最近では長時間稼働できるパソコンも増えているので、ぜひ選んでみてください。
(※)ポイント:作業時間が長引く場合はACアダプターも持ち歩こう
IT&家電ライター
研究で使う専門ソフトの多くはOSが限定されています。WindowsかMac OSか、必要なOSを選びましょう。
PCを授業やゼミ、図書館などに持参するならバッテリーの持ちも重要です。1日の授業を考えれば7時間以上の駆動時間があれば大丈夫でしょうが、ゼミなどで長引く可能性があるならACアダプターも持参しましょう。
【5】ソフトのインストールのために光学ドライブもほしい
あった方が便利なのが、光学ドライブ。CD-ROMなどを入れることで、ソフトなどをダウンロードすることができます。研究所に外付けドライブなどがないときや、すぐにインストールしたいときなどに便利なため、あった方が便利です。もちろん、プライベートで映画や音楽も楽しめます。
【6】プレゼンなどのために外部出力端子もチェック
発表会やプレゼンなどで使用するのが「HDMI端子」やデータ受け渡しのための「USBポート」です。これらの端子がない場合、外付けのポートを使用しなければならないため、確認しておきましょう。もちろん、研究室に接続ポートがある場合もあるので、「あったら便利、なくてもなんとななる」程度で大丈夫でしょう。
(※)ポイント:HDMIが付いていれば問題なし
IT&家電ライター
研究室の発表会でプレゼンをおこなうときには、PCをプロジェクターやモニターに接続して映し出します。外部出力の端子にはHDMI、VGA、Mini Displayportなどさまざまな規格があります。一番普及しているHDMIが付いていれば、プロジェクターにすぐつなぐことができるはずです。
【理系大学生向け】パソコンおすすめ10選 CPU/GPU・ストレージ・メモリ・拡張性・接続・駆動時間・サイズもチェック!
先ほど紹介した理系大学生パソコンの選び方のポイントをふまえて、秋葉けんたさんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。

アップル『Macbook Pro』

出典:Amazon
CPU/GPU | 1.4GHzクアッドコアIntel Core i5/Intel Iris Plus Graphics 640 |
---|---|
ストレージ | 256GB SSD |
メモリ | 8GB |
拡張性 | Thunderbolt 3(USB-C)×2、USB 3.1 Gen 2 |
接続 | Wi-Fi(802.11ac)、Bluetooth(Bluetooth 5.0) |
駆動時間 | 最大10時間 |
サイズ | 1.49×30.41×21.24cm/1.37kg |

パナソニック『Let's note LV』

出典:Amazon
CPU/GPU | インテル® Core™i7-8565Uプロセッサー/- |
---|---|
ストレージ | SSD 512GB |
メモリ | 8GB |
拡張性 | USB3.1 Type-Cポート×1、USB3.0 Type-Aポート×3 |
接続 | - |
駆動時間 | 約19.5時間 |
サイズ | 333.0×225.3×24.5mm/約1.17~1.38kg |
充実したドライブや端子を装備したハイクラスPC
堅牢でビジネスユースにも使われるWindowsノートパソコン。アンチグレア仕上げの14型フルHD液晶画面に加え、USB 3.1やHDMIなど多様なコネクターを標準サイズで装備したハイクラスPC。
CPUはクアッドコアの第8世代インテルCore i7-8665U、またはi5-8365U。メモリーは8GB/16GB。ストレージはPCIe接続のSSDで、512GB/256GB。BDかDVDの光学ドライブも内蔵可能です。
OSはWindows 10 Proで、Officeも搭載しています。バッテリーパック(L)を装着すれば、最長約19.5時間もの長時間駆動を実現!

マイクロソフト『Surface Pro6』

出典:Amazon
CPU/GPU | i5-8250U~i7-8650U/インテル® UHD グラフィックス 620 |
---|---|
ストレージ | 128GB~1TB |
メモリ | 8GB~16GB |
拡張性 | USB 3.0 |
接続 | Wi-Fi: IEEE 802.11、Bluetooth 4.1 |
駆動時間 | 最大13.5時間 |
サイズ | 292×201×8.5mm/770g |
カジュアルに使いたい人におすすめのモバイルPC
キーボードの付いたタイプカバーを動かすことで、タブレットとしても使えるモバイルPC。ディスプレイは12.3インチで、タッチ画面やSurfaceペンでも入力可能です。持ち運びしやすいので、移動が多い理系学生にはとくにおすすめ。
CPUは第8世代インテ Core i5-8250Uクアッドコア、またはi7-8650U。メモリーは8GBか16GB。128GB/256GB/512GBのHDDか、1TBのSSDかを選べます。バッテリー駆動は最大約13.5時間。
OSはWindows 10 Home。Office Home and Business 2016が入っているのも便利です。

HP『Pavilion 15-c10000』








出典:Amazon
CPU/GPU | インテル® Core™ i5-8265U~Core™ i7-8565U/インテル®UHD620~AMD Radeon™ 530 |
---|---|
ストレージ | 1TB HDD~128GB SSD (SATA M.2接続) + 1TBHDD |
メモリ | 8GB~16GB |
拡張性 | USB3.1 Gen1 ×2 、USB Type-C™ 3.1 Gen1 ×1 |
接続 | IEEE802.11 、 Bluetooth5.0 |
駆動時間 | 約9時間 |
サイズ | 376×248×24mm/2.07kg |

富士通『LIFEBOOK WU2/D2』

出典:Amazon
CPU/GPU | インテル® Core™ i7-8565U~インテル® Core™ i3-8145U/Intel® UHD Graphics 62 |
---|---|
ストレージ | 128GB SSD~1TB SSD |
メモリ | 4GB~16GB |
拡張性 | USB3.1Type-C×1、USB3.1Type-C×1、USB3.1Type-A×2 |
接続 | IEEE802.11 、 Bluetooth5.0 |
駆動時間 | 約11.5~24時間 |
サイズ | 309×212×15.5mm/747g~855g |
Dynabook『AZ65/KGSD』












出典:Amazon
CPU/GPU | インテル Core i7-8565U プロセッサー 1.80GHz/インテル® UHD グラフィックス 620 |
---|---|
ストレージ | 256GB SSD |
メモリ | 8GB |
拡張性 | - |
接続 | IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠、Bluetooth Ver5.0準拠 |
駆動時間 | 約9.0時間 |
サイズ | 379.0×256.5×23.7mm/約2.4kg |
Lenovo『Ideapad C340』












出典:Amazon
CPU/GPU | インテル Core i7-1065G7 プロセッサー/インテル Iris Plus グラフィックス |
---|---|
ストレージ | 1TB SSD |
メモリ | 16.0GB |
拡張性 | USB:USB3.0×2 (内、Powered USBx1)、Type-C:USB3.0×1、HDMIポート |
接続 | EEE 802.11ac/a/b/g/n ワイヤレスLAN、Bluetooth v4.2 |
駆動時間 | 約10.0時間 |
サイズ | 364x250x20.5mm/2.0kg |
Lenovo『IdeaPad S540』












出典:Amazon
CPU/GPU | インテル Core i5-10210U プロセッサー/インテル UHD グラフィックス |
---|---|
ストレージ | 512GB SSD |
メモリ | 8.0GB |
拡張性 | Type-C:USB3.0×1、フルサイズ USB:USB3.0×2 (内、Powered USBx1)、HDMIポート |
接続 | IEEE 802.11 ac/a/b/g/n ワイヤレスLAN、Bluetooth v4.2 |
駆動時間 | 約17.3時間 |
サイズ | 358x245x16.9mm/1.8kg |
Dell『Inspiron 14 5490』
















出典:Amazon
CPU/GPU | Intel Core i5 10210U/Intel UHD Graphics |
---|---|
ストレージ | 256GB SSD |
メモリ | 8GB |
拡張性 | USB2.0x1,USB3.1x2,USB3.1(Type-C)x1,オーディオジャックx1,DP(Type-C兼用), HDM |
接続 | 802.11ac、Bluetooth 4.1 |
駆動時間 | - |
サイズ | 321.77x217.17.29mm/約1.42kg |
マイクロソフト『Surface Laptop 3』












出典:Amazon
CPU/GPU | インテル Core i5 1.2 GHz/(-) |
---|---|
ストレージ | 128 GB SSD |
メモリ | 8 GB |
拡張性 | USB-C / USB-A / 3.5mm ヘッドセット ジャック / SurfaceConnect |
接続 | Bluetooth 5.0 |
駆動時間 | 約11.5 時間 |
サイズ | 308.1x223.3x14.5mm/1.26 Kg |
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 理系大学生向けパソコンの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの理系大学生向けパソコンの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【関連記事】その他の高性能ノートPCをチェック
授業用のソフトの準備も忘れずに ITライターのアドバイス
IT&家電ライター
授業ではレポートや文書を作るソフトも必要です。よく使われているのはマイクロソフトのOfficeで、数種類のソフトを含むパッケージです。ノートパソコンを購入時にプリインストールされている場合もあるので、購入時には必ず確認しましょう。
文書作成ソフトの「Word」や表計算ソフト「Excel」の他、プレゼンテーションソフト「PowerPoint」はよくつかうので、パソコン購入前には必ずチェックしておきましょう。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/12/04 コンテンツ追加・修正のため記事を更新しました。(協力:マグスター 掲載:マイナビおすすめナビ編集部 名原広雄)
編集プロダクション「マイカ」所属のIT&家電専門ライター。 スマホやパソコン、ストレージ、ネットワークなどIT全般のみならず、家電についての執筆実績が多い。書籍、雑誌、新聞、業界誌やWebコンテンツなど、様々な媒体に記事を提供している。 また、広告やカタログ、導入事例といったB2Bの営業支援ツール制作にも携わる。IT系、家電を中心にコンセントにささるいいモノをおすすめしていきます。 略歴 1973年生まれ。 高等学校の教職員勤務経験を経て、マイカに勤務。雑誌や専門誌のライターとして活躍する。 その後、IT流通の専門誌の記事制作を担当し、B2BからB2Cまで幅広い専門知識を獲得。 最近では、Webメディアやオウンドメディアのの編集企画制作も担当。 著書歴 ・iCloud&iTunes超使いこなしガイド 2019最新版 (三才ムック) ・今すぐ使えるかんたん はじめる&使える MacBook入門(技術評論社) ・スマホの困ったを解決する本 (三才ムック) ・iPhone超活用ガイド (三才ムックvol.988) ・今すぐ使えるかんたんEx iPhone プロ技BESTセレクション(技術評論社)